世界各地において気候変動による影響が人間生活や環境に大きな影響を与えている。気候変動による被害でもっとも被害に遭うのは、もっとも社会的弱者の立場にある人たちとなっている。自然のエコシステムに依存した生活を行っているこれらの人々の持続可能な生活のためにも、世界諸教会が他の信仰を持つ組織と協力し、気候変動の議論における倫理的な視点を提供していくべきだとの提唱が世界教会協議会(WCC)でなされている。
20日、WCCは、スイスジュネーヴの気候変動・環境・人権問題における宗教間フォーラム、ドイツ人権フォーラムおよびユナイテッド福音ミッション(VEM)と合同で気候変動と人権問題について「信仰と倫理的視点の隙間を埋める」ことに関する会議を開催した。インドの土着民族の人権と気候変動の問題のために取り組む組織レイヤ・リゾース・センターのエグゼクティブディレクターを務めるナフィサ・ディソウザ氏は、同会議において、「信仰を基盤とした各組織が、気候変動で被害を受ける社会の片隅に追いやられているエコシステムに依存した環境で生活する人々に対する懸念を示し、この問題が世界フォーラムの主要課題として取り上げられるように促していくことが必要である」と提唱している。
気候変動問題においては、科学者らがそのメカニズムの解明や観測に取り組み、各国指導者らが経済大国を中心とした気候変動問題対策に取り組む中、もっとも深刻な被害を受けている経済に依存しない生活を送る社会的弱者にある人々に対する影響が見過ごされがちになっている。この点について、信仰団体が倫理的視点をより強く提唱していくべきであることが同会議において強調された。
ディソウザ氏は、「地球から私たちが奪ったものが原因となって地球の一部を破壊しています。倫理的な懸念というのは、神様が創造された創造物に対する責任が私たちすべてから失われてしまっているのではないかという懸念です。二極化された世界、力の不均衡が生じている社会において、信仰を基盤とした組織が気候変動における議論により関与していき、倫理的な影響を与えるようになることが必要です」と述べた。
ディソウザ氏は気候変動問題において、信仰を基盤とする組織は「人々を保護する」立場で倫理的視点を提供していくことが大切であるとし、「諸教会および信仰を基盤とした組織は、宗教的な概念をより広範な倫理的視点に関連させていくことが必要です。宗教活動はそれ自体がグローバルな活動であり、現実問題として、気候変動で最も被害を受けている弱者を保護できる活動でなければなりません。WCCは気候変動問題で倫理的な視点を提供することでこれらの人々を守る活動を行っています」と述べた。
ディソウザ氏の視点は、WCC気候変動プログラムエグゼクティブのギラーモ・カーバー博士も支持し、「教会と信仰団体は気候変動におけるあらゆる影響や問題について認識できなければなりません。気候変動はもっとも社会的に弱い立場にある人たちに影響を与えています。特に(経済生活ではなく)地球の自然環境そのものに極度に依存した自然の中で生きる人々の生活と気候変動問題は深刻なつながりがあります。さらにこのような生活を送る人々は、気候変動の原因となる活動をしていると考えられるもっとも最後に来る人たちであり、気候変動問題と倫理問題が関連していることは明確であることに気づかなければなりません」と述べた。他にも会議に参加したパネリストたちから、気候変動と人権に関するさまざまな視点が提供された。
11月28日から12月9日にわたって南アフリカ共和国ダーバンにおいて、第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP17)が開催される。諸教会および信仰団体は、同会議において強い倫理的視点が提供できるように準備を促進させている。
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