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教会は現代性とどう向き合うべきか 仮想通貨「ビットコイン」を事例として 青木保憲

2017年4月10日16時08分 コラムニスト : 青木保憲
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関連タグ:青木保憲
教会は現代性とどう向き合うべきか 仮想通貨「ビットコイン」を事例として 青木保憲
(写真:John Voo)

4月6日付の朝日新聞によると、仮想通貨「ビットコイン」が東京都内にあるビックカメラ一部店舗で利用可能になるという。私はこの分野に関しては全くの素人であるため、詳しい内容は各新聞記事に譲るが、要はこういうことだろう。国家間でレートを統一した仮想通貨なるものを支持者たちで設定し、そのやりとりと実際の各国通貨との差額をもうけとしようという新手の商法である(という認識を筆者は持っている)。

記事にもあるが、価格乱高下のリスクがあるため、株投資的なリスクがそこに伴うようである。今回の措置は、外国客(特に中国)がこのコインを支払いで利用しやすくし、利便性を高めようというものらしい。

さてここで問題。このようなコインの売買をして、実際に自国通貨での利益が捻出される場合、教会はこのシステムを導入していいと思われますか?

このような「問い」は、時代や年代によって装いを変えながら常に問われてきた。社会が教会と共に動き、教会が社会をけん引していた時代(中世)であれば問題はなかっただろう。しかし宗教改革以降、社会はキリスト教界とは異なる速さで進むようになり、やがて教会の歩みは遅れを取るようになっていく。

すると教会には、その遅れを取り戻そうとする流れが生まれる。しかしその一方で、従来の歩みを「伝統」という名の下に神格化し、これを変えることはまかりならん、という流れもまた生まれることになる。キリスト教界は、この相対立する力学がその一点において拮抗(きっこう)する場として歴史を紡ぎ出してきたと言っていい。

時代は目まぐるしく動いている。どこにでも世の中の論理や効率性を求める考え方が入り込んでくる。教会も世の中に存在するということは、例外ではない。しかし、「世と調子を合わせてはいけません」という聖書の言葉を受け止めている諸教会は、やはり自分たちの領域を世の中とは別の「霊的な世界」と信じたいものだ。

かつて、キリスト教会は聖俗の区別に「聖域(サンクチュアリ)」を用いた。つまり、教会の礼拝堂は「神の国」であって、そこだけは特別区にするということである。具体的には、そこに神を求めて逃げ込む者は、どんな罪人であろうと保護され、そして神の恩寵(おんちょう)を得ることができるということになる。ディズニー映画の「ノートルダムの鐘」では、このあたりが見事に描かれている。

しかし宗教改革以降、このような在り方から離れ、教会も世の中に存在し、地名番地を持つものだという考え方が主流になってくる。さらに米国においては、フロンティアの発生以来、西へ向かうその開拓地に移動式に簡易教会が造られ、開拓者たちの精神的支柱となる在り方が広がった。

時には一般信徒が牧師の資格もないまま、開拓地で説教することもしばしばあった。また楽器に関しても、今では考えられないことかもしれないが、ギター禁止、オルガン禁止の時代が存在した。オルガンが認められていた時代、ギターで初めて演奏されたのが「きよしこの夜」であることは、かなり有名なエピソードだろう。

さて、ここで求められるのは、そういった先進性と後進性の間で、どう教会は進むべきかということである。

先ほどの「ビットコイン」を例にとろう。私は、これはこれで面白い概念だなと思う。皆さんも海外でクレジットカードを利用したとき、特に高価な買い物をしたときに、外貨値段を日本円に換算して、どの程度の買い物をしたかを実感したことはないだろうか? この手間が省けるならそれはいい。

しかし、新しいシステムだからといって全てを迎合し、この差額を利潤として受け取ることを目的として、教会や牧師が主導して斡旋(あっせん)提供し始めたらどうだろう? これでもうけたお金で会堂を建てましょう、というキャンペーンまで行うとしたら? もちろん仮定の話ですよ(笑)。

これは宗教家のすべきことではない。またそう思われる可能性があるなら、現時点で「ビットコイン」という分野に関わるべきではないと考える。私は決してキリスト教界代表ではないが、小さな地方教会の牧師として、断固反対するであろう。

理由は、先ほどから挙げられている「先進性」と「後進性」をどう捉えるかである。先進的だから、社会がそう進んでいるからといって、それを無批判に教会が取り入れてしまうなら、それはキリスト教の歴史に関してあまりに無知だと言わなければならない。

