Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(26)「洗礼による以前と今」―キリストと共なる復活― 臼田宣弘

2020年10月15日09時12分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:コロサイの信徒への手紙バプテスマ(洗礼)臼田宣弘

今回は、コロサイ書2章11~13節aを読みます。

11 あなたがたはキリストにおいて、手によらない割礼、つまり肉の体を脱ぎ捨てるキリストの割礼を受け、12 洗礼によって、キリストと共に葬られ、また、キリストを死者の中から復活させた神の力を信じて、キリストと共に復活させられたのです。13 肉に割礼を受けず、罪の中にいて死んでいたあなたがたを、神はキリストと共に生かしてくださったのです。

本コラムは、「コロサイ書はパウロの名義によって書かれた擬似書簡である」という立場で書き進めています。しかし、コロサイ書の執筆者はパウロの教えをよく知るパウロの弟子であり(今までお伝えしているように、私はフィレモンが執筆者だと考えています)、「パウロの言葉」としてこの手紙を書いているわけです。しかしながら、「パウロの教えを継承しながらも、発展的に執筆している部分」もあり、その一つが、第17回でお伝えした「真性書簡の時間軸を中心とした終末論に対する、空間軸を中心とした終末論」です(『新版総説新約聖書』収載、永田竹司著「コロサイの信徒への手紙」)。

今回の箇所では「洗礼」が取り上げられていますが、コロサイ書が伝える「洗礼」は、真性書簡と少し違いがあると言われています(フェルディナント・ハーン著『新約聖書神学I上』448~450ページ、エードゥアルト・シュヴァイツァー著『EKK新約聖書註解(12)コロサイ人への手紙』126~127ページ、いずれもコロサイ書擬似書簡説に立つ新約聖書学者の著作)。真性書簡の中で洗礼について書かれている代表的な箇所であるローマ書6章のうち、4~5節を見てみます。

4 わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたしたちも新しい命に生きるためなのです。5 もし、わたしたちがキリストと一体になってその死の姿にあやかるならば、その復活の姿にもあやかれるでしょう。

真性書簡においては、洗礼とはキリストと共に葬られることですが、私たちの復活は「あやかれるでしょう」とされており、将来つまり終末のことなのです。これに対してコロサイ書2章12節には、「洗礼によって、キリストと共に葬られ、また、キリストを死者の中から復活させた神の力を信じて、キリストと共に復活させられたのです」とあり、洗礼とはキリストと共に葬られることであると同時に、私たちは「今」すでに復活させられているとされています。これについて、上記『EKK新約聖書注解XIIコロサイ人への手紙』において、エードゥアルト・シュヴァイツァーは以下のように述べています。

それに対してコロサイ人への手紙二章では逆に、いつか天への道を塞いでいる「諸元素(筆者注・新共同訳では2章8節および20節の「支配する霊」)」のために、キリストにまで昇ることができないのではないかという教会の不安に対処することが問題である。それ故決定的なことは、すべてすでに生じたということ、いかなる元素ももはや被挙された方(筆者注・天に上げられたイエス・キリストのこと)への通路を防ぐことができないということが強調されなければならない。(126ページ)

コロサイ教会などに入り込んできた間違った教えが持つ「世を支配する霊(諸元素)に従うこと」によって、教会の人たちが天におられるキリストに目を上げることができない状態であるため、世を支配する霊(諸元素)という障害物を取り除かねばならないという意味です。3章1節には「さて、あなたがたは、キリストと共に復活させられたのですから、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます」とありますが、天におられるイエス・キリストに目を向けるために、「洗礼によってキリストと共に復活させられている」ということの強調がなされているのです。コロサイ書では、真性書簡における「将来の復活」ではなく、洗礼を受けた者が「今」すでに復活させられ、「罪の中に死んでいた者が、生かされている」(13節a)ことが強調されています。

ところで、上記『新約聖書神学Ⅰ上』において、フェルディナント・ハーンは以下のように述べています。

1章21~23節に見られる「かつて」と「今」(ποτέ~νυνὶ)の図式は受洗者の根本的に変えられた存在にかかわる。(449ページ)

第21回で「1章21~22節での『キリストにあっての転換』は、『以前(ポテ / ποτέ)』は神から疎遠であったコロサイ教会の人たちが、『今や(ニュニ / νῦνι)』キリストにあって神と和解し、聖なる者、きずのない者、とがめるところのない者、すなわち罪の赦(ゆる)しを受けた者として、歩んでいるということです」とお伝えしましたが、それは洗礼の前後を意味していることが明らかになります。パウロにとっての受洗後の復活とは「将来(終末)」のことであるのに対し、コロサイ書では「今」のことなのです。真性書簡であるフィレモン書をお伝えしていた第10回では、「パウロにとっての以前(ポテ / ποτέ)~今(ニュニ / νῦνι)は、人生において、キリストにあっての大きな転換を意味します」とお伝えしましたが、擬似書簡のコロサイ書での「以前~今」は、受洗の前後を意味しているのです。

パウロにとって、洗礼とは、キリストと共に過去の自分に死ぬという[信仰]のありようと、将来(終末)の復活への[希望]です。そして、キリストにあっての大きな転換がなされた「今」は、[愛]の実践こそが大切なのです。冒頭でお伝えしましたように、コロサイ書は「真性書簡の時間軸を中心とした終末論に対する、空間軸を中心とした終末論」を述べているのですが、終末とは[希望]のことであり、コロサイ書が空間軸を中心とした、すなわち「今」の[希望]を述べているのは、「洗礼によって『今』すでに復活させられていることを強調しているからだ」と私は考えています。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:コロサイの信徒への手紙バプテスマ(洗礼)臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(25)「キリストに満たされる」―シンクレティズムとの戦い― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(24)「キリストに根を下ろす」―植物の成長を用いたもう一つの表現― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(23)「巧みな議論に惑わされないように」―偽巡回宣教者たちなのか― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(22)「結ばれて成熟した者に」―内住のキリストと― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(21)「以前と今や」―キリストにあっての転換― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.