米サドルバック教会の創立者で、世界的ベストセラー『人生を導く5つの目的』の著者であるリック・ウォレン牧師が、ローマ近郊で開催されたカトリックの宣教ムーブメント「グローバル2033」(英語)の関連イベントで講演した。
グローバル2033は、キリストの死と復活、またペンテコステ(聖霊降臨)の出来事から2千年となる2033年までに、世界のカトリック人口の約10パーセントに相当する1億3300万人を福音伝道に動員することを目指す国際的なムーブメント。
その関連イベントとして、6月1~3日にローマ近郊で開催された「グローバル2033リーダーズサミット」で講演したウォレン牧師は、米カトリック系テレビ局「EWTN」とのインタビュー(英語)で、次のように語った。
「単一の教派が、単独で大宣教命令を成し遂げることはできません。世界にはイエス・キリストを信じるとする25億もの人々がいるのです」
その上で、そのうちの約13億人はカトリック信者であり、キリスト教徒全体の約半分を占めると付け加えた。
「私たちが文化的に一致することは決してないでしょう。組織的に一致することも決してありません。教義の一致も決して起こらないでしょう。しかし、私たちには合意できることが一つだけあります。それは、全てのキリスト教徒は宣教に赴くよう召されているということです」
ウォレン牧師は、プロテスタントとカトリックの間の緊張について尋ねられると、新約聖書に記された最も長い祈りである「大祭司の祈り」(ヨハネによる福音書17章)を引用し、神はその祈りにいまだ完全には応えておられないと話した。
「イエスのこの偉大な祈りは、一致のための祈りです。そして、それはいまだ応えられていないのです」
その上で、自身がカトリック信者と共に祈る理由について、「私は、イエス・キリストが生涯の主であると信じる人とは誰とでも共に祈ります。彼らはキリストにある兄弟姉妹なのです」と述べた。
米神学者の故ロバート・チャールズ・スプロール氏は、「大祭司の祈り」に関する2012年の記事(英語)の中で、イエスによる一致の要請に関するさまざまな解釈を説明し、それは教義の純粋性を犠牲にするものではないとしている。
「私たちは、福音の真理に忠実であり、教会の純粋性を維持するよう召されています。その純粋性は、一致を守るために決して犠牲にされてはなりません。なぜなら、そのような一致は真の一致ではないからです」
ウォレン牧師のカトリックとの密接な関係について、福音派の中には批判する人々もいる。2014年には、バチカン(ローマ教皇庁)が主催した「男女の補完性」に関するシンポジウムで講演したが、その際も福音派の一部からは批判や懸念の声が上がった(関連記事:リック・ウォレン牧師らバチカンで講演 「性の革命」に警告、男女の結婚守るよう主張)。