Skip to main content
2025年9月4日23時03分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム

死を待つ人の家 穂森幸一(58)

2016年10月21日10時53分 コラムニスト : 穂森幸一
  • ツイート
印刷
関連タグ:穂森幸一

インドのコルカタ(カルカッタ)で貧しい人々に仕えた聖女マザー・テレサは、道端で行き倒れになり、まさに死を迎えようとする人々を施設に連れて行き、一生懸命にお世話しながら、看取ってあげたといわれます。路上生活者として最も貧しい生き方をしていた人々がせめて亡くなる瞬間だけでも人間らしい扱いを受けられるようにという願いから、このような働きが始まったといわれます。

ドキュメント映画でこのシーンを見たとき、ほとんどの人がシスターたちに感謝し、「祝福がありますように」と祈りながら息を引き取っていくのが印象に残りました。

使われなくなっていたヒンズー教の寺院の跡を整備し、「死を待つ人の家」をつくり、宗派を超えて受け入れたといわれます。亡くなるときには、イスラム教徒にはコーランを読んであげて、ヒンズー教徒にはヒンズー教のお祈りを唱えたといわれます。

遠い国で自分たちには関係のない出来事が起こっていたように感じていますが、実は同じようなことが、この日本の国でも発生するかもしれないといわれます。それは「2025年問題」です。東京オリンピックから5年たったら、団塊世代が全て75歳以上になり、医療・介護の提供体制が追い付かなくなるというのです。

どこの病院に行っても看取りを求める高齢者が列をつくり、いくら容体が急変しても受け入れるベッドはないのです。また、自宅で家族が看取りたくても「在宅医」に連絡しても抱えている患者が多すぎて訪問診療できない状態が発生するかもしれないのです。

実は、2016年の今でも亡くなった人の半数近くが直葬だともいわれます。葬儀というセレモニーを行わずに直接、火葬場に搬送してもらい、火葬してもらうのです。格安だからという理由で直葬を選択する人もいるようです。しかし、火葬場が混んでいたら、待機しなければなりません。大都市では1週間の待機も珍しくないのです。どこで待機するかといいますと「死者のホテル」と呼ばれる施設が必要になりますが、この費用も決して安くないといわれます。

また、ゼロ葬という言葉も最近はあるそうです。火葬のスイッチが入ったら、遺族全員そのまま帰ってしまい、誰1人遺骨を拾わないというのです。納骨堂がないとか、誰も管理したがらないというケースだそうです。遺骨は残灰として処理され、最終的には行政が処理することになると思います。このような事態に陥らないように、最後まで寄り添い、協力するNPOの働きが必要になってくると思います。

かかりつけの医者がいない状態で自分の家で亡くなると、不審死として扱われますので、今の法体制の下では安易に自宅を最期の場に選ぶのは難しいのではないかと思います。

病院にも行けないし、自宅でも亡くなるのが難しいとなると、道端で行き倒れになるしかないという人も出てくるかもしれません。自分たちとは関係がないと思っていた事態が、日本の国でも起こり得る可能性はあります。

私は使われなくなった宗教施設を活用して「死を待つ人の家」をつくり、看取ってあげることを計画しなければならない時が来ていると思います。賛美歌を歌って牧師が祈るセレモニーであれば、私は協力できますが、仏教式を希望されたときは「どうしたらいいでしょうか」と和尚さんに相談したら、「ボランティアで駆けつけます」ということでした。

また、マザー・テレサがコーランを読み、ヒンズー教のお祈りを唱えたということを和尚さんに話しましたら、「お経のテープでもいいですよ」という答えがきました。

「何よりもまず、互いに熱心に愛し合いなさい。愛は多くの罪をおおうからです。つぶやかないで、互いに親切にもてなし合いなさい。それぞれが賜物を受けているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を用いて、互いに仕え合いなさい」(Ⅰペテロ4:8~10)

「2025年問題」を乗り切るためには、医療界、宗教界、それに行政が互いに協力したほうがいいと思います。また、キリスト教、仏教、神道、諸教が互いの垣根を越えて連携することも大切だと思います。

神様から委ねられた賜物を互いに生かし、地域社会に奉仕するときに、この国に生まれ、また召されていくことができてうれしいと喜んでいただけるのではないかと思います。

<<前回へ     次回へ>>

◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:穂森幸一
  • ツイート

関連記事

  • この希望は失望に終わることはありません 穂森幸一(57)

  • 神は人をちりに帰らせます 穂森幸一(56)

  • 時が良くても悪くても宣教しなさい 穂森幸一(55)

  • 人の心から忘れ去られる苦痛 穂森幸一(54)

  • 心地よいもてなし 穂森幸一(53)

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 花嫁(32)愛というレンズで 星野ひかり

  • キリストの道 穂森幸一

  • 「信仰の実践としてのスピリチュアルケア」 オリブ山病院で第3回臨床牧会教育

  • 私の名を使って(その3) マルコ福音書9章38~41節

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(2)心が人生を決める 加治太郎

  • アフガニスタン東部地震、死者1400人超 ワールド・ビジョンが緊急支援募金開始

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(242)聖書と考える「DOCTOR PRICE」

  • チャイルド・ファンド、アフガニスタン東部地震の緊急支援実施へ 寄付の受け付け開始

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(27)希望のかけらも残らずに

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • ウクライナ、米大衆伝道者フランクリン・グラハム氏に勲章授与 人道支援を評価

  • アフガニスタン東部地震、死者1400人超 ワールド・ビジョンが緊急支援募金開始

  • DVを受けた人のための礼拝「やすらぎ」 第1回、東京・吉祥寺で9月28日

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • ウクライナ、米大衆伝道者フランクリン・グラハム氏に勲章授与 人道支援を評価

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • アフガニスタン東部地震、死者1400人超 ワールド・ビジョンが緊急支援募金開始

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • DVを受けた人のための礼拝「やすらぎ」 第1回、東京・吉祥寺で9月28日

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.