クリスチャンが伝染力の強い喜びの「超新型ウイルス」となるために

2020年5月26日17時09分 執筆者 : 矢澤俊彦 印刷
+クリスチャンが伝染力の強い喜びの「超新型ウイルス」となるために
新型コロナウイルスの感染防止のため、マスクを付け、互いの距離を空けて座席に座る東京・山手線の乗客=5月2日(写真:yfinn)

クリスチャントゥデイは2002年の創立以来、多くの皆様に支えられ、5月20日で満18周年を迎えることができました。これまで長きにわたり、ご愛読・ご支援いただき、誠にありがとうございます。創立18周年を記念して、今年は新型コロナウイルスが世界を席巻している状況を踏まえ、「100年に1度のパンデミック、教会は何を問われているのか?」をテーマに企画を用意致しました。コロナサバイバー、牧師、神学校教師、大学教授、政治家、ホームレス支援者など、さまざまな立場の方から寄稿を頂きました。第7回は、日本基督教団荘内教会の矢澤俊彦牧師による寄稿をお届けします。

この度のグローバルな規模での新型コロナウイルスの襲来は、われらの主からの大いなる警告であることは間違いありません。緊急事態宣言も全国で解除となりましたが、状況が落ち着き始めると、犬たちが体を振るわせてかけられた水をふり落とし、まるで何事もなかったかのごとく走り出すようにならないために、主の声に耳傾けたく思います。

世界ではこのウイルスに約550万人が感染し、34万人以上が亡くなられたとされています(26日現在)。このように世界中の人々が大きな苦しみの中にあるのに、われわれキリスト教会が人々に向かって語り掛けるさほどの言葉を、深い慰めや励ましの言葉を持ち得ないでいることは残念です。大いなる懺悔(ざんげ)をしなくてはならない、教会の無力がそこにあります。

またこの事態は、バベルの塔の時代のように、世界の民がそのおごりと貪欲のために分断されている状況を露わにしました。今回の自然からの脅威は、人類がいかに相互依存的であるか、国家民族人種などすべてを超越してどんなに助け合わねばならないか、を示しています。

こうした中、以前読んだ英国の聖書学者J・B・フィリップスによる『あなたの神は小さ過ぎる』という本を思い出します。私たちを相手にしてくださる神は、これまでの教義や教派を超え、さらに宗教の壁、国家民族などの壁を超えた神であることを自覚しなければなりません。私たちはこれを機会に、「大いなる神」を小さくしてしまっていた私たちの信仰生活のあらゆる面を変えていかねばならないと思います。私個人はこの間、新たな気持ちで英語の勉強を始めました。皆さんも何か、「大いなる神」に信頼して、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

一方、緊急事態宣言が全国で解除されたものの、第2波、第3波への注意が叫ばれています。エジプトの宰相となったヨセフが、やがて来る大飢饉に備え、大豊作の期間に国中の穀物を蓄えさせたように、私たちも今、今後のためにしっかりと備えておくことが必要です。またこの時、巨人兵士ゴリアテに、わずかな石と投石器のみで立ち向かった少年ダビデのような強さと勇気を持ち、「新しいことばを語り、蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受け」(マルコ16:17~18)ない、たくましいクリスチャンに成長していきたく思います。

そして何よりも、われわれクリスチャンに求められているのは、ウイルスのみならず今後の将来に恐れと不安を抱く同胞たちに、すべての恐怖に打ち勝つ愛と力の神を伝えることです。そうでなくとも、周囲の国々を「仮想敵国」のように感じている人が多いこの国です。新たな民族主義、国家の安全を隠れみのとした独裁者の出現も警戒されます。この砂上の楼閣的国家を、キリストの愛を礎にした国家へと創り上げることが、今後1~2世紀の課題でありましょう。

そのために、一人一人のクリスチャンが、新型コロナウイルスをはるかに上回る力を持った超新型で伝染力の強い喜びのウイルスとなり、この世界を席巻する日の近からんことを願うばかりです。

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矢澤俊彦

矢澤俊彦(やざわ・としひこ)

長野市出身。20歳の時、信州人気質で努力家の父の急逝がショックで、神学校入学。その後、とりつかれた死神と50年死闘、近年やっとサタンを足下にし欣喜雀躍(きんきじゃくやく)。自分の偽善と観念的信仰でうずくまり、勝ちの歩みは、まさに「砂漠の彷徨(ほうこう)の40年」。さらにこの10年、眼の難病である「網膜色素変成症」の進行とともに、霊眼がさえてきた。1977年より、山形県鶴岡市の日本基督教団荘内教会牧師。礼拝は「解放奴隷のお祭広場」「お笑い劇場」にして、誰でも入れる「高級レストラン」を目指す。桜満開の鶴岡公園で「面白路傍伝道」を計画中。近著に『キリストによるマグマ爆発』がある。

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