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花嫁

花嫁(2)むなしい、悲しい、寂しい 星野ひかり

2024年3月8日23時02分 コラムニスト : 星野ひかり
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花嫁(1)食卓 星野ひかり+

あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである。(ルカ6:20)

クリスチャンになったところで孤独な心は置いてきぼりで、見渡すと、ずいぶん清潔な所に暮らしているものだと人ごとのように思うばかり。

2月の11日に退院後、初めて教会に行くと、週報ボックスはいっぱいで、牧師先生からも横川和夫先生の『降りていく生き方』という「べてるの家」の歩みを描いた本を貸していただいた。帰ってさっそく読みふけると、ある言葉に衝突した。

「むなしい、悲しい、寂しいという3つの気持ちは、楽しいとかうれしいとかいう以上に、心の健康にとってとても大事なものなんだよ」

それは衝突というにふさわしく、衝撃的な一文であった。その本の中にも書かれている通りに、私たちは一生懸命それらを消し去ろうと努力する。私もさぞうれしいかのように、楽しいかのように生きなければならないような思いに苦しめられていることに気付かされるようだった。「クリスチャンが喜んでいないなんて!」と、誰かから怒られそうな気持ちさえする。

しかし、生きることはむなしい。悲しいし、寂しい。・・・そんな思いがついに湿って重くなって、どっと降り出した雨のように、心をどしゃぶりにする日だってある。

ニュースを見たって世界中で人が傷つけられ、都合の良い大義名分が掲げられれば、命はあられもなく殺されてゆく。災害は突如起こっては当たり前の暮らしを根こそぎ奪って、何事もなかったかのように過ぎ去ってゆく。それらはいつわが身に起こるかも分からない。病気を持っている私のような人間は、有事の際には弱者たる惨めさを知るだろう。掘れば掘るほどに不安など無限に湧き出るのだ。

教会はとてもきれいなところで、引き裂かれるような孤独の痛みや暮らしの不安、暴力から命からがらで逃げ込めるというイメージは、私の中でとても薄いものだった。

イエス様は学のない漁師たちや、からだを売る娼婦たち、差別されて物乞いをする人たちにも囲まれていた。フケやあかまみれの人がいたかもしれない。たばこや酒のように良くないとされる嗜好(しこう)を持った人だって中にはいたかもしれない。そんな人たちと共に食卓に着いて食べ物を分け合った、イエス様の人間性、温かさが福音書にはあふれている。命からがら人生に行き詰まってしがみついてきた人たちに、弟子としての新しい人生だけに及ばず永遠の命まで下さった。

相変わって、この世の教会は品の良い社交クラブのように、どこかしら小ぎれいで優雅な雰囲気さえまとってはいないだろうか。

そうすねていた私こそ、行き場のない思いからさまざまな依存症で苦しんできた当事者だからだ。私は日本においての依存症回復に向き合っている先生のオンラインセッションを受けていた。このセッションによって回復したものは、何よりもイエス様との絆であった。そして私は愛されていて、幸せになるべきであるというまなざしは、私に人との絆を回復させる勇気を与えてくれた。

私はたばこや精神薬の過剰摂取など、依存症に陥りやすい類を見ない弱さを抱えている。それら私の弱さについてはかたくなに秘密にしてきたのだが、もっと恐れずに分かち合ってゆきたいと思い始めた。むなしさや寂しさ、悲しさを体の中に閉じ込めて、ギューッと圧力をかけて絶対に出てこないようにふたをしてばかりではなく、弱さをも分かち合っていく勇気こそ必要だったのではなかろうか。しかし、クリスチャンである兄弟姉妹は今まで温かく、いろいろな事情を抱えていそうな私を見守ってくれていた。

私たちはどんなに弱くみじめな者であってもイエス様に愛されている。キリスト者はキリストに似たものになる、と聖書に書いてあるが、夫も(たいていの時は)イエス様のように深い愛で私を守り、愛してくれた。

母教会の牧師先生の紹介で出会った夫と私であったが、当初夫は結婚に乗り気とは言えなかった。あるコンサートの後、もう夕暮れ時も過ぎ、夜闇の粒が空を敷き詰めていた。新宿公園のベンチに2人座って、私は自分の抱えてきた病や心の傷のことを夫に初めて打ち明けることができた。すると夫は涙を流し、「もう一人で頑張らなくてもいいですからね」と言ってくれたのだった。「神様が私に、この方を守るという栄誉ある役目を与えてくださったのだ」そう歓喜したというのだ。

そして今に至るまで、夫はある時は私の親代わりのように、私に愛情を注ぎ、どんなことがあろうと、どんな私になろうと私を愛すると教え続けた。そして、「それが俺の生きがいだ」と力こぶを作って笑ってくれる。私は夫がいることで心に安らぎを得た。

イエス様を中学生の頃から一筋に信じてきた夫は、イエス様に似ている気がする。ずっと気付かなかったけれど、イエス様が分かるほどに、夫はイエス様に似ているのかもしれないと思い始めた。

若かりし頃はハンサムとは程遠かった夫であったが、53歳を迎える今、刻まれた優しいしわの際立った、なかなかのハンサムに見まごうこともあり、その優しい瞳の奥にイエス様の愛を見るのだ。

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◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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