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律法と福音

律法と福音(22)キリストの死因 山崎純二

2015年12月17日06時06分 コラムニスト : 山崎純二
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関連タグ:山崎純二

私は幼い頃からクリスチャンでしたが、いつの頃からかキリストの死因は「窒息死」だという説が広まってきたようであります。十字架に磔(はりつけ)にされると、受刑者は呼吸ができなくなり、息を吸うためには極度の痛みの中で体を持ち上げる必要があり、次第に弱ってきて体を支えられなくなると呼吸困難になり、死に至るとのことです。これは神学者や歴史家の方々の努力により、当時の十字架刑がどのようなものであったのかが明らかになってきたということであり、このことはキリストの通られた苦しみの大きさを再認識するのに十分な具体性(リアリティー)を持っていますが、私は先週に引き続き、彼が全身から流された「血」に注目したいと思います。

先週語りたかったことは、キリストが血を流されることは、さまざまな「型」を通してキリスト生誕以前に書かれた旧約聖書にあらかじめ示唆されていたということでしたが、今回は具体的に彼がどのような血を流されたのかについて書きたいと思います。

いばらの冠

「また、兵士たちは、いばらで冠を編んで、イエスの頭にかぶらせ、紫色の着物を着せた」(ヨハネ19:2)

キリストは頭にいばらの冠をかぶらされました。この「いばら」とは、学者たちの説によると、「キリストイバラ」か「シラー」(トゲワレモコウ)のどちらかだろうということです。キリストイバラには二対のとげがあり、一つは真っ直ぐに伸び、他の一つはフック(かぎ)のようになっているそうです。また、シラーのトゲは非常に痛いため羊の柵などとして使われるそうです。ローマの屈強な兵によって無理やりかぶらされた「いばらの冠」によって、キリストの頭から激痛と共に少なからぬ血が流れたことは容易に想像がつきます。

※参照元: 聖書の植物(http://dorosya.net/034/syokubutu.html)、清泉女子大学ラファエラアカデミア・廣部ホームページ(http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/)

本来、キリストは神の子であり、栄誉ある冠を受けるにふさわしい方です。それが侮蔑の象徴としての「いばらの冠」をかぶらされてしまったのはなぜでしょうか? 聖書を何度も読んでいる人は、「いばら」って何処かで読んだなとピンとくるものです。そうです。最初の人アダムが神に対して罪を犯した結果、神から受けた宣告の中に出てきます。

「また、人に仰せられた。『あなたが、妻の声に聞き従い、食べてはならないとわたしが命じておいた木から食べたので、土地は、あなたのゆえにのろわれてしまった。あなたは、一生、苦しんで食を得なければならない。土地は、あなたのために、いばらとあざみを生えさせ、あなたは、野の草を食べなければならない。あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついに、あなたは土に帰る。あなたはそこから取られたのだから。あなたはちりだから、ちりに帰らなければならない』」(創世記3:17~19)

アダムが犯した罪の故に土地がのろわれ、それ故に土地は「いばら」を生じさせると書いてあります。つまり「いばら」とは罪の結果である「のろわれた状態」を象徴しているのです。「土地がのろわれた」というのも非常に象徴的な表現です。これは単に土壌汚染のようなものを指すのではなく、人の体は「土地のちり」を元に形造られたとありますので(創世記2:7)、人の体がのろわれたものとなったと読めます。

そのような私たちの受けるべき「のろい」の一切をもキリストは一身に負ってくださったのです。キリストが十字架の木にかけられ、いばらの冠を甘受されたことには、このような真意があったのです。

「キリストは、私たちのためにのろわれたものとなって、私たちを律法ののろいから贖(あがな)い出してくださいました。・・・」(ガラテヤ3:13)

むち打ち

キリストを裁いたピラトは、彼に罪がないこと(ヨハネ19:4)、訴える者たちがねたみから彼を引き渡したことに気付いていました(マタイ27:18)。そこで彼は、キリストを群衆の気の済むまでむち打ち、痛めつけた上で、彼を釈放しようと努めました(ルカ23:16、ヨハネ19:1~5)。

この当時のむち打ちというのは、貝や金属片などがむちについており、骨が見えるほどに体の肉片をえぐったとのことです。ピラトとしてはキリストを徹底的に痛めつければ、群衆はそれに満足して死刑までは要求しないと考えたのです。ですから、キリストはむち打ちだけでも死ぬ可能性があるほど、ぎりぎりまで痛めつけられました。

なぜ彼は、これほどまでに苦しまなければならなかったのでしょうか? 私たちの罪を赦(ゆる)し、贖うだけなら十字架刑だけで十分だったはずです。以前も引用したイザヤ書にその理由が記されています。実は彼は、私たちの罪だけでなく、私たちの病と傷みをも負うために、全身に打ち傷を負うことを甘受してくださったのです。

「まことに、彼は私たちの病を負い、私たちの痛みをになった。だが、私たちは思った。彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。しかし、・・・彼の打ち傷によって、私たちはいやされた」(イザヤ53:4、5)

