ベルギーの教会、爆弾テロを受けて声明発表 相次ぐ祈りの呼び掛けや非難・連帯の声

2016年3月23日15時58分 記者 : 行本尚史 印刷
+ベルギーの教会、爆弾テロを受けて声明発表 相次ぐ祈りの呼び掛けや非難・連帯の声
ポーランドの首都ワルシャワにあるベルギー大使館にささげられた花=22日(写真:Mateusz Opasiński)

22日にベルギーの首都ブリュッセルの空港や地下鉄の駅で死者を出したテロ攻撃を受けて、同国で多数派のカトリック教会では、司教団が非難声明を発表し、祈りを通じた被害者との連帯と国民の団結を呼び掛けた。バチカン放送局が同日報じた。

「ベルギーの司教団はザベンテム空港(ブリュッセル国際空港)に対する、そしてブリュッセルの中心地での襲撃を知り、ぞっとしている」と同放送局が英訳したこの声明には記されている。「彼らは何千人もの旅行者とその家族、航空の職業人、そしてあらためて奉仕へと招かれて最初に対応している人たちと苦悶(くもん)を共有している」

「彼らはこの新しく劇的な状況の中で、犠牲者たちを全ての人々の祈りに託している。空港のチャプレンは日々全ての人々に奉仕しており、必要な霊的支援を行っている」と同声明は述べ、「全国が市民としての大きな責任感をもってこの日々を生きることができるように」との祈りで結んでいる。

ベルギーのカトリック司教協議会はフランス語の公式サイトでこの声明とともに「Pray for Belgium(ベルギーのために祈ってください)」と英語で記された同国の国旗を映した画像を掲載。そして、「34人が死亡したブリュッセルの爆弾による襲撃について過激派組織『イスラム国』(IS)が犯行声明を出した。国民が3日間喪に服すことが宣言された」などと述べるとともに、同国のシャルル・ミシェル首相のコメントを伝えている。

教皇フランシスコは、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿を通し、メッヘレン=ブリュッセル大司教区のジョセフ・ド・ケセル大司教に宛てた電報で、犠牲者らを神の憐れみに託すとともに、遺族の悲しみに心を合わせ、その冥福を祈った。また、負傷者と家族たち、さらに現場で救助に当たる人々に深い連帯を表明し、神の慰めを願っている。

教皇は、多くの苦しみを生む理性を欠いた暴力をあらためて非難し、神に平和の恵みを求めた。

ヨーロッパ司教協議会会議をはじめ、欧州各国の司教団は、非人間的な暴力を非難し、欧州、中東はもとより、全世界の平和を願うメッセージを出した。

一方、ベルギー合同プロテスタント教会も22日、ブリュッセルでの襲撃事件に対する議長声明を発表した。

「今日のブリュッセルでの爆発に対し、私はまず、こんなにも深刻な被害を受けたご遺族に哀悼と支援のメッセージを送ります」と同教会のフランソワ・クラバロリ議長はこの声明で述べた。「これらのテロ攻撃という暴力と死傷した方々を前にして、ヨーロッパの共同体全体があらためて憂慮しています。フランス・プロテスタント連盟はベルギーの国民と現場にいるその協力団体に対する力強い支援を表明しています」

「人類の兄弟愛が、悪によって導かれる正当化できない行為によって、なおも試練を受けています。この大きな出来事の中で団結して立ち上がることが必要です」と、クラバロリ議長はこの声明に記した。

同議長によると、フランス・プロテスタント連盟は、正義と平和そして秩序のために働く全ての人々と連帯して、証しという自らの使命と動じることのない希望を追求するとともに、あらゆる形の狂信を拒否する決意を表明しているという。

「この復活祭の季節にあって、とりわけ27日に祝われる礼拝の文脈において、私は、この試練に向き合うために祈りのうちに一致団結し、イエス・キリストにおける命の勝利を知らせるよう、フランス・プロテスタント連盟の全加盟教会・団体に呼び掛け、賛同したい全ての方々をお招きします」と、同議長は結んでいる。

また、バチカン放送局が22日に報じたところによると、ベルギー正教会のアテナゴラス府主教(全地総主教)が、テロに対して声と力を合わせるよう、ベルギーの全ての宗教指導者たちに呼び掛けた。

ベルギー正教会主教会議の議長、アテナゴラス府主教は、クリスチャンであるなしに関わらず、平和の使者となるとともにテロに対する盾となるよう、全世界の善意ある一人一人に訴えた。

