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哀歌講解説教

哀歌講解説教(8) 宮村武夫牧師

2013年9月25日14時59分
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宮村武夫牧師+

シオンに火は燃え上がり
哀歌4章1~22節

「たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです」(詩篇23篇4節)

[1]序

今回は、哀歌4章全体を3つの部分に分け見て行きます。

過去のエルサレムの美しさと現在の姿(1~10節)、民の指導者の罪の指摘(11~20節)、強敵エドムに対する警告(21~22節)、この三つの部分です。

[2]過去のエルサレムの美しさと現在の姿(1~10節)

エルサレムの包囲と陥落の悲惨な経験をした哀歌の詩人は、この4章で恐るべき出来事を事実に即して伝えています。

(1)1、2節
4章全体の序としての役割を果たしています。「金は曇り」(1節)、変色したり輝きを失うことがない金が、今や曇り、色も変わり、見る影もない。また「聖なる石は、あらゆる道ばたに投げ出されている」(1節)など、貴いものが価値のないものとなっている実例を挙げています。しかし金よりも宝石よりも、比較にならないほど貴いものである神の民が今や卑しめられている、人間の尊厳がこれ程まで踏みにじられていると哀歌の詩人は強調しているのです。

(2)3~10節
エルサレム陥落の悲惨な出来事を、バビロン軍のエルサレム包囲により引き起こされた「飢え」に焦点を絞り描いています。

3、4節。一番弱い立場にある乳飲み子や幼児がまっさきに犠牲になってしまったのです。荒野で腐肉を求めてさまようジャッカル。無慈悲な動物の代表と言われるだちょう(ヨブ39章13~18節)。そうした動物の場合に見ると同じ、またさらにひどいことが幼い者たちに降りかかっているのです。

「乳飲み子の舌は渇いて上あごにつき」(4節)。彼らは飢えを訴える声さえでないほど弱りきってしまったのです。

5節。上流階級の人々の以前の贅沢な衣食と現在のまったく惨めな生活を対比して、いかに悲惨な出来事であったか強調しています。

6節。弱い立場の幼い者たちがこれ程まで犠牲となっているのは、エルサレムの罪が「ソドムの罪より大き」かったからであると、哀歌の詩人はここでも罪を深く認めています。参照1章5、14、22節。

一瞬のうちに滅ぼされたソドム(創世記19章25節)。ソドムより大きい罪を犯したエルサレムは、長く続く恐ろしい「飢え」を経験したのです。

7、8節。ナジル人(民数記6章2節)の場合も、7節に描かれている以前の麗しさは、8節に見るように見る影もない惨めなものになってしまったのです。白と紅、さらにサファイア(7節)と色鮮やかな、以前の美しさや健康(雅歌5章10~15節)は、今や一変して、「すすよりも黒くなり」(8節)とすっかり色あせ、彼らの顔も体も見る影もなくなりました。

9、10節。飢饉の恐ろしさの描写は、この2節で頂点に達します。

6節で、ソドムのさばきに比較して、城壁包囲により引き起こされたエルサレムの飢えは、より深刻であると哀歌の詩人は指摘していました。この9節では、今現にエルサレムで起っている事態として、「剣で殺される者は、飢え死にする者よりも、しあわせであった」と、長引く飢えがいかに恐ろしい事態を引き起こしているか訴えています。

10節で、3、4節に見た母親と乳飲み子の関係に戻りますが、人間の尊厳が徹底的に踏みにじられている悲惨の極限を伝えています。参照エレミヤ19章9節。

[3]民の指導者の罪の指摘と強敵エドムに対する警告(11~22節)

(1)民の指導者の罪の指摘(11~20節)
11、12節。「シオンに火をつけられた」。ここでの火は、バビロン軍の手でつけられた実際の火を指すと同時に、主なる神の怒りの象徴でもあります(エレミヤ17章27節、申命記6章15節)。

エルサレムが火で焼け落ちる、そんなことは思いもよらなかったことです。エルサレムは、もともと敵が攻めにくい地形にありました。その上、王たちがこれを幾度か補強しました(Ⅱ歴代誌26章9節、27章3節、33章14節)。

