華僑への伝道に携わって 荘明義・横浜華僑基督教会長老

2019年6月23日16時44分 執筆者 : 荘明義 印刷
関連タグ:荘明義中国

クリスチャントゥデイは2002年の創立以来、多くの皆様に支えられ、今年17周年を迎えることができました。これを記念し、この度「多様性を恵みとして捉える」を全体テーマにした企画を用意致しました。「女性」「高齢者」「青年」「在日外国人」「災害」のトピックスについて、各分野に関わりのある方々から頂いた寄稿を全5回にわたってお届けします。第4回は「在日外国人」について、横浜華僑基督教会長老の荘明義さんに執筆いただきました。

私は中国の貴州省で1944年に生まれ、4歳の時に両親と共に日本に来ました。母は、生まれて間もない末の弟を中国に置いてきたことを悔やむあまりノイローゼになってしまい、父はどうすることもできなくて、クリスチャンの友人に相談しました。教会の牧師が訪ねてきて、私の両親が負っている心の痛みと苦しみを察し、とても優しい口調で祈ってくれました。不思議なことに、それから母の心に平安が戻り、顔が明るくなったのです。両親は教会に通うようになり、1年後に洗礼を受けました。

父は中国で地位もあり、財産もあったので、日本に来てからもかなり裕福な生活をしていました。ところが、私がまだ幼い頃、父が連帯保証人となっていた友人の会社が倒産してしまい、友人の抱える借金をすべて父が背負うことになってしまったのです。両親が稼いだ日銭は、ほとんど借金の返済で消えてしまい、私たち家族は毎日の食事にも事欠くというありさまでした。

親の収入では家計が苦しく、私は中学校を中退し、父の借金返済の穴埋めと家計を助けるために、東京・田村町(現・港区西新橋)の四川飯店にコックの見習いとして行くことになったのです。そこには、日本に初めて「麻婆豆腐」を紹介したことで有名な陳建民先生がいらっしゃって、幸いにも先生の下で基礎から応用まで教わり、素晴らしい料理の技術を身に付けることができました。若干17歳で横浜の重慶飯店料理長となってからは、ビジネスの道がどんどん開かれ、お店を切り盛りする傍ら、テレビの料理番組に出演したり、大手食品会社との商品開発を行ったりしてきました。

私が仕える横浜華僑基督教会は、今年で創立63年を迎えますが、5年前に新しい牧師を米国から迎え、伝道が以前より活発になりました。信徒一人一人が神様の御言葉を日々口ずさみ、聖書を暗唱し、伝道に燃え、エネルギーを宣教に注ぐことを目指して信徒教育に励んでいます。5年前には180人ほどの信徒数でしたが、現在は約500人に増えて、千葉でも土曜日に教会をお借りして中国人を対象にした礼拝をささげています。

エデンの園の食卓

私がまだ見習いだった当時の厨房は、空気も悪く劣悪な環境で、私自身あらゆる病気を経験したことから、健康には人一倍気を付けるようになりました。最近取り組んでいるのは生野菜を中心とした食事療法で、私はこれを「エデンの園の食卓」と呼んでいます。今年に入って、薬の影響なのか全身にしっしんが出てしまい、薬をやめてこの食事療法を90日間試してみたところ、症状が治まったばかりか、前よりもっと元気になりました。

ポイントはすべてを生で頂くことです。もちろん調理には工夫が必要です。野菜も水もお米も、すべて火を通さずに生で食べます。生のものは体に残らず、今日食べたものは明日すべて排出されます。ところが、加熱したものや肉類は体に残ってしまい、残ったものが腐敗して毒素を出すので血液が汚れてしまうのです。いかに「食い」改めて腸内の環境をきれいにするかが勝負です。

実は、人間が一番疲れるのは、加熱食を食べて消化吸収にエネルギーを取られることです。粗食にすれば、結局体が疲れないので、疲れもたまりませんし、ますます元気になって頭もシャープになります。私の場合、最近では朝4時には起きて、時間にも余裕ができました。

私がどんどん元気になっていくので、料理教室などで関係のある方々も興味を持ってくださり、ちょうど地域の幾つかの教会でもこの食事療法を紹介し始めているところです。

あらゆる問題の解決に食は外せない

今、人を平気で殺したり、親が自分の子どもを虐待したりする事件が多発していますが、その根底にある問題として「食」は外せないと考えています。例えば、日本で扱われている食品添加物は千種類以上ありますが、米国で許可されている添加物は130種類ほどしかありません。

