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コヘレト書を読む

コヘレト書を読む(8)「神様からのプレゼント」―食べることと飲むこと― 臼田宣弘

2018年9月20日11時03分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:臼田宣弘コヘレトの言葉(伝道者の書)ディートリッヒ・ボンヘッファー

24 人間にとって最も良いのは、飲み食いし、自分の労苦によって魂を満足させること。しかしそれも、わたしの見たところでは、神の手からいただくもの。25 自分で食べて、自分で味わえ。26 神は、善人と認めた人に知恵と知識と楽しみを与えられる。だが悪人には、ひたすら集め積むことを彼の務めとし、それを善人と認めた人に与えられる。これまた空しく、風を追うようなことだ。(2:24~26、新共同訳)

24 人にとっては、食べたり飲んだりして、自分の労苦によって得たものを楽しむほかに、何も良いことはない。わたしはこれもまた、神の手からのものだとわかった。25 神から出なければ、だれが食べ、だれが飲むことができようか。26 神は御心に適う人には知恵と知識と喜びとを与える。しかし、罪人には富を集めたり貯えたりする仕事を与える。これは神のみ心にかなう人に、それを残すためである。これもまた空しく、風を追うようなものである。(同、フランシスコ会訳分冊)

24 人には、食べたり飲んだりして、自分の労苦に満足を見出すことよりほかに、何も良いことがない。そのようにすることもまた、神の御手によることであると分かった。25 実に、神から離れて、だれが食べ、だれが楽しむことができるだろうか。26 なぜなら神は、ご自身が良しとする人には知恵と知識と喜びを与え、罪人には、神が良しとする人に渡すために、集めて蓄える仕事を与えられるからだ。これもまた空しく、風を追うようなものだ。(同、新改訳2017)

24 人が飲み食いし、その労苦で自分によきものを見させるのは、人の側の善ではない。それは神の手によること、そのことをこそわたしは見た。25 人が食べたり、楽しんだりするのは、たしかに自分を離れてはあり得ない。26 しかしみ前に良しとされる人に神は知恵と知識と楽しみとを与える。罪人には集めたり、貯えたりする業を与え、神のみ前に良しとされる人にこれをさらに与えることになる。これも空で風を追うことだ。(同、関根正雄訳)

24 人にとって食べることと飲むこと、彼の労苦で得た良いものを彼の魂に見させることより良いことはない。これもまた神の手によることを見た。25 私以外に、誰が食べ、誰が楽しむのか。26 彼は彼の前に良い者には知恵と知識と喜びを与え、間違うものには労苦を与え、集めて積ませ、神の前に良い者に与える。これもまた空であり、風を追うことだ。(同、西村俊昭訳)

今回は新共同訳以外に、個人的に好んでいる翻訳聖書(西村訳は注解書)を4点掲載させていただきました。まずは翻訳の比較ですが、24節の冒頭は、新共同訳と関根訳が「飲み食い」としていますが、その他は「食べたり飲んだり」となっています。ヘブライ語原典と照らし合わせるならば、後者の方が良いと思います。「飲み食い」では享楽的な印象を与えますが、原文のニュアンスにはそのようなものはなく、私たちのごくありふれた「日々の糧」のことを指しているからです。

25節は解釈が分かれます。節の最後にあるヘブライ語「ミンメニー / מִמֶּנִּי」は、通常は「私以外に」と翻訳されます。ですから通常通り翻訳するならば、「自分で食べて」(新共同訳)、「自分を離れては」(関根訳)、「私以外に」(西村訳)となるでしょう。しかし七十人訳聖書(紀元前1世紀までにギリシャ語に翻訳された旧約聖書)で、「彼を離れては(パレクス アウトゥー / πάρεξ αὐτοῦ)」と翻訳されているため、それを受けてさらに「彼=神」であると解釈して、フランシスコ会訳は「神から出なければ」、新改訳2017は「神から離れて」と翻訳しているものと思えます。私は、七十人訳を考慮して翻訳するよりも、ヘブライ語原典に忠実に、「私から離れて、誰が食べ、誰が楽しむか」というニュアンスの翻訳で良いと思います。

26節は西村訳が一番良いと思います。西村訳が「間違うものには」としているところを、他の翻訳は「罪人」と訳していますが、それではきつ過ぎると思います。コヘレトは探求において、「自分の欲望だけを満たすためにことを起こす」という間違いを犯しましたが、そのように間違う者には、富を集めて貯えさせるという意味です。しかし、「富を集めて貯える」というテーマは、5章9節から詳しく展開されますので、そこを取り上げる際に考えることとして、今回はこのテーマには立ち入りません。

さてこれまで、各回のコラムの末尾で以下のように述べてきました。

コヘレトは、彼が生きていた時代に、神様のなさってくださる御業を、どのように捉えていたのでしょうか。そして彼は、何を探求し、何を見いだして、何を大切にしていたのでしょうか。(第1回)

(コヘレトは)神様から与えられるプレゼントを、喜んで受け取ることのできる人生の素晴らしさを、知っていた人であったと考えています。(第2回)

