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花嫁

花嫁(1)食卓 星野ひかり

2024年2月23日06時56分 コラムニスト : 星野ひかり
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花嫁(1)食卓 星野ひかり+

私の夫の結婚当初からの口癖は「ともしらが」であった。白髪の老いた2人になっても、仲良くしていたいね、という夫の夢からだ(夫の頭髪が老いるまで残っているかはここでは触れないでおきたい)。私は精神疾患を持っていることもあり、なかなか結婚に恵まれなかったが、晩婚でありながらも花嫁衣装を着ることがかなった。

それは「イエス様に私の全てをおささげする」という気持ちから導かれた結婚であった。私たちクリスチャンは、また教会は「イエス様の花嫁」となぞらえられる。主人であるイエス様にお従いする道のりが、私の結婚生活の道のりでもあることを願いつつも、今日も不出来な嫁であったなと一日を終える繰り返しである。

私は結婚後初めて心の病が再発し、2月1日に1カ月と少しの入院期間を経て退院となった。そして、その再発の経験からも「もっと正直に生きよう」と思い始めていた。

そんな退院後間もないある日の休日に、2人の昼食のために温かいそうめんを作った。寒い日で、ダイニングではガスストーブが炊かれていた。私はおもむろにそうめんのお椀を持ってストーブの前に膝を立てて座り、そこでそうめんをすすり始めた。夫はそんな私に少々ちゅうちょしながらも、椅子に腰かけてお祈りをしてから食卓テーブルでそうめんをすすり始めた。私は初めて告白したのだ。

「こうやって食べてるの。あなたが仕事に行っている間の普段の私は。台所で立ったまま食べたり、ストーブの前に座って食べたり、勉強机で食べることも多いかな。要はあなたにいやいや付き合って食べるとき以外には、この食卓テーブルで食べたことなんてないのよ」

「どうして?テーブルの方が食べやすくないかい?」夫は優しい口調で聞いた。「食卓って嫌いなの。ひっくり返されたり、食べ物を奪い合ったり、ののしり合ったり、母親は決して座らずに奴隷のように給仕していたり・・・そんな思い出しか食卓にはないからさ。だからあなたのご実家の温かな食卓に招かれるときも、サザエさんの漫画の中に一人だけ実写で入り込んでいるようでね、まるで現実感が持てないの(義父母はキャラクター的にも波平とフネに似ている)」

「そうだったんだね」。夫は優しく耳を傾けてくれる。そして私は、思い出を話し始めることができた。

「中学生の頃、家で食事をするのが嫌で、近くのセブンイレブンでおでんを買って食べていたの。おでんが出始めの頃で人気でね。いつも私は家の食卓を放棄して、おでんを食べに行っていたの。そしてコンビニの前のアスファルトに腰かけてね。空には星がきれいでね。それが私の安心できる夕ご飯の食卓だったの」

「テーブルはお膝、椅子はネオンに照らされて輝いているアスファルト、天井はお空の星くずたち。寒い冬には私の口からもおでんからも湯気がのぼって空を曇らせてきれいなの。それが私の食卓だった。熱いおでんはよく冷まして食べないとやけどするの。特に大根とこんにゃくはね」

「毎晩ピクニックみたいだったんだね。何の具が好きだったの?」夫がうなずきながら聞く。「大根とこんにゃく、えのきにはんぺん。卵は黄身を崩して汁に混ぜるの。からしと相性がいいのよ。ツンとしてまろやかなスープの出来上がりよ」

「大根もはんぺんもいいな。久しぶりに食べたいな。俺は、このテーブルの方が単に食べやすいし、朝のコーヒーを入れるにもちょうどいいから好きなんで、せっかく買ったこのテーブルも無駄にはならなかったってことだな」。夫は満足げにそう言っていた。

私はカリモク家具の古き良きアメリカを思わせる家具シリーズが大好きで、少しずつ集めていた。なので、結婚当初、食卓にも夢を込めて2人には少し大きいこのテーブルセットを買った。いつか食卓を好きになって、この大きなテーブルに自作のパウンドケーキを並べて、紅茶を入れるような女性になりたい。それが私の夢見て届かない「幸せな女性像」なのだ。

いまだに私はその夢に届かず、このテーブルに腰かけて安心してご飯を食べたこともない。しかし、そのことを結婚6年目、初めて告白できたことは、夫と私のきずなにとって、大きなことだったように思う。

夫はテーブルで一緒に食べず、一人2階にある勉強机で食事を取る私を一度もいさめたことがなかった。この日のように、床に座ってそうめんをすすってみせても、お説教もせず優しく見守ってくれた。その姿は「もし、だれかが、あなたをしいて一マイル行かせようとするなら、その人と共に二マイル行きなさい」(マタイ5:41)という御言葉を思い起こさずにはいられない。

私のような結婚相手と歩む道は、夫にとって驚きや困難もたくさんあることは安易に想像できる。しかし、夫はイエス様と共に、私と伴走してくれる。夫だって、たまにかんしゃくを起こして手が付けられなかったり、理想の夫とはかけ離れたりしてしまうときもある。それでも、イエス様と共にこの愛の分からぬ者に愛を教えようと、一生懸命伴走してくれるのだ。きっと何マイルでも。

イエス様の弟子としての夫の姿はまぶしく、私はそのうしろ姿を追いかけてゆきたいと思っている。

次回へ>>

◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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