Skip to main content
2025年10月13日20時52分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(26)「洗礼による以前と今」―キリストと共なる復活― 臼田宣弘

2020年10月15日09時12分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:コロサイの信徒への手紙バプテスマ(洗礼)臼田宣弘

今回は、コロサイ書2章11~13節aを読みます。

11 あなたがたはキリストにおいて、手によらない割礼、つまり肉の体を脱ぎ捨てるキリストの割礼を受け、12 洗礼によって、キリストと共に葬られ、また、キリストを死者の中から復活させた神の力を信じて、キリストと共に復活させられたのです。13 肉に割礼を受けず、罪の中にいて死んでいたあなたがたを、神はキリストと共に生かしてくださったのです。

本コラムは、「コロサイ書はパウロの名義によって書かれた擬似書簡である」という立場で書き進めています。しかし、コロサイ書の執筆者はパウロの教えをよく知るパウロの弟子であり(今までお伝えしているように、私はフィレモンが執筆者だと考えています)、「パウロの言葉」としてこの手紙を書いているわけです。しかしながら、「パウロの教えを継承しながらも、発展的に執筆している部分」もあり、その一つが、第17回でお伝えした「真性書簡の時間軸を中心とした終末論に対する、空間軸を中心とした終末論」です(『新版総説新約聖書』収載、永田竹司著「コロサイの信徒への手紙」)。

今回の箇所では「洗礼」が取り上げられていますが、コロサイ書が伝える「洗礼」は、真性書簡と少し違いがあると言われています(フェルディナント・ハーン著『新約聖書神学I上』448~450ページ、エードゥアルト・シュヴァイツァー著『EKK新約聖書註解(12)コロサイ人への手紙』126~127ページ、いずれもコロサイ書擬似書簡説に立つ新約聖書学者の著作)。真性書簡の中で洗礼について書かれている代表的な箇所であるローマ書6章のうち、4~5節を見てみます。

4 わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたしたちも新しい命に生きるためなのです。5 もし、わたしたちがキリストと一体になってその死の姿にあやかるならば、その復活の姿にもあやかれるでしょう。

真性書簡においては、洗礼とはキリストと共に葬られることですが、私たちの復活は「あやかれるでしょう」とされており、将来つまり終末のことなのです。これに対してコロサイ書2章12節には、「洗礼によって、キリストと共に葬られ、また、キリストを死者の中から復活させた神の力を信じて、キリストと共に復活させられたのです」とあり、洗礼とはキリストと共に葬られることであると同時に、私たちは「今」すでに復活させられているとされています。これについて、上記『EKK新約聖書注解XIIコロサイ人への手紙』において、エードゥアルト・シュヴァイツァーは以下のように述べています。

それに対してコロサイ人への手紙二章では逆に、いつか天への道を塞いでいる「諸元素(筆者注・新共同訳では2章8節および20節の「支配する霊」)」のために、キリストにまで昇ることができないのではないかという教会の不安に対処することが問題である。それ故決定的なことは、すべてすでに生じたということ、いかなる元素ももはや被挙された方(筆者注・天に上げられたイエス・キリストのこと)への通路を防ぐことができないということが強調されなければならない。(126ページ)

コロサイ教会などに入り込んできた間違った教えが持つ「世を支配する霊(諸元素)に従うこと」によって、教会の人たちが天におられるキリストに目を上げることができない状態であるため、世を支配する霊(諸元素)という障害物を取り除かねばならないという意味です。3章1節には「さて、あなたがたは、キリストと共に復活させられたのですから、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます」とありますが、天におられるイエス・キリストに目を向けるために、「洗礼によってキリストと共に復活させられている」ということの強調がなされているのです。コロサイ書では、真性書簡における「将来の復活」ではなく、洗礼を受けた者が「今」すでに復活させられ、「罪の中に死んでいた者が、生かされている」(13節a)ことが強調されています。

ところで、上記『新約聖書神学Ⅰ上』において、フェルディナント・ハーンは以下のように述べています。

1章21~23節に見られる「かつて」と「今」(ποτέ~νυνὶ)の図式は受洗者の根本的に変えられた存在にかかわる。(449ページ)

第21回で「1章21~22節での『キリストにあっての転換』は、『以前(ポテ / ποτέ)』は神から疎遠であったコロサイ教会の人たちが、『今や(ニュニ / νῦνι)』キリストにあって神と和解し、聖なる者、きずのない者、とがめるところのない者、すなわち罪の赦(ゆる)しを受けた者として、歩んでいるということです」とお伝えしましたが、それは洗礼の前後を意味していることが明らかになります。パウロにとっての受洗後の復活とは「将来(終末)」のことであるのに対し、コロサイ書では「今」のことなのです。真性書簡であるフィレモン書をお伝えしていた第10回では、「パウロにとっての以前(ポテ / ποτέ)~今(ニュニ / νῦνι)は、人生において、キリストにあっての大きな転換を意味します」とお伝えしましたが、擬似書簡のコロサイ書での「以前~今」は、受洗の前後を意味しているのです。

パウロにとって、洗礼とは、キリストと共に過去の自分に死ぬという[信仰]のありようと、将来(終末)の復活への[希望]です。そして、キリストにあっての大きな転換がなされた「今」は、[愛]の実践こそが大切なのです。冒頭でお伝えしましたように、コロサイ書は「真性書簡の時間軸を中心とした終末論に対する、空間軸を中心とした終末論」を述べているのですが、終末とは[希望]のことであり、コロサイ書が空間軸を中心とした、すなわち「今」の[希望]を述べているのは、「洗礼によって『今』すでに復活させられていることを強調しているからだ」と私は考えています。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:コロサイの信徒への手紙バプテスマ(洗礼)臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(25)「キリストに満たされる」―シンクレティズムとの戦い― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(24)「キリストに根を下ろす」―植物の成長を用いたもう一つの表現― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(23)「巧みな議論に惑わされないように」―偽巡回宣教者たちなのか― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(22)「結ばれて成熟した者に」―内住のキリストと― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(21)「以前と今や」―キリストにあっての転換― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • ビリー・グラハム伝道協会とサマリタンズ・パース、福音主義財務責任協議会を脱退

  • グラミー賞受賞のクリスチャンソングライター、飛行機事故で死亡

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • マルコの証言を通してイエスと出会う90分 「マルコドラマ」日本で初上演

  • グラハム氏の伝道集会に1万4千人が参加、言語的分断超え620教会が協力 ベルギー

  • 加速する聖書翻訳、3日に1つのペースで新しい言語訳の聖書が誕生

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(最終回)哲学と聖書(前半) 三谷和司

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(最終回)哲学と聖書(後半) 三谷和司

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • マルコの証言を通してイエスと出会う90分 「マルコドラマ」日本で初上演

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(最終回)哲学と聖書(前半) 三谷和司

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 中国東部で教会活動に対する大規模取り締まり、キリスト教徒70人以上拘束

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

  • 『奇跡の人生』 20世紀の英国を代表する新約聖書学者が遺した「信仰の置き土産」

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

編集部のおすすめ

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.