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神は人をちりに帰らせます 穂森幸一(56)

2016年10月7日09時07分 コラムニスト : 穂森幸一
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人の生死を支配しておられるのは、天地万物を創造された主なる神です。人は寿命が尽きると、肉体は地のちりに帰り、魂は天に帰っていきます。死は終わりではありません。命が地から天に移されるときです。誰にでも死は訪れますが、安らかな状態であまり周りに迷惑をかけずに逝けたらいいと望んでいます。

ところが、今の日本では安らかに逝けない状況になっていると思います。これは鹿児島のある離島の例です。この島には診療所はありますが、医者は常駐していません。高齢者の方々は病気になると船に乗り、はるばる鹿児島市内の病院に入院しなければならないのです。身内の付き添いが必要となりますので、家族の1人が仕事を休んで付き添います。

そして、病院で最期を迎えます。この間の入院費、交通費、生活費、家族の払う犠牲はとても大きなものになります。この島に住む人にとっては避けることのできない負担ですが、恒例の出来事になっていました。

しかし、この島に事件が起きます。93歳の女性が、住み慣れた島を離れたくないし、入院して家族に負担もかけたくないと言っておられました。在宅医療を選択し、時々巡回してくる医師に診てもらい、島に常駐しておられる看護師さんに助けてもらっていました。高齢であったため、間もなく病死されます。日本の法律では看護師は死亡の判断ができないことになっています。適切な処置はしましたが、巡回してくる医者を数日待たなければなりませんでした。

死亡したときに近くに医師がいて、死亡診断書を書いてくれなければ事故死扱いになるそうです。家族は何時間も尋問されるし、「なぜ入院させなかったか」と責められます。入院させなかったことで「虐待」を疑われたと、家族の1人は苦しい胸の内を地元の新聞に明かしています。このことは地元の新聞でも報道されました。

この事件を契機として、離島などの無医村地区の場合は、看護師が電話で医者の指示を受けながら、死亡判断ができるように法律が改正される方向になっているそうです。

離島でなくて市内の場合でも、自宅で逝くというのは、安易なことではなさそうです。ある方は家族が在宅での最期を望み、受け入れましたが、かかりつけのホームドクターを決めていなかったために、死亡診断書を書いてくれる医者を見つけるために走り回らなければなりませんでした。

また、病院で意識不明の状態に陥り、医者もあと数日の寿命だと宣言します。家族に関係者への連絡などの指示があります。ところが、家族のほうで少しでも長生きできるようにしてくださいと医師に依頼し、胃瘻(いろう)などによる栄養分の投入が始まります。それから意識不明のまま、自分の意思を全く伝えられない状態が5年以上続いたケースに2回遭遇し、葬儀のお手伝いをしたことがあります。

現在、投入されている栄養分は性能がよくて、寝たきりなのに肌がつやつやですし、白髪が黒くなる場合もあるようです。ある方は医者が「気持ちの用意をしてください」と最後の通告をしてから、7年もったケースもあるようです。この間の家族のケアも大変ですし、大変な費用もかかります。何よりも天国の入り口で足踏みしていることが、本人にとって幸せなことなのかどうか考えてみてもいいかもしれません。しかし、家族の感情としては、どんな形であれ、生きていてほしいと願っていますので、難しい選択です。

北欧では寝たきりになっている高齢者はほとんどいないといわれます。自分の口で食べられなくなったら、寿命が尽きたときという解釈があるそうです。意識がないのに胃瘻などの治療で寿命を延ばすのは虐待といわれるそうです。

「あなたは人をちりに帰らせて言われます。『人の子らよ、帰れ。』まことに、あなたの目には、千年も、きのうように過ぎ去り、夜回りのひとときのようです。あなたが人を押し流すと、彼らは、眠りにおちます。朝、彼らは移ろう草のようです。朝は、花を咲かせているが、また移ろい、夕べには、しおれて枯れます」(詩編90:3~6)

書店に行くと、多種多様のエンディングノートが山積みされています。自分の財産目録や相続のことなど、問題が起こらないためにはどうすればいいのか示されていて参考になるようです。また、自分の葬儀はどうしたらいいのか、誰に連絡するのか、呼んだらいけないのは誰かまで記入するようになっています。

終活セミナーも盛んで、どのセミナー会場も満席だといわれます。人生の終末期に真剣に向かおうとしている人が多いのですが、実際の終末期ケアの現場にいくと、介護する方々は心身に負担を感じている人が少なくないといわれます。

人生の最期を迎える方も介護する方々も、死の先にあるものが分かっているかどうか問われていると思います。今こそ、福音宣教の必要な時です。

「確かにこの幕屋の中にいる間は、私たちは重荷を負って、うめいています。それは、この幕屋を脱ぎたいと思うからでなく、かえって天からの住まいを着たいからです。そのことによって、死ぬべきものがいのちにのまれてしまうためにです」(Ⅱコリント5:4)

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◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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