Skip to main content
2025年8月27日20時22分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
聖書をメガネに

聖書をメガネに 聖書翻訳の課題―榊原康夫先生に学ぶ 宮村武夫

2017年10月7日05時32分 コラムニスト : 宮村武夫
  • ツイート
印刷
関連タグ:宮村武夫

聖書翻訳の課題に直面し、聖書翻訳に当たる方々の計り知れない労苦を理解する慎み。大きな労苦の結果として生み出された日本語翻訳聖書を、1人の読み手としていかに読み続けるかの課題、さらに地域教会の一員として聖書の下に立ちつつ、説教を語り続ける喜びと苦悩。

こうした聖書翻訳をめぐる、自分のような者にも与えられている責任の自覚とそれへの応答を考えるとき、1人の方の存在を私は忘れることができません。榊原康夫先生が召された今もなお、先生に学んでおります。

榊原先生のお名前を最初に知ったのは、今から60年近く前、日本クリスチャン・カレッジ1年生の夏でした。先輩に勧められ、全バックナンバーを揃えた「リフォームド」誌に連載されていた、サムエル・ボイル先生の詩編講解。その翻訳者として、若き日の榊原先生が紹介されていたのです。詩編の味わいの喜びと一体となってお名前を記憶。

それなりの年月の経過後、榊原先生は、愛読した著作の著者であるばかりでなく、私が一番若い非常勤講師として働いた神学校の先任講師として共に働くようになったのです。そうです。30代のことです。

さらに、榊原先生との決定的な出会いは、40代で私が沖縄へ移って後です。沖縄にあるただ1つの改革派教会を訪問される教師方を同教会の村山雄一牧師が首里福音教会へ案内してくださる。そして、沖縄に流れる時間の豊かさの中で、会議や集会中心の本土での交わりでは経験しにくい人間存在の深みに達する交わり、それは沖縄での経験の忘れがたい恵みの1つです。

50代の日々を重ねているある年、榊原先生が村山先生に案内され、首里福音教会を訪問くださったのです。ゆっくりした時の流れの中で、榊原先生が私のような者の歩みをどのように見てこられたか、また、これからの歩みにどのように期待しておられるかを明確に、また簡潔にお話しくださったのです。私から榊原先生へだけでなく、榊原先生から私へ、それまで想像していない方向での交わりであり、文字通りの出会いでした。

この時の経験が、榊原先生にとっても忘れがたいものであった事実を、70代になり、沖縄から25年ぶりに関東へ帰ったのち知りました。榊原先生が、ご召天の前、最後に下さったはがきに、あの時のことを不自由な筆先でお書きくださいました。その筆跡から、先生のお心を深く読み取りました。

なぜ、こんな個人的なことを書き続けるか。それは、このような長年の交わりの中で、榊原先生の聖書翻訳に関わる1つの行動が、私にとっては当座理解困難であったのに、今はその意味が私なりに理解できるようになった。この経験の背景を確認するためです。

新共同訳が発行されたときです。私はほとんど関心を払いませんでした。新改訳の使用に専念しており、新共同訳に配慮する必要も余裕もない状態でした。

そのような中で、上記のような長年にわたる交わり、特にいのちのことば社から出版された7巻ものの『聖書注解』刊行の経過の中で、身近な存在であった榊原先生が、新共同訳に深い関心を払い、実際の検討を続けておられた姿と自分の在り方の差が次第に明らかになりました。

『コリント人への第一の手紙講解』(聖文舎)の「はじめに」の中で紹介している、榊原先生が用いた翻訳聖書のリストです。日本語翻訳聖書と共に一般信徒に入手しやすい代表的な英語訳聖書も紹介されています。私にとっては、圧倒的な数といえるものです。

これは、私にとって1つの大切なヒントとなりました。1つの訳を絶対化して他の訳を軽視したり無視したりしない。互いに注意深く比較し、特徴と課題を日本語の表現をも十分考慮しながら見ていく地味な歩み、これこそ説教への準備として大切との平凡な指針とその実践です。その後の私なりの実践「聖書の切れ味」は、本紙のフェイスブックで以前紹介した通りです。

今、私は、3つの点に意を注いでいます。

  1. この訳語や訳文は、絶対に認めてはならないものがあるかどうか。あるとすれば何か。
  2. この訳語や訳文は、他のものに比較して絶対に優れており、ぜひ紹介し提示すべきものがあるかどうか。あるとすれば何か。
  3. 1はそれぞれ大変な労力を払って営われている聖書翻訳においてはごく限られていると推察されます。また、2も他の訳語や訳文を押しのけて絶対的に提示する必要があるというのも、案外限られているのではないかと予測されます。つまり、大部分の場合はあれでもよい、これでもよい。どちらがより良いか、絶対的ではなく相対的な課題である。

この3点を互いに了解できるならば、1つの委員会訳を求め決定する道は、自ら開かれるのではないか。

この道を榊原先生は自覚し、実践していたのではないかと、今、考えるのです。

<<前回へ     次回へ>>

◇

宮村武夫

宮村武夫

(みやむら・たけお)

1939年東京深川生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部(組織神学)修了。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。クリスチャントゥデイ編集長兼論説主幹。(2019年8月16日死去、プロフィールは執筆当時のものです。現在はクリスチャントゥデイ名誉編集長)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:宮村武夫
  • ツイート

関連記事

  • 聖書をメガネに 『平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学』に学ぶ基本メッセージ 宮村武夫

  • 聖書をメガネに 聖書翻訳の課題―委員会訳と個人訳― 宮村武夫

  • 聖書をメガネに 童話「星のかけら」の著者・和泉糸子さんの思い出 宮村武夫

  • 聖書をメガネに 二重、三重の恵み―ラッド先生の著作、さらにネメシェギ先生との出会の場合― 宮村武夫

  • 聖書をメガネに 『仰瞻・沖縄・無教会』への応答・その1 宮村武夫

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 主キリストの大きな力で癒やされよう 万代栄嗣

  • ワールドミッションレポート(8月27日):リビア 砂浜に響く殉教者たちの祈り(2)

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • ワールドミッションレポート(8月22日):コンゴのレンドゥ族のために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(8月26日):リビア 砂浜に響く殉教者たちの祈り(1)

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(241)聖書と考える「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(229)コロナ禍による信仰生活への影響 広田信也

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 主キリストの大きな力で癒やされよう 万代栄嗣

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(241)聖書と考える「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

編集部のおすすめ

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.