ワールド・ビジョン職員のハマス資金提供「証拠なし」 濠政府が調査報告

2017年3月28日21時37分 翻訳者 : 山本正浩 印刷
+ガザ
ガザ市街の様子=2007年(写真:OneArmedMan)

イスラム原理主義組織「ハマス」に資金を横流ししていたとして、キリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン」の男性職員が逮捕されたことを受け、調査を行っていたオーストラリア政府は21日、容疑を裏付ける証拠はないとする報告書を発表した。

イスラエルの治安当局は昨年6月、ワールド・ビジョンのガザ支部に務めていたモハマド・エル・ハラビ氏が、パレスチナ自治区ガザ地区を実行支配するハマスに対し、数年間にわたり数千万ドル(数十億円)に相当する支援物資を提供していたとして逮捕し、同8月に起訴していた。オーストラリア外務貿易省はこれを受け、8月から調査を行っていた。

しかし、オーストラリアの公共放送ABC(英語)によると、オーストラリア政府は21日、イスラエル政府による申し立てを支持する証拠は見つからなかったと発表した。数回にわたる聞き取りが行われたが、イスラエルの検察官らもワールド・ビジョンの資金が転用された証拠を提出できなかったという。

ABCによると、オーストラリア政府は過去3年間で、ワールド・ビジョンのガザ支部が行っているプロジェクトに300万ドル(約3億3千万円)余りを拠出している。しかし、ハラビ氏の逮捕を受け、資金拠出を停止していた。

ハラビ氏の裁判はイスラエルで現在も行われているが、ハラビ氏は全ての罪状に対し無罪を主張し、イスラエル政府からの司法取引を拒否している。またハラビ氏は、勾留中に拷問を受けたとしてイスラエル政府を非難。イスラエル政府は、ハラビ氏に対し「秘密の裁判」を行っているとして非難を受けている。

国際人権団体のアムネスティー・インターナショナルは、ハラビ氏が当初、弁護士との接触を拒否されていたとしている。アムネスティーによると、ハラビ氏は、法的代理人との面会が許可された際、「勾留中に深刻な虐待を受けた」と述べていたという。

「イスラエル当局が事件に関して報告することを厳しく制限しているため、弁護士はハラビ氏による申し立ての詳細や事件に関する内容の多くを明らかにすることを妨げられている」と、アムネスティーは伝えている。

ワールド・ビジョンはこれまで、ハラビ氏を信頼できる職員だとし、擁護してきた。

「これまでのところ、現行の法廷監査でいかなる金銭上の不正も明らかにされておらず、外務貿易省による調査でも明らかにされていないと、一貫して聞いています。これはまたとない朗報です」と、ハラビ氏の主任弁護士であるティム・コステロ氏はABCに語った。「私たちが見たいのは証拠です」と、コステロ氏は付け加えた。

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

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