なにゆえキリストの道なのか(205)聖書は人間が書いたのに、なぜ神の言葉だと言うのか? 正木弥

2019年7月27日20時55分 コラムニスト : 正木弥 印刷
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聖書は人間が書いたのに、なぜ神の言葉だと言うのか。

聖書を物理的に人間の言語で書いたのは人間です。しかし、その内容は神の考え・思想・知恵・教えであり、語り掛けであるということです。それを、神はある特定の人に霊感で示し、的確に書かせ、編集もするよう仕向けたということです。そういえる根拠は、

1. 聖書の内容が壮大で、奇しさに満ちています。それは人間が作り話で書こうとしても思いつく内容ではありません。

天地創造、アダムとエバの失敗(不従順)、大洪水とノアの箱舟による救済、バベルの塔と言葉の混乱、ソドムとゴモラ、アブラハムの後継ぎ、イサクの井戸掘り人生、ヤコブとエサウの確執、ヨセフの波乱の人生、ヤコブ一族のエジプト入り、モーセの出生・召命、出エジプトと紅海渡渉、シナイ山での律法の授与、荒野の40年の旅と多くの失敗・・・。

これらは「目が見たことのないもの,耳が聞いたことのないもの、そして心に思い浮んだことのないもの」であって、「御霊によって私たちに啓示された」のです。どうぞ、自分で読んでその奇しさを感じてみてください。圧倒されますから。

2. 聖書は神の言葉ですから、統一がとれており、一貫しております。

  1. 身分・職業・学識・立場などが異なる40数人の人々によって書かれましたが、内容は有機的一体性を保っています。
  2. 著者は前後およそ1500年も離れていますが、終始一貫しています。
  3. 書かれた場所もシナイの荒野からパレスティナ、小アジア、エジプト、メソポタミヤ、ペルシャ、ギリシャ、ローマなどと遠く離れていますが(電話も鉄道もない時代で相互に連絡がとれなかったにもかかわらず)見事に統一され、一貫しています。

これらは時空を超えた方(神)が関与しておられる故にできたのでしょう。つまり、神の書であることを示しています。

3. 聖書は神の書であるため、よく保存されています。

他のどんな有名な書も500年生き残るものはまれです。聖書は2千年以上も前の書ですが、よく保存され、引き継がれてきました。サマリヤ五書写本、死海写本、シナイ写本など、皮やパピルスの写本が多数発見され、今日も保存されていますが、このようなことは他の書物では例のないことです。神がご自分の変わらないお気持ち・考え・意図・教えを著した聖書を、いつの時代の人類にもきちんと知らせておきたいということの現れでしょう。

4. 聖書は多くの滅却から守られてきました。

往々にして時の権力者は、聖書に立って真理を主張する人々が不愉快になり、これを弾圧し、そのよって立つ聖書そのものを滅却しようとしたのでした。しかし、神の言葉ですから、神はそのような動きに介入し、聖書を守ってこられました。例えば、

  1. ユダ王国エホヤキム王はエレミヤによる預言の言葉を不愉快になり、それを書いた巻物を家来たちの見ている前で暖炉にくべて焼いてしまいました(エレミヤ36章)。しかし、神は、同じ内容のものを再度書かせました。
  2. ローマ帝国ディオクレティアヌス帝は、帝国の諸民を糾合するために、その邪魔になるキリスト教を殲滅しようとして聖書を供出させ、徹底して探し出し、各地で焼却処分にしました。それにより彼はキリスト教に勝利したと思いましたから、記念硬貨を発行し、それに「キリスト教は滅びた」と銘を打ち込みました(この硬貨は今も残っています)。ところが、彼が退位すると、聖書はどっと出てきました。守られていたのです。
  3. 中世ロ-マ・カトリック教会は、民衆が自由に聖書を読んだのでは自らが批判されて都合が悪いので、聖書は民衆が読めないラテン語のヴルガータ訳だけに限り、他の言語への翻訳を禁じました。それを犯した英国のティンダルを火刑にして殺しました。しかし、ウィクリフ、ヴァルドー、フスらによって聖書主義が広まり、とうとうルターの宗教改革で聖書主義が確立。各国語訳があふれ、民衆も自由に読むことができるようになりました。聖書は神の言葉ですから、隠されたままということはあり得なかったのです。

5. 神の言葉の最たるもの“預言”が成就(実現)しました。神の言葉でないとそうはいかなかったでしょう。

6. 聖書が全地球の各地に普及しています。

聖書は全人類に向けた神の語り掛けですから、それが届かない所がないように、至る所で現地語に翻訳され、印刷され、届けられています。どれだけの人が信仰に至るかは分かりませんが、とにかく普及しています。

現在、聖書の全部が翻訳され印刷されているものが242言語。新約聖書の全部が翻訳され印刷されているものが307言語。聖書のある1つの巻以上が翻訳され印刷されているものが約2千言語と統計されています。そして、毎年印刷される聖書の総冊数は2億5千万冊に上るそうです。つまり、世界中どこででも読みたい人はすぐ読めるようになっています。それは神の言葉だからです。

7. 聖書は神の言葉ですから読む者に大きな影響を与え、その人を変え、そのことを通して時代を変えてきました。政治、経済、社会、道徳、福祉、芸術などに良い影響を与えてきました。

例えば、代議制民主主義政治、男女の本質的平等、一夫一婦制、児童憲章、売春制の廃止、初等教育制度の普及、病院制度、看護婦制度、国際赤十字制度、難民保護制度、近代監獄制度、残虐な諸制度・風習の廃止・改善、奴隷制度の廃止、労働者保護法制の確立、日曜日の労働休日制度、孤児院制度、盲・聾者・精神障害者の保護・福祉、ホスピス制度の開始。これらは近代社会の基盤であり、大切な土台ですが、聖書によって、神を信じる人々が取り組んできました。聖書は神の言葉だから、人を変え、困難なことに取り組む力を与えたのです。

以上のことは、神の言葉である故に起こったことです。これらを全体的に考えるなら、聖書は神の言葉だというほかありません。

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正木弥

正木弥(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版
ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書
ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ
創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から
なにゆえキリストの道なのか

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ

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