しかしコヘレトは、空しさを追求しつつも、その空しさの外側をきちんと見ています。神との関わりにおいて得ることのできる「神様からのプレゼント」を見ているのです。ではそれは一体何なのでしょうか。(第3回)

しかしコヘレトは、神は「無限」の外側におられる方であることを知っていて、その神とつながっていること、あるいは「神様からのプレゼント」を受け取ることを大事にしていた人なのです。(第4回)

けれども「神の国と神の義」を求めたコヘレトは、「喜び」を得ることになる。私はそう考えています。(第7回)

今回、これらに対するコヘレトの答えが、いよいよ初めて導き出されます。それは「日々の労働によって食べて飲む。それを神様からのプレゼントとして受け取る」ということです。牛や羊をたくさん所有して食材としたり、酒で肉体を刺激したりするのは「空しい」のですが、ささやかであっても日々の糧を神の手から頂くこと、すなわち「神様からのプレゼント」として受け取ることは、「空しい(ヘベル / הֶבֶל)」ことではなく、「良い(トーブ / טוֹב)」ことなのです。

この「食べて飲むことを神様からのプレゼントとして受け取る」というテーマは、コヘレトが一番大切にしていることであり、コヘレト書の中で何度も繰り返し書かれることになります。コヘレトは、イエスの言われた「神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる」(マタイ6:33)という言葉を先取りする形で、神を畏れ敬い、与えられたものとしての日々の糧を食べ飲むということを大切にしていたと、私は考えています。

ところで、ディートリッヒ・ボンヘッファー(1906~1945)というドイツ人牧師の書いた「Von guten Mächten wunderbar geborgen(善き力にわれ囲まれ)」という詩に、ジークフリート・フィーツというドイツ人音楽家が曲を付けた賛美歌(『讃美歌21』の469番ではありません)が最近、ドイツや日本で大変人気を集め、愛唱されています。上記のリンクは作曲者フィーツ自身によるピアノ弾き語りですが、私が所属している「愛知牧師バンド」による練習中の演奏も公開していますので、よろしかったらご覧ください。しかしボンヘッファーは本来、ナチスに殺害された殉教者としての生き様と、多くの著作で知られている牧師です。

その著作集の中に『現代キリスト教倫理』という1冊があります。この本に、「究極のものと究極以前のもの」という大変すぐれた論文が収められていて、次のことが書かれています。「恵みによる罪人の義認」という「究極のもの」が最も大切である。しかし「究極以前のもの」も大切にしなければならない。そう言ってボンヘッファーは、「究極以前のもの」を列記します。その一つの項目が「身体的生活の権利」です(同書149~161ページ)。

そこでボンヘッファーは、コヘレト書で繰り返される前述のテーマを、コヘレト書の幾つかの聖句と共に、身体的生活の権利の根拠として取り上げています。「食べることと飲むことは、ただ肉体の健康を維持するという目的に役立つのみではなく、身体的生活における自然的喜びをつくり出すためにも役立つ」。聖句の引用の後、こう書き出したボンヘッファーは、「『身体的生活の意味は、決して何か他の目的に従属するものではなく、それに内在している喜びの要求が満たされたときに初めてその意味は十分に汲(く)み尽くされるのである』と結論しても良いだろう」と書いています。喜びが大切だというのです。

26節には「彼(神)は彼の前に良い者には知恵と知識と喜びを与え」(西村訳)とあります。コヘレトは、自分のための喜びを追求して「空しい」と言いましたが、神から与えられる喜びは「良い」としているのです。ボンヘッファーがここで「喜びの要求」と言っているのも、人間が本来神から与えられている「権利としての喜び」ということではないかと思います。

25節の「私以外に、誰が食べ、誰が楽しむのか」(西村訳)も、ボンヘッファーが書いていることを理解すると、分かりやすいと思います。ボンヘッファーは「身体的生活の権利」の中で次のようにも書いています。「身体は、それぞれの場合において常に、『私の身体』である。身体は、決して、たとい結婚の場合においても、それが私に属しているのと同じような意味で、他の人に属することはありえない。私の身体は、私を、空間的に他の人から分かち、私を、ほかの人間に対して、人間として対置させるものである」。ここでは、「私の身体は、神に造られたかけがえのない私である」と、ボンヘッファーは言っているように思えます。このことに照らして、25節の「私以外に、誰が食べ、誰が楽しむのか」を読むならば、「食べること、楽しむことは、神に造られた私という、かけがえのないものが行うことなのである」と、コヘレトは言っているように思えるのです。

食べることと飲むことを、神様からのプレゼントとして「私」が受け取るということ、それが、コヘレトが伝える第一の重要なメッセージです。それは「空しい(ヘベル / הֶבֶל)」ことではなく、「良い(トーブ / טוֹב)」ことなのです。コヘレト書はその後、第二のメッセージへと進んでいきますが、その前にコヘレトは、この第一のメッセージを「時」という観点で展開させます。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:臼田宣弘コヘレトの言葉(伝道者の書)ディートリッヒ・ボンヘッファー
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