あの日、津波の荒れ狂う水の中で守られた命 三浦シュクンさんの救いの証し

2016年3月11日22時22分 記者 : 新庄れい麻 印刷
+あの日、津波の荒れ狂う水の中で守られた命 三浦シュクンさんの救いの証し
三浦シュクンさんと、5年前、迫り来る津波に周り三方を囲まれ、逃げて来た数人と共に登ったけやきの木(写真:風間哲也氏提供)

宮城県気仙沼市。カツオの水揚げ量日本一を誇る、活気ある港町だ。基盤産業が水産加工業のこの町は、2011年の東日本大震災による津波で甚大な被害をこうむり、6万人強の人口のうち、1400人以上が犠牲となった。宮城県内では、石巻市に次いで多い数字だ。

震災後には、クラッシュ・ジャパン、サマリタンズ・パースなど、キリスト教系支援団体が現地に入った。泥出し作業に始まり、家屋修復、仮設住宅への支援活動などを行ってきた。

現在、気仙沼ホープセンター代表を務めるニューソング・チャーチの風間哲也牧師も 、震災1カ月後にサマリタンズ・パースのスタッフとして仙台に派遣された後、気仙沼市を中心に活動するようになった一人だ。がれきの片付け、家屋清掃修理といった活動を経て、2012年12月からは気仙沼ホープセンターのスタッフとして、家族一丸となって教会開拓と継続した支援活動に当たっている。

2011年4月以降、風間氏は支援活動を通して、多くの被災者と関わってきた。その中には、明確にイエス・キリストへの信仰を持ち、また、洗礼を受けて、今は教会の重要なメンバーとなっている人々がいるという。そのうちの一人、三浦シュクンさんの救いの証しを、風間氏に聞いた。

シュクンさんは、中国ハルピン出身の女性だ。日本人漁師の家に嫁ぎ、気仙沼にやって来た。震災時には、自宅が津波で全て流され、自身も津波の中で一命を取り留めるという体験をした。地震発生時には仕事場にいたが、すぐに海岸沿いの自宅に戻った。自宅にいた夫が心配だったからだ。その地域の住民のほとんどが近くの避難所に避難した後だったが、夫は家にとどまっていた。

シュクンさんが家に戻った直後、迫り来る津波に周り三方を囲まれ、逃げて来た数人と共に一本のけやきの木に登った。結局そこには10人の住民が流れ着き、共に寒い夜を過ごした。避難所に避難していたほかの住民は、避難所ごと津波に流され、命を失った。家にとどまったシュクンさんは、不思議な形で助かったのだ。

震災後、同じ中国出身の風間氏の妻と出会った。イエス・キリストの話を聞いたシュクンさんは、救いを受け入れる決心をした。彼女は、津波の経験がトラウマとなって不眠症に苦しんでおり、またアルコールに依存するようにもなっていた。だが、イエスを信じたその日から、シュクンさんの不眠症は癒やされた。さらにその後には、不思議にも酒をまずく感じるようになり、友人たちがびっくりするほどの酒豪だったシュクンさんが、なんと断酒に成功したのだった。

三浦夫妻は昨年末まで仮設住宅に住んでいたが、現在は、集団移転した新しい場所に家を建てて住んでいる。シュクンさんは、気仙沼ホープセンターのスタッフとして働くようになり、故郷ハルピン自慢の餃子や肉まんを作って、地域の人々に奉仕している。一時は体調を悪くし、肝機能と甲状腺に問題が見られ、医師から薬を処方されていたが、その数値も完全に癒やされ、今は健康な体で毎日を過ごしているという。

イエス・キリストによって、その人生が全く変えられたシュクンさんは今、永遠の命を輝かせている。そんなシュクンさんの変化を目の当たりにしてきた風間氏は、「今後訓練を受けて、日本あるいは中国、アジア全域で救いの証しをする器になると確信している」と話す。「彼女はそのために、津波の荒れ狂う水の中で命を守られ、そして、新しい命を受けたのだから」

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