預言には霊的な戦いが生じている
重枝氏は預言を受けるための妨げになる働きがあることについてダニエル書10章12節で天使ミカエルが天上のペルシャにおける戦いで勝利してダニエルにメッセージを伝えたことと預言の働きと対比し、「預言者は預言をするときに見えない世界の働きがある。祈りの答えを妨げようとする悪も天上で働いていることを知る必要がある。ダニエル書では天上の世界からこれからのこの世界に何が起こるかという啓示を天使が預言者ダニエルのところにもってきた。それと同じように将来何が起こるかということを(神を信じる人たちに)知らせたいと思っていらっしゃるお方が神様である。天上の世界では将来の私達に関する神様のご計画が全部ある。そのご計画について、祈ると天使が運んできて預言として与えられる。将来起こる重要なことが天から引きずり下ろされて来る言葉が預言である」と説いた。
預言するときに天上で悪魔が妨げようとする働きもあることについて、重枝氏は「私たちが将来の計画を知ろうとするのを悪魔は妨げようとする。なぜならそれは『良いこと』であり、地上の悪魔の計画を達成させるためには神様の良いご計画が地上でなされることは邪魔となるからである」と説いた。
重枝氏は預言の働きについて「預言はそのようなひとりひとりに与えられた神様による使命、ご計画を明らかにする。預言というのは一種の霊的戦いでもある。地上の世界に第三の天にあるところの私達の素晴らしい計画を持ってこようとする中で、第二の天にいる悪霊どもがそれを邪魔しようとする。これを通り越して私達のいる地上の天に降りて来るようにする働きが預言であり、サタンが妨げようとする情報を得る方法でもある」と説いた。
重枝氏は預言の賜物について、預言学校の歴史的経緯を説明した。預言運動というのは米国で1980年くらいから活発になったという。米フロリダ州にあるクリスチャン・インターナショナル・ミニストリーズのビル・ハモン博士が「預言について教えてきなさい」という示しを受けたことをきっかけに、世界各地に預言学校が建てられるようになっていったという。他にも世界にはさまざまな預言学校が存在しており、「終わりの日の教会に預言の賜物を神様が復活させて下さっている」と説いた。そもそも聖書全体が神による預言書であり、昔から預言者が受けた言葉が書き記された書物が聖書である。教会の中で預言をするということが無くなっていた時代もあったが、1980年くらいから再び教会の中で預言する働きが復活し始めてきたという。
預言については第1コリントの手紙12章にも聖霊による賜物の一つであることが書かれてあり、12章最後の部分でパウロ使徒は「より優れた賜物を熱心に求めなさい」と勧めている。重枝氏は聖霊の賜物として知恵の言葉、知識の言葉、信仰、いやし、奇跡を行う力、預言、霊を見分ける力、異言、異言を解き明かす力(Ⅰコリント12:8~10)の9つの種があり、「これらの賜物は人間の努力や能力によらず、神の憐れみと恵みによって与えて下さったものである」と説いた。
これに対し、聖霊の実も「愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制」という9つの実がある(ガラテヤ5:22~23)と説いた。重枝氏は聖霊の賜物は種としてイエス様を信じた時に与えられるものであり、聖霊の実は信仰の成長によって加わって来るもので、イエス・キリストの聖いご性質そのものであると説いた。そのようにイエス・キリストに似たものになっていくときに、種も成長していくようになるという。そのため聖霊の賜物は信じた瞬間に与えられるため、信じた者はその瞬間から預言をし、癒すことが可能であると説いた。
パウロ使徒はさらに「預言することを熱心に求めなさい。異言を話すことも禁じてはいけません(Ⅰコリント14:39)」と促している。重枝氏は、預言と教会の働きについて「預言するというのは、神の思いを語ること。私たちは一人一人教会の身体。所属教会の尊い身体であり、普遍的なキリストの身体のひとりひとりでもある。所属する地方教会、所属する普遍的な全世界の教会が一致していくのは聖霊様のはたらきによるものである。御霊はひとつ(Ⅰコリント12:13)。教会が求めるものは聖霊であり、聖霊の賜物を求めている。聖霊の実がその教会に成長することを求めている。聖霊の実が教会に実現することを求めている。私達の目標は、教会が求めるべきことであるべき。もちろん新しい魂が加わると言うことは大事であり、失われた魂がどんどん救われていくことも大事であるが、教会が求めていることは御霊の一致、聖霊の賜物を求めることにある」と説いた。
預言は神との交わり、奇跡が生じる原動力
その上で重枝氏は、「20世紀に入り後の雨運動、カリスマ運動が生じる前の1950年~60年代はどちらかというと教会は『聖霊の実』を強調していた。愛・喜び・平安・寛容、人を愛しなさい、赦しなさいそうすればあなたも赦されますということを強調していた。しかし今この時代は、聖霊の賜物がますます教会に求められている。そういう時代に突入している。ひとつ忘れてはいけないことは、聖霊の賜物というものは、これは人々のためにあるものであるということ。私達を救うためにイエス様がご自身のいのちを捧げて下さったその結果として受け取った賜物であるのだから、自分のためにこの賜物を使うのではなく人々の救いのため、教会を建て上げて行くために秩序をもって聖霊の賜物を用いて行かなければならない」と説いた。
重枝氏は最後に預言の賜物によって得られる効果について、1神様が語られることによって、私達それぞれの存在理由、神様のご計画が明らかになる、2.神様が語られることによって私達の生活が守られる、3.神様の御声を聞いて、それに従うときに供給を下さる、5.神様の御声を聞いて心に平安が与えられる、6.神様と親しくなることができる、7.神様の御声で奇跡が起こるようになり、ストップしていたもの、これまで変わりそうになかったものが変わるようになることを挙げ、重枝氏が7年前に預言を受けた時、預言に従ってミニストリーを開拓して行く中で奇跡が生じた自身の体験を証しした。
重枝氏は「預言は私たちに変化をもたらす。ストップしていたものが預言によって始まって行く。信じる信仰を続けて行かなければならない。預言をすることは、神様の究極的な願いでもある。アダムとエバが創られたとき、彼らは自由に神様と交わっていた。神の声を聞き、お会いすることもできた。罪が入って来た時に神様と断絶してしまった。神様の願いは、私達人間と自由に会話すること。アダムが罪を犯したときに、言いつけを守らなかったときに、何が変化したかというと、神の声を聞くという感性が鈍っていった。神を見る能力も鈍って来た。その結果個人的な神との交わりをもつことができなくなった。しかし神様は多くの手段によって、ご自身を私達に表すそのことを教えてくださっている」と説いた。
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重枝覚子(しげえだ・かくこ)氏: 1955年生まれ。米国ペンシルバニア州立ミラーズビル大学在学中にイエス・キリストを救い主として受け入れる。1988年に聖霊のバプテスマを夫を通して受ける。受けた翌日より使徒伝道を始める。女性を中心に聖霊の学びの為の集会、数々の伝道集会などを手がける。2001年インドネシアの女性大会でリバイバルの炎を受け、献身を決意。「日本は神の国になる」と成田空港で宣言し、門が開け、アライズジャパン 監督のロナルド・サーカ氏より学びと訓練を受け、2003年按手を受ける。2003年より東京都調布市にて開拓。現在夫と5人の子ども達と調布市に住む。
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