クリントン米国務長官は26日、シリア国内の反体制派の民間人を過酷に弾圧するアサド政権を非難し、このままの体制が続けばシリアは崩壊するだろうと警告を発した。神学者らの間では、シリアの紛争状態は、イザヤ書のダマスコ崩壊の預言と関連しているのではないかとの指摘がなされている。27日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
26日モロッコで行われた記者会見で、クリントン米国務長官は、シリアのアサド政権はやがては崩壊するだろうと伝え、シリア政府軍に対し、アサド政権追放のために政府と戦うシリア解放軍に加わるように促し、「同国人に対する暴力を促進する政権を支持する限り、シリア国家の名誉はますます汚されることになるでしょう。もしシリア政権による民間人弾圧を拒否するなら、同国人たちはあなたがたを英雄であると称賛するでしょう。このような崩壊寸前の違法政権を支持し続けるべきではありません」と述べた。
シリア国内では紛争が今にも勃発しそうな状況になっており、シリア国内の多くの市街が、アサド政権支持者と反体制派の対立による戦場と化すようになっている。反体制派の人々は、50年間にわたる汎アラブ主義の政党バアス党が同国を支配し続ける歴史の終焉を願っている。
ホムズ市などシリア国内の一部の都市では、多数のキリスト教徒が存在しており、避難所での生活を余儀なくされている。ホムズ市では、二週間以上にわたってロケット弾による攻撃がなされている。
昨年8月以来、シリア政府は反体制派の民間人を激しく弾圧するようになり、アラブ連盟の加盟資格も停止されるようになった。アナリストらの間では、シリアが紛争寸前にあるのではないかとの懸念が高まっている。
24日には、シリアの赤三日月社が紛争状態にある地域から女性と子供を救出した。先週末には100人以上の民間人がホムズ市で殺害されたとの報告がなされている。シリアではアサド政権による民間人弾圧が始まって以来8,500人もの犠牲者が生じていると報じられている。
シリアの情勢について、神学者らの間では、イザヤ書の預言と関連付けた解釈がなされている。イザヤ書17章ではシリア首都ダマスコの崩壊が預言されている。「道の啓示―地平線の向こうの希望」著者で世界で生じる出来事や現在の中東情勢と聖書の預言を照らし合わせて解釈する研究者でもあるビル・サルス氏は、米CPに対し、「預言者イザヤが預言しているダマスコの崩壊は、紀元前732年のアッシリア帝国の第二遠征によって成就されたという解釈の多くは間違いであったのではないでしょうか」と伝えている。
著書の中で同氏は、アッシリアがダマスコを占拠した後100年以上経過して書かれたエレミヤがダマスコの崩壊について預言していることや、バビロニア帝国はダマスコをイザヤ書17章の預言の方式では占拠しなかったことなどが指摘されている。
サルス氏はイザヤ書17章14節でダマスコが一夜のうちに消滅することが預言されていることを指摘し、これは「核兵器による攻撃の結果ではないか」と述べている。
国際的な福音伝道者で、米国内で急成長しているミニストリーである米テネシー州クリ―ブランドを拠点とする「福音の声」ディレクターのペリー・ストーン氏も同様の預言解釈を行っている。ストーン氏は最近同氏のブログにおいて、「イザヤ書の預言はまだ成就されていません。しかし近い将来成就されるでしょう。エゼキエル書38章ではマゴグの地のゴグに対する戦争が預言されています。シリアはイスラム諸国の連盟から除外され、イスラエルの山々を覆う積乱雲のように動いています。これはまるでダマスコの崩壊の有り様を物語っているかのようです。ダマスコは推定1万人ものテロリストを囲っており、イランのイスラム教急進派政権とも親密な関係を築いています。これはエゼキエル書38章に書かれてある預言に照らし合わせれば、アラブ連盟によるイスラエル侵攻の引き金がシリア紛争によって生じることを物語っているのではないでしょうか」と述べている。
※ビル・サルス氏の著書「道の啓示―地平線の向こうの希望」PR動画(英語)
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