ポテトチップスに入っている添加物とカップラーメンに入っている添加物、それぞれの添加物を1日に摂取していい数値は公表されていますが、これらの添加物を合わせて摂取したときに、どれくらいの量で危険なのかという数値ははっきり分かりません。これはすごく恐ろしいことです。添加物は普通、体に蓄積されていきますから、ある研究では、添加物が蓄積されると脳に悪影響があり、痴ほうやアルツハイマー病の原因になっているとも指摘されています。

食を改めることによって排毒し、真の健康を持たなかったら、クリスチャンであっても例外ではありません。私たちの体は、神から預かった大切な宮なのです。その手入れの方法も分からずにただ健康を祈るだけでは、十分に神様に仕えることはできないでしょう。真の健康を保つために、食は外せません。必要があるところには、この食事療法を伝えていきたいと思っています。

華僑への伝道に携わって

私たちの教会はこれまで、日本に移り住んだ華僑の人々を伝道し、2代目、3代目が教会につながることを祈って教会を形成してきました。ところが最近では、日本に出稼ぎに来て中華街で働いている方々がとても多く信者として加わっています。

これまで中華街でお店のオーナーをしてきた古い華僑たちは、8~10時間が仕事の目安です。ところが、近年来た新華僑は皆ハングリーですから、その倍近く働いています。ですから牧師も考えて、お店を休憩時間に訪問して、そこで人を集めて伝道しています。

中国から日本に出稼ぎに来た華僑の方々は、仕事を一生懸命します。すると、何が起きてくるか。自分の子どもにお金は渡しますが、子どものために時間を取れなくて愛を渡すことがなかなかできません。家庭での教育を放任してしまい、子どもたちがあまりにも自由に育ち過ぎて頭を悩ますのです。

それでは、中国にいる実家に子どもを預ければいいのでしょうか。そうすると、もっと頭が痛いのです。祖父母が子どもを甘やかし過ぎてしまうので、たいていの場合、子どもはもっとわがままになって帰ってきます。多くの中国人が同じような悩みを抱えて教会に来ています。

日曜学校に来るお子さんの中には、親とのコミュニケーションに問題があり、まったく話を聞かない子もいます。私は教会で「悩み相談窓口」を担当していますので、そういった子どもたちのケアにも関わっています。

「悩み相談窓口」というと大変なように思われますが、少なくとも私にとってはそうではありません。50人ぐらいの方々と関わっていますが、神様が不思議にコントロールされて対応できています。人の愚痴を聞くこともまったく苦ではないので、これもたまものなのでしょう。悩みを抱えて教会に来ていますから、そういう人たちは逆に伝道しやすいのです。

課題や悩みも人それぞれです。唯一言えるのは、どんな問題も私たちの信仰の学びのためにあるんだと受け止めると、すべてが理解できるということです。いちいち不平不満を言うのではなくて、「ああ神様、今、私はこのことから何を学んだらいいでしょうか」という姿勢を持つことが大切です。そうすれば、必ず解決の道は見えてきます。

中国に生まれ、幼い時に日本に来て貧しさを経験しました。一流の料理の技術を与えられましたが、さまざまな病気も経験してきました。このすべての歩みが、75歳の今になって一つにつながっていることを実感しています。

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第5回【災害と聖書の神―貧しい人・被災者は幸いである】へ>>

荘明義

荘明義(そう・あきよし)

1944年中国・貴州省生まれ。4歳のときに来日、14歳で中華料理の世界に入り、四川料理の大家である故・陳建民氏に師事、その3番弟子。田村町四川飯店で修行、16歳で六本木四川飯店副料理長、17歳で横浜・重慶飯店の料理長となる。33歳で大龍門の総料理長となり、中華冷凍食品の開発に従事、35歳の時に(有)荘味道開発研究所設立、39歳で中華冷凍食品メーカー(株)大龍専務取締役、その後68歳で商品開発と味作りのコンサルタント、他に料理学校の講師、テレビや雑誌などのメディアに登場して中華料理の普及に努めてきた。神奈川・横浜華僑基督教会長老。著書に『わが人生と味の道』(イーグレープ)。

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