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ワールドミッションレポート

ワールドミッションレポート(6月7日):ブータン ヒマラヤの仏教王国が真の「幸せの国」となるように祈ろう

2026年6月7日20時04分 執筆者 : 石野博
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関連タグ:ブータン
世界宣教祈祷課題(1月26日):ブータン+
ブータンの首都ティンプー(写真:Christopher J. Fynn)

ヒマラヤ山脈の東端に位置し、「世界で最も幸せな国」と呼ばれるのがブータンだ。憲法上は世俗国家とされているが、その社会的・文化的な実態は仏教と強く結び付いている。

国民は皆、仏教の教えに従うことが当然とされており、その強固な伝統の枠組みから外れてイエス・キリストに従うことを選んだ者たちは、想像を絶する重い代価を支払うことになる。最新の「ワールド・ウォッチ・リスト」で34位にランクインしているこの国では、公の場での礼拝や教会の所有、伝道活動は一切禁止されており、違反すれば最長3年の投獄が待っている。

信者たちは、当局や周囲の目を逃れ、密室で息を潜めるようにして集まり、秘密裏に礼拝をささげ、洗礼を授け合っているのが現状だ。

ブータンにおける迫害の最も特異な点は、村の共同体や家族という「身近な関係性」から来る強固な圧力である。密接に結び付いた村社会において、信仰を隠し通すことは非常に難しい。農村部では仏教僧侶たちがキリスト教に対して公然と敵意を向け、当局も社会の現状維持のために信者たちをかばうことはない。

さらに改宗者たちを苦しめているのが、「NOC(無異議証明書)」と呼ばれる書類の存在だ。これは村の当局が発行する「良き市民であることの証明」であり、就職やローンの申請など、社会生活を営む上で不可欠なものである。しかし、キリスト教への改宗が発覚すると、この証明書の発行が不当に拒否されることが多い。それは事実上、社会からの完全な追放と経済的な孤立を意味する。

しかし、社会から「良き市民ではない」という烙印(らくいん)を押され、家族から見放されても、彼らの心からキリストの光を奪うことは決してできない。かつて深刻な依存症に苦しんでいたスマンという青年は、イエス・キリストに出会ってその人生を完全に作り変えられた。彼は仏教徒である義父から激しい迫害を受けながらも、決して信仰を捨てることはなかった。

現在、彼はユースリーダーとして立ち上がった。「私の心には喜びがあります。私の証しを通して、多くの若者が悔い改め、主のもとに立ち返っています」と、彼は力強く証ししている。

聖書は言う。

しかし、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主として来られるのを、私たちは待ち望んでいます。(ピリピ3:20)

国が彼らをどう評価しようとも、ブータンの信者たちは天に属する「最も優れた市民」として、密かに、しかし確実に暗闇の中で信仰のともしびを燃やし続けている。

小国ブータンのために祈ろう。社会的な証明書や権利を奪われ、経済的・精神的な孤立の中で苦しんでいる信者たちが、神の愛によって力強く励まされるように。密室で集まる非公認の教会が守られ、仏教徒の家族からの激しい迫害に耐え、聖霊と喜びに満たされるように。

そして、スマンのような若きリーダーたちの命懸けの証しを通して、強固な仏教の土壌に福音の種がまかれ、豊かな結実を見るように。「幸せの国」が、キリストにあって真にそのような国となるように、祈っていただきたい。

■ ブータンの宗教人口
仏教 74・6%
プロテスタント 1・9%
カトリック 0・2%
イスラム 0・5%
ヒンズー 22・4%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:ブータン
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