くぎ付け

人はちょっとトゲが刺さっただけでも大騒ぎするものですが、キリストは十字架に磔にされるときに、大きなくぎによって手足を貫かれました。表現のできない激痛が全身を走ったことが、目に浮かびます。この「くぎ付け」にも何かの意味があるのでしょうか。

聖書の「罪」は多くの場合、「借金・債務」などとして表現されます(マタイ18:21~35)。有名な「主の祈り」の中に「我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、我らの罪をもゆるしたまえ」という箇所がありますが、この一文で日本語では「罪」と訳されている部分が、英語では「dept(借金・負債)」となっています。そして借金には債務証書が伴うように、罪を犯した者もその償(つぐな)いをするよう日夜責め立てられるものです。しかし、自己の罪の値(あたい)を償うことは人には不可能です(詩編49:8)。そこで、キリストは十字架上でくぎ付けにされることにより、私たちを責め立てる債務証書を引き受けてくださったのです。

「・・・神は、そのようなあなたがたを、キリストとともに生かしてくださいました。それは、私たちのすべての罪を赦し、いろいろな定めのために私たちに不利な、いや、私たちを責め立てている債務証書を無効にされたからです。神はこの証書を取りのけ、十字架に釘づけにされました」(コロサイ2:13~14)

やり

「しかし、兵士のうちのひとりがイエスのわき腹を槍で突き刺した。すると、ただちに血と水が出て来た。それを目撃した者があかしをしているのである。そのあかしは真実である。その人が、あなたがたにも信じさせるために、真実を話すということをよく知っているのである」(ヨハネ19:34、35)

キリストが命を引き取られた後、一人の兵士がキリストのわき腹をやりで突き刺しました。これを書いたヨハネは「そのあかしは真実である」と、ことさらに強調していますが、このことにはどのような意味があるのでしょうか?

まずは、死後キリストの体の中にあった血(命)が、最後の一滴まで流されたことを読み取ることができます。血の量が多ければ、より多くの人類を贖うことができるということではありませんが、全ての血を土地に(象徴的な意味では人類の上に)注ぎ出して私たちを贖うことが神のご計画だったのです。キリストの型である動物のいけにえをささげるときの規定の中に、そのことがあらかじめ示されています。

「・・・あなたの全焼のいけにえをささげ、その所で私が命じるすべてのことをしなければならない。・・・血は食べてはならない。それを地面(土地)に水のように注ぎ出さなければならない」(申命記12:14~16)

つまり、この兵士がやりでイエスを突き刺したことも、あらかじめキリスト生誕以前に聖書に預言されていることだったのです(ヨハネ19:37)。ゼカリヤ書を確認しておきましょう。

「わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと哀願の霊を注ぐ。彼らは、自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見、ひとり子を失って嘆くように、その者のために嘆き、初子を失って激しく泣くように、その者のために激しく泣く」(ゼカリヤ12:10)

キリスト教の犯した過ちのうちで大きなものは、キリストを殺したのはユダヤ人だということで、反ユダヤ主義に走り、彼らを迫害した点です。しかし、今まで幾つもの聖書箇所で確認してきたように、キリストが全身の血を流して人類を贖ってくださることは、神によってあらかじめ定められていた摂理だったのです。そして、もしも誰かの責任を追及したいのであれば、それはキリストを突き刺した兵士でもユダヤ人でもなく、罪人である私たちが彼を突き刺し、むち打ち、いばらの冠をかぶせ、手足にくぎを打ち、殺したのです。

しかし、キリストはその極度の苦しみの中で、そんな私たちのためにとりなしの祈りをしてくださいました。これが福音なのです。このような大きな愛が他にあるでしょうか。

「そのとき、イエスはこう言われた。『父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです』」(ルカ23:34)

このように罪も汚れもないキリストの血によって、私たちの罪を責め立てる債務証書を帳消しにし、のろいから解放し、病や痛みを担い、完全に贖ってくださるというのが、父なる神の御心なのです。なぜなら、血は「いのち」そのものであり、血の中にこそ「いのち」があるからです。つまり、神はキリストの「いのち(血)」によって、私たちの罪を赦し、魂を贖い、滅びから救い出し、永遠の「いのち」を与えてくださったのです。

「なぜなら、肉のいのちは血の中にあるからである。わたしはあなたがたのいのちを祭壇の上で贖うために、これをあなたがたに与えた。いのちとして贖いをするのは血である」(レビ記17:11)

【まとめ】

  • 彼は私たちの「のろい」を引き受けるために、いばらの冠をかぶり、木にかけられた。
  • 彼は私たちの「病と痛み」を癒やすために、全身にむちを打たれた。
  • 彼は私たちの罪を責め立てる「債務証書」を無効にするために、くぎ付けにされた。
  • 彼は私たちを贖うために、やりで突き刺され、全身の血を流された。
  • キリストの血は、これら全てを成し遂げる高価なものである、血は彼の「いのち」そのものだから。

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◇

山崎純二

山崎純二

(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。米国ではクイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。ツイッターでも情報を発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:山崎純二
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