同性婚の結婚式用ケーキ拒否で賠償金13万5千ドル 宗教的信条の表明も禁ずる命令に反発の声

2015年7月9日12時20分 翻訳者 : 木下優紀 印刷
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昨年ワシントンで開かれた家族研究協議会(FRC)主催の価値観を重視する有権者サミットで語る、オレゴン州にあったケーキ屋「スイート・ケークス」の元オーナー夫妻、アーロン・クラインさん(左)とメリッサ・クラインさん=2014年9月26日(写真:FRC / キャリー・ラッセル・ネッパー)

自身の宗教的信条に反するとして、同性婚者の結婚式用ケーキの注文を拒んだ米オレゴン州のケーキ屋オーナー夫妻が、慰謝料として13万5千ドル(約1620万円)を支払うよう命じられ、その宗教的信条について語ることも「やめ、控える」よう命じられた。

オレゴン州のブラッド・アバキアン労働産業局長は2日、同州北部のグレシャムにあったケーキ屋「スイート・ケークス」のオーナーであり、2013年にレズビアンのカップルの結婚式用ケーキの注文を拒んで差別をしたとして有罪となった、アーロン・クラインさん、メリッサ・クラインさん夫妻への最終決定を出した。アバキアン局長はクラインさん夫妻に、原告のレイチェル・ボウマン=クライヤーさんに7万5千ドル(約900万円)、パートナーのローレル・ボウマン=クライヤーさんに6万ドル(約720万円)の支払いを命じた。

同州労働産業局は4月末、クラインさん夫妻に対し賠償金13万5千ドルを支払うよう命ずる提案命令書を出していたが、最終的な決定はアバキアン局長に委ねられていた。

「被告は、原告の性的指向ではなく、ただ同性婚のセレモニーに参加したくないためサービスの提供を拒否したと主張している。審判団は、この2つに何ら区別がないと既に判断した」と、アバキアン局長は命令書の中につづった。また、「そのため、営利団体である被告に対し、法の保護の下にある階級の人々へのサービスの提供を拒否することを許すのは、公の市場の少なくともごく一部で、性的指向の故に人々を分離することを法的に許可することと同等になりかねない」と述べた。

クラインさん夫妻が支払うべき慰謝料の額の内容として、アバキアン局長は、サービスの提供を拒否することで2人を感情的に悲嘆の中に置いたと主張。レイチェルさんは、スイート・ケークスが同性婚の結婚式にケーキを提供しないと聞いて落ち込み、数日間床に伏せたという。

「サービスの拒否によって原告が明らかに感情的に苦しんだという明確な証拠が残っている」とアバキアン局長は記し、「ローレルさんへの提示額が少ないのは、その拒否の場にいなかったからで、行政審判官はレイチェルさんの感情的苦しみの大きさとひどさについての証言を重く見ている」とした。

クラインさん夫妻は、この事件の後、LGBT(性的少数者)の権利擁護団体による嫌がらせが多発したために経営に支障をきたし、2013年に閉店を余儀なくされたことを昨年明らかにしていた。

しかし今回の決定で、クラインさん夫妻はどのようにキリスト教の信仰に立ち続けるかについて、また今後も同性婚の結婚式への参加を拒否することの表明や、現在は自宅で経営をしていることについて公で語ることを「やめ、控える」ようにも命じられた。

「・・・アーロンはその宣伝行為で告発されました(つまり、同性婚の結婚式に参加したくないと語ったことについてです)。このことによって、私たちは合衆国憲法修正第1条に書かれた全ての人権を剥奪されました」と、クラインさん夫妻はスイート・ケークスのフェイスブックにつづった。「オレゴン州によれば、私たちには信教の自由も、意見表明の自由もないそうです。私たちは決してこの戦いを諦めず、決して黙りません。私たちは神の真理、神の言葉、そして全ての米国人の自由のために戦います」と投稿にはある。

「私たちは人ではなく神に従うためにここにおり、この世には従いません。もし私たちが全てを失わなければならなくなったとしても、ひとり子イエスを私たちのために与えてくださった私たちの主の犠牲を思えば、それに十分値します。神はこの戦いに勝ちます!」

ワシントンに本部を置く保守派シンクタンク「ヘリテージ財団」が運営するニュースサイト「デイリー・シグナル」によれば、「やめ、控える」ようにとの命令は、保守派団体「家庭研究協議会」(FRC)が昨年、クラインさん夫妻に対して行ったインタビューによるという。その中でアーロンさんは、「戦いはまだ終わっていません。私たちは強く立ち続けます」と発言したと伝えられている。

ボウマン=クライヤーさんカップルの弁護士は、クラインさん夫妻が、州が法的に保護する全ての社会階級の人々に対する差別を喧伝(けんでん)するような言動を公の席ですることを禁ずる州法に違反したと論じた。

この弁護士による「やめ、控える」ようにとの記述は、4月末に同州労働産業局が出した提案命令書では、アラン・マカロー行政審判官により破棄されていたのにもかかわらず、アバキアン局長はそれを覆し、再び取り入れた。

アーロンさんは、米FOXニュースに対し、この決定に対し控訴することを計画していると明かした。

「この人(アバキアン局長)は私に何ら力を持っていません。彼は、私たちに黙れと命令することができると考えているようです。それは私には納得できませんし、従いません」とアーロンさん。「もし私の憲法上の自由が州によって侵害されるなら、私は公の場で語ります。それがあるべき姿です」

クラインさん夫妻の弁護士アンナ・ハーモン氏はデイリー・シグナルに対し、アバキアン局長の「やめ、控える」ようにとの命令は、オレゴン州がその政策に賛同しない営利団体に対し、従うよう強制しようとしていることの明確な証左だと述べた。

「ブラッド・アバキアン局長はこの事例を通じて、州の考えに沿わない信念を持っている人を『更生』させようという意図を公に明らかにしました」とハーモン氏。「今や彼は、信仰に忠実であろうという、クラインさん夫妻の個人的な結論を単純に表明することが違法であると結論付けたのです。これは意見表明の自由という全ての米国人の権利に対する厚かましい攻撃で、州政府が採用した考えに賛同しない人に対する州政府の押し付けです」

ヘリテージ財団の法学主任研究員ハンス・フォン・スパコフスキー氏は、アバキアン局長の決定が意見表明の自由の「根本的な侵害」だと述べ、アバキアン局長に中国共産党の官僚と何ら変わらないというレッテルを張った。

「これは明らかに、ピューリタンを米国に来させる原因となった、支配者による弾圧的な迫害の一種です。そして、アバキアン局長がクラインさん夫妻にこの事例について語らないよう命じたことはさらに極悪で、また合衆国修正第1条に規定された意見表明の自由に対する根本的な侵害です。アバキアン局長は、ちょうどかつてのソビエト連邦や共産党統治下の中国の官僚に当てはまります。オレゴン州は、こんな道義心のない下品な人を州の行政職員にしていることを恥ずかしく思うべきです」

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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