例えば、宗教改革の時代、グーテンベルクの印刷技術は当時の最先端だった。これを用いて、1500年以上(当時)前に書かれた「聖書」が印刷されたのである。また、米国で1980年代に福音派が政治的に台頭した時期がある。その時、彼らは拡大しつつあったコンピューター技術を先駆け的に利用し、ダイレクトメール作戦でメッセージを各家庭の郵便受けに届けた。

これは当時「先進性」の極みだった。注目すべきは、キリスト教会で用いられる「先進性」は、後進的である「伝統的なメッセージ」を伝えてこそ、その価値が広く人々に共有されるということである。平たく言えば、最先端技術を駆使しながらも、それを支えている人々にとっては「変わりなき真理が拡大している」と思わせることのできる先進性だったということである。この原則は、今後の新システム全てに適用されるべきものであろう。

一方、時代や場所を全く顧みない「後進性」は、一見「伝統・教理・真理」という名の美しい形態をとっているものの、実は教会内に悪しき澱(よど)みを生み出し、時代のただ中にあるキリスト教会をガラパゴス化させてしまう。そして面白いことに、教会が後進的になればなるほど、実は世の中に対する教会からの禁止事項が増えていくという妙な現象をも生み出してしまう。

私が大学生の頃、「カラオケ店」なるものが世にはやり出した。もちろん、それまでも「カラオケ喫茶」やクラブ、スナックなどでカラオケは歌われていた。しかし、「カラオケ店」はまさに歌うために行くところという意味で新しかった。

やがて、教会の説教で「カラオケ店に通うのはいけないことだ」と語られるようになった。カラオケが「罪リスト」に新たに挿入されたのである。讃美歌や聖歌以外を歌うことが憚(はばか)られていた時代であったため、個室で世俗の歌を熱唱することに抵抗感があったのだろう。

私が面白いなと感じたのは、「これはしてはならない」という負の部分に関しては、教会は時代性をしっかりと追うのに、「これは素晴らしい」という正の部分は相変わらず「御霊の実」の9つを抽象的に語るのみになっている現実である。やはり、いつまでも「伝統」「従来のやり方」に安寧を求めていては、増えるのは罪や禁止事項ばかりとなってしまうし、若い新しい方が教会に魅力を感じてやって来る、という世界が遠のいてしまう。

大切なのは、新しいことを教会に取り入れるときに、集っている教会員がどう受け取るかを慎重に考えることである。「李下(りか)に冠を正さず」と言うが、本人が決してそんな気はなくても、桃の木の下で頭にある冠を触る行為は、周りの人々に大きな誤解を与えてしまう(誤解であってほしいが、実際に桃を取ってしまうことも最近は起こり得るので、なおのこと注意を要する)。

ビットコインであれ、カラオケであれ、おのおのの時代の最先端であることは間違いない。しかし、これが多くの人々に浸透するには時間がかかるということだ。これを性急にやり過ぎると妙な噂(うわさ)を生み出してしまう。これは得策ではない。

この場合、「噂は単なるうわさ」に留まらない。日本にあるプロテスタント教会であれば、そこに集う人々は皆、自主的に毎週礼拝に集っていることになる。原則、そこには何の拘束も義務もない。自発性に基づいた宗教活動ということになる。だからこそ、そこに集まる者たちにあらぬ誤解や噂を生み出すようなことはやめるべきである。

しかし、だからといって教会が世の中に存在し、いわゆる「俗世」との競合によって成り立っているということも忘れてはならない。世の中を生き抜くためには、自主的に教会に人々に集ってもらう必要がある。そのためには、やはり「先進性」を求める姿勢を忘れてはならない。

「教会に行くと、この世では手に入らない魅力あるものに触れることができる」と人々から感じてもらうことは、牧師や信徒リーダーたちが日々追求していかなければならないテーマであろう。その時、この「先進性」と「後進性」の間に常に立つ「キリスト教会」の在り方が問われていることを意識しなければならないのだ。

言い換えるなら、これを意識してうまく「先進性」と「後進性」を用いるなら、きっと教会は社会の中で最も躍動感に満ちた集団として社会を生き抜くことができるようになるだろう。そんな教会を目指したい。

とはいえ、時代の進歩を肌で感じ、これをきちんと考察する習慣も、牧師として身に着けていきたいものだ。ビットコインの記事を見て、そんなことを思う今日この頃である。

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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