リック・サントラム元上院議員は10日、米共和党大統領候補者指名争いを撤退し、次回に望みをかける意向を伝えた。米キリスト教福音主義者らは、米共和党大統領候補者としてのミット・ロムニー氏が米社会主義保守派らを巻き込んでオバマ米大統領に対抗していくことができるか吟味している。10日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
キリスト教徒のサントラム氏を米共和党大統領候補者として推薦していたゲリー・バウアー氏は、「大統領選に向けて重要な時を迎えています。先週サントラム氏と会合を行い、大統領選を辞退する意向は彼にとって重い決断であることが伺えました。今はロムニー氏がサントラム氏の支援者と共に選挙運動を展開し、11月の大統領選に向かい共に闘っていく時です。一票一票が本当に大切です」と述べた。
サントラム氏は共和党大統領候補者争いの撤退を正式に表明する直前にロムニー氏に電話し、撤退の意向を伝えた。これに対しロムニー氏は「サントラム上院議員は有能で価値ある競争相手でした。彼が選挙戦で活躍されてきたことを祝します。共和党内で米国全体に関わる重要な声を挙げてこられました。私たちは共にこれまでの3年間の米政権の失策、そしてアメリカを繁栄の道に導く必要性を認識してきました」との声明文を発表した。
「信仰と自由の連合」を率いるラルフ・リード氏は当初からサントラム氏をとりわけ大統領選に推薦してはいなかったものの、サントラム氏の米共和党大統領候補者指名争いに果たした役割は重要なものであったとし、「サントラム氏は大統領候補者指名争いに地盤なしの状態から突入し、数百万票を獲得してこられました。1976年のレーガン政権以来のキリスト教保守派の草の根運動の活性化につながりました。彼の政治的地位を高め、共和党の中でも重要な指導者としての地位を固めることにつながりました」と述べた。
米南部バプテスト連盟倫理・宗教の自由委員会委員長のリチャード・ランド博士はサントラム氏の選挙戦撤退をかねてから勧めており、今回のサントラム氏の意向を歓迎し、「賢い決断だったと言えるでしょう。彼は成熟した指導者であることを示すことになりました」と述べた。ランド博士は米CPに対し「彼はこの6カ月間固い選挙運動を展開してきたことで、米国における確固とした共和党政治家の印象を与えてこられました。今回の大統領選は1860年以来もっとも重要な大統領選であり、我が国の両党においてどのような人物が代表者となるべきかしっかりと吟味する必要があります」と伝えていた。
サントラム氏は妊娠中絶反対や伝統的な男女による結婚制度の維持を推進し、多くの福音主義保守派の支持を得てきた。一方で穏健派の共和党支持者からは、サントラム氏があまりに右派であるとの批判も受けていた。
この数週間にわたりサントラム氏はロムニー氏に対し獲得票の弱まりを見せていた。サントラム氏が米共和党大統領候補者指名争いを辞退したことを受け、米共和党保守派の福音主義キリスト教徒らはモルモン教徒のロムニー氏を米共和党大統領候補者として支持する道が残されることになった。
ロムニー氏の助言役を数年間務めてきた福音主義者のマーク・デモス氏は「福音主義者の一部はオバマ大統領に票を投じるでしょう。ロムニー氏は一部の福音主義者たちにとって当初支持する人物ではなかったとしても、彼は福音主義者たちの次の選択肢として彼を支持してくれることを願っています」と述べた。
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