さらにヒゼキヤ王の時代、アッシリヤ軍から守られた経験(Ⅱ列王記19章14~37節)から、人々はエルサレムとその神殿は無条件に守られると考え、自分たちの罪に対して盲目となってしまったのです。

13~16節。人々が思いも及ばなかったエルサレム陥落が現実となったのは、「預言者たちの罪、祭司たちの咎」(13節)とあるように、民の中の宗教的指導者の罪によることを哀歌の詩人は明示します。参照2章14節。

「正しい人の血を流したからだ」(13節)。預言者や祭司が直接手をくださなくとも、他の人々の行為を黙認するなら、その責任は問われるのです。参照エゼキエル22章1~5節、詩篇106篇37~40節、偶像礼拝と血を流すことは結んで考えられています。「触れようとしなかった」(14節)。罪のない人々の血によって汚されているからと言って。「汚れた者」(15節)。血で汚れた者は神の民の間だけでなく、異邦の民の間でも受け入れられない様を描いています。

16節。このように、宗教的な指導者の罪の重さを強調しています。参照エレミヤ52章24、26、27節。

17~20節。「私たち」と1人称、複数。哀歌の詩人は、イスラエルの民・共同体の一員として、エルサレム陥落の最終段階について語っています。

「助けを求めたが、むなしかった」(17節)。13~16節に見る事実にもかかわらず、むなしい人の「助けを求めた」と、哀歌の詩人は罪を指し示しています。「救いをもたらさない国の来るのを」(17節)。来る当てのない外国軍になおも期待している、民の罪を指摘しています。参照イザヤ30章7節。

18~20節。エルサレムの城壁が破られ、バビロン軍がエルサレムの城内に入り始めたときの有り様を描いています。「つけねらわれて」(18節)、バビロン軍が城壁を破り、城内に侵入し、エルサレムの人々がバビロン兵を身近に見ている危険な状態を描いています。「山々の上まで追い迫り、荒野で私たちを待ち伏せた」(19節)。どこへ逃げても、身を隠す場がないほど、バビロン軍の追求は厳しかったのです。「私たちの鼻の息である者」(20節)は、カナンにおいては、古くから王を指す特別な表現でした。また次の「主に油注がれた者」が明らかに王を指すことから、同じく王を指していると考えられます。

(2)強敵エドムに対する警告(21、22節)
ユダを取り巻く国々の中でも、最もはっきり敵対するエドムに対しての預言・警告です。参照イザヤ34章5~17節、63章1~6節。

「エドムの娘」(21節)。参照エレミヤ25章20、21、27節。「楽しみ喜べ」(21節)、将来について何も知らない今のうちに。楽しみ喜べるのは今のうちだけだとの皮肉。「あなたにも杯は巡って来る」(21節)。主なる神のさばきの象徴、参照エレミヤ25章15~19節。

「シオンの娘。あなたの刑罰は果たされた」(22節)。現実には、エルサレムが陥落し、バビロン捕囚が始まったばかりであるのに、神の民へのさばきを通して、その後に備えられている約束、「主はもう、あなたを捕らえ移さない」(22節)が与えられています。トンネルの中を通っている中にあっても、出口の光が見えているような状態。

[4]結び

(1)エルサレムの包囲、崩壊、捕囚。その経験がどれほどのものであったか、その一端を垣間見ました。この炎を通して、なお哀歌の詩人は主なる神の真実と恵みにしっかりとたっているのです。エレミヤ、エゼキエルなど預言者たちのメッセージは、この悲惨に立ってのものです。

(2)第二次世界大戦の炎を通して、主イエスの十字架を見上げる信仰に導かれた一人のドイツ人は、以下のように記しています。

「1943年17歳のとき、徴集を受け、1943年7月市内中心部の高射砲台で、ハンブルグ市が炎上し崩壊する様を体験した。1944年前線に来て、1945年捕虜になり、1948年、3年後にそこから帰還した。ベルギーとスコットランドの収容所で、わたしは自分の生の確かさが崩れるのを経験し、この崩壊の経験のなかでキリスト教信仰における新しい生の希望を経験した」(J・モルトマン)

最後にもう一度、詩篇23篇4節をお読みします。

「たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです」(詩篇23篇4節)

◇


宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。




※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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