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哀歌講解説教

哀歌講解説教(5) 宮村武夫牧師

2013年9月22日08時02分
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関連タグ:宮村武夫
宮村武夫牧師+

腎臓に射込まれた者
哀歌3章1~18節

「私はこれを思い返す。それゆえ、私は待ち望む」(哀歌3章21節)

[1]序

今回は、哀歌の3章1節から3章18節までを味わいたいのです。

このすさましいまでのことばを用いている部分も、やはり3章全体の流れの中で噛みしめる必要があります。3章1節から66節を、以下のような部分に分け、全体の流れを確認することができます。

1~18節:直面している苦難と悩みを、神の怒りとの関係で受け止めている。
19~39節:このような現実の中で、神の憐みとめぐみを深く味わう。
40~54節:敵は民を滅ぼそうとして待ち構えている。
55~60節:そのような中での祈り。

以上の流れの中で、激しいことばで表現している哀歌3章1~18節は、悲惨と絶望の中から悔い改めの道へ備える役割を果たしている事実に目を注ぎたいのです。また19~39節と切り離すことなく、3章全体の流れの中で、特に18節と21節や25節との関係を注意し、3章1~18節の箇所を受け止めます。

さらに個人的な嘆きの詩篇の一つ・詩篇13篇において、嘆き(1~4節)と賛美(5、6節)と内容が対象的な部分が直接結びついている実例を参照にしながら、私たちの箇所を味わいたいのです。

[2]腎臓に射込まれた者(哀歌3章1~18節)

哀歌の詩人は、「私は主の激しい怒りのむちを受けて/悩みに会った者」(1節)と、自分は苦難と悩みの中にいると言い表します。このような自分について語る例を、聖書の中に他にも幾人か見ます。

たとえば、ヨブ。「あなたがた、私の友よ。私をあわれめ、私をあわれめ。神の御手が私を打ったからだ」(ヨブ19章21節)。

嘆きの詩篇の詩人。「あなたの激しい憤りが私の上にとどまり、あなたのすべての波であなたは私を悩ましておられます」(詩篇88篇7節)。

エレミヤ。「私は、戯れる者たちの集まりにすわったことも、こおどりして喜んだこともありません。私はあなたの御手によって、ひとりすわっていました。あなたが憤りで私を満たされたからです」(15章17節)

しかし、これらの誰の場合と比較しても、哀歌3章1~18節の箇所は、他に例を見ないほど、いかにも激しいものです。

(1)1~4節
「肉と皮と・・・骨」(4節)との表現は、嘆きの詩の中で用いられる例が少なくありません。

「あなたの憤りのため、私の肉には完全なところがなく、私の罪のため私の骨には健全なところがありません」(詩篇38篇3節)

この詩篇の場合も、祈りの中での訴えのことばです。

さらに、3節のような表現は、聖書の中で、他に例のないものです。

(2)5~9節
「取り囲んだ」(5節)。敵の軍隊に囲まれた町を思い起こさせます。さらに個人的な苦しみを表すことばで、直面する苦しみを訴えています。

(3)10~13節
「腎臓」(13節)は、最も敏感な、生命に欠かせない部分であり、そこを射抜かれたと苦悩の深さを表しています。ヨブも同様な表現を用いています。

「その射手たちは私を巡り囲み、神は私の内臓を容赦なく射抜き、私の胆汁を地に流した」(ヨブ16章13節)

(4)14~18節
18節は、21節と切り離すことなく受け止める必要があります。主から受けた望みが断たれたように思える中で、「それゆえ、私は待ち望む」(21節)、「それゆえ、私は主を待ち望む」(24節)との告白へと導かれています。さらに25節以下へと続きます。

以上のことから、18節は、誉れが消えうせたときにも、主から受ける望みがなお一番深いところで支えていることを含むと受け止めたいのです。

[3]詩篇13篇

哀歌3章1~18節と19節以下の結びつきを理解するため、嘆きの詩篇の一つ13篇を参照したいのです。

(1)直面する困難の中で(詩篇13篇1、2節)
「いつまで」と4回も繰り返し、苦悩の中から脱出を叫び求め続けています。「いつまで敵が私の上に、勝ちおごるのでしょう」と、自分を取り巻く敵が勝ち誇っている現実をありのままに訴えています。

(2)苦悩の中での祈り(3、4節)
「私に目を注ぎ」。主なる神が自分の現実を見てくださること、そのことが救いであるからとの祈りです。「目を輝かせてください」。目を輝くことを妨げていることが自分を押さえつけている現実の中で、この祈りをささげています。

(3)信頼と賛美(5、6節)
1~4節に見る状態においても、「あなたの恵み」(5節)に目を注ぎます。確かに、苦しい状態は依然として続いています。その中で、「私の心はあなたの救いを喜ぶ」のです。

さらに、心に注がれた喜びは、そのままではなく、「主に歌を歌います」とあるように、賛美として溢れるのです。

1節から4節までと5、6節とは、内容的には直接結びつかないように見えます。しかし1~4節に見る主なる神に自らの現実を伝える訴えと苦悩の中での祈りは、6~7節に見る主なる神に対する信頼と堅く結びつきます。一面から見るなら、確かに異なる表現です。しかしそれにもかかわらず両者は同じ根からの現れなのです。

[4]結び

哀歌3章1~18節に、苦しみを訴える激しいことばを見て来ました。そのすさまじさに驚くばかりです。しかし詩篇13篇の実例から教えられるように、苦難を訴えることばは、21節と堅く結び付けて受け止める必要があります。

「腎臓に射込まれた者」として、民の苦しみの経験(40~47節)を身をもって体験している者の痛みが深ければ深いほど、その中からの待ち望みの思いも深さを増す事実を教えられます。そのように心の深みからの待ち望みのことばとして、3章25、26節をお読みします。

「主はいつくしみ深い。主を待ち望む者、主を求めるたましいに。主の救いを黙って待つのは良い」

◇


宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。




※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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