「テロリストたちが今日襲ったのはブリュッセルではありません。テロリストたちが今日襲ったのはヨーロッパ全体です。テロリストたちは今日あらためて全世界を襲ったのです」と、同府主教は自らのコメントの中で強調した。

「私たちは、クリスチャンであるなしに関わらず、テロに対する盾となるよう、全世界に呼び掛けます。この地球を圧倒している深い悲しみの嵐に対して一つの体となるように。ヨーロッパのテロリズムによって宣戦布告されたこの戦いにおいて、私たちは平和の使者となるのです」と同府主教は述べた。

「主教そして牧者として、ベルギー正教会主教会議の議長として、私はベルギーの宗教指導者たちに対し、この邪悪と暴力に対して私たちの声と私たちの力を合わせるよう呼び掛けます。私はベルギーの宗教指導者たちに対し、いかなる類いのテロリズムをも非難するとともに、被害を受けた私たちの兄弟姉妹たちへの慰めと同情からなる私たち自身の証しをするよう呼び掛けます」と、アテナゴラス府主教は語った。

WCCはブリュッセルのテロ襲撃を強く非難

一方、ベルギー合同プロテスタント教会が加盟している世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事は、ブリュッセルで行われた一連の致命的なテロ襲撃を「邪悪で無差別」として強く非難するとともに、被害を受けた人たちのための祈りを呼び掛けている。WCCが22日に公式サイトで伝えた。

「私は普通の人間に対するこのような邪悪で無差別な襲撃が、ヨーロッパの中心を意図的に標的としたことを示唆するような形で、ブリュッセルで起きたことを深く悲しみます」とトヴェイト総幹事は述べた。

「この暴力行為が直接引き起こした喪失と苦しみを別にしたとしても、それは、中東の幾つもの地域で起きている現在進行中の苦悩を逃れようとしている人たちを支えるべく、ヨーロッパとヨーロッパ人が建設的な役割を演じる必要があるのに、そうすることをより難しくする、より幅広い緊張をもたらすものです」と、同総幹事は説明した。

WCCは犠牲者と彼らの近くにいる人たちのために、またその人たちと連帯する祈りを促した。

また、欧州福音同盟(EEA)のトマス・ブッヒュナー総主事は22日、EEAの公式サイトで今回の事件に触れ、「ブリュッセルから今日こんな悲しいニュースに直面したとき、人は何を言うでしょうか? たくさんの言葉を並べるべきでしょうか? それらは、これらの爆弾襲撃事件によって引き起こされた苦しみや痛み、嘆き、心配、恐れ、そして不安の大きさを測るものではありません」と述べた。

「EEAはヨーロッパ全体そして世界中の福音派に対し、これらの事件によって直接被害を受けたブリュッセルの人々のために祈るよう呼び掛けます。助け、守るよう求められている当局のためにもぜひ祈ってください。恐怖心の種が再び植えられてしまった、さまざまな民族的背景を持つ集団のために祈ってください。分裂する勢力の間に平和があるよう祈ってください」と、同総主事は記した。

「平和の君であり復活の主であるイエスが、ご自身の民の間において、またご自身の民を通じて、ご自身の働きをなすことができるよう祈ってください。この大陸全体のキリスト教徒たちが、この試練の日々の中で恵みとなりますように。信じがたい現実のただ中で彼らが自らの貢献をしている中で、彼らが復活祭が持つ復活の力のうちから何かを示すことができますように」と、同総主事は結んだ。

そしてペンテコステ派ヨーロッパ親交会(PEF)のペレ・ホルンマルク会長とダニエル・コスタンザ常任理事は23日、PEFを代表して、連名でベルギーにいるペンテコステ派の指導者たちや教会に宛てた手紙文をフェイスブックに掲載した。

「ベルギーにおける今日の悲劇的な出来事についての悲しいニュースを聞いて、私たちは罪のない人たちの命が失われたことや荒れ狂う時代を経験しつつある国全体の痛みを嘆き、私たちの心はあなた方やあなた方の家族、そして教会を思っています」と同会長と常任理事はその手紙文に記し、こう結んだ。

「この危機の時にあって、将来において主権者である私たちの神があなた方を支え強めてくださり、あなた方の国において慰めと希望の声となるようにご自身の教会を用いてくださることを信じつつ、兄弟としての私たちの連帯と祈りの支援をどうか確信してください」

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