【CJC=東京】米国防総省は9月30日、同性間結婚を合法としている州では、軍施設の内外で行われる私的な結婚式を従軍牧師が司式することを認めたクリフォード・スタンリー国防次官のメモを公表した。クリントン政権当時の1993年に採択された『問わず、語らず』方針のもとでは、軍内部で同性愛者であることを公言したことを理由に約1万4000人が除隊処分を受けており、同性愛兵士たちから禁止政策撤回を求められていた。
ただし従軍牧師は、個人的あるいは宗教的信念に反する私的な結婚式に立ち会うことを強制されることはなく、また従軍牧師が同性間結婚式に参加した場合でも、米国防総省がその結婚式を是認したことにはならない、としている。
連邦政府は同性婚を認めていないため、同性のパートナーを持つ兵士は、健康保険などの面で異性婚の夫婦が受けているのと同じ便益を受けられない。今回の措置を歓迎する側、反対する側双方から、同性間結婚を認めていない州に転属された場合のことを考慮したのか、と懸念する声も上がっている。
現在、米国で同性婚を認めているのはコネティカット、アイオワ、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ニューヨーク、バーモントの各州とワシントン・コロンビア特別区。
『問わず、語らず』方針に立った規制規定は、国防総省が今回の発表を行った10日前の9月20日に撤廃されている。
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