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小菊時計

小菊時計(8)私の家 星野ひかり

2022年11月10日11時24分 コラムニスト : 星野ひかり
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小菊時計 星野ひかり+

今日は主日、礼拝の朝を迎えました。私は顔を丁寧に洗い、昨日から決めていたワンピースに袖を通し、1週間の中でも際立って身なりを整えて礼拝に向かいます。父も母も一緒です。

礼拝堂に入ると、もうオルガンの調べが響いており、皆黙想の姿勢を取っていました。私たちも後方の席に座り、祈りの姿勢を取りました。

時に教会などなくてもいいと思うこともありました。自分一人で聖書を読んでも、十分に主の霊に慰められ、満たされることを経験しているからです。また、この世の教会は全て完全ではなく、いろいろな問題に悩まされることもあります。

そして今は闇も深まった世の終わりの近づいた時代であり、教会自体が悪魔の誘惑や攻撃を受けることだって少なくありません。しかしそれでも、初代教会の聖徒たちがそうしたように「集会をやめずに」兄弟姉妹と共に歩もうとしていました。

「見よ、兄弟が和合して共におるのは
いかに麗しく楽しいことであろう。
それはこうべに注がれた尊い油がひげに流れ、
アロンのひげに流れ、
その衣のえりにまで流れくだるようだ。
またヘルモンの露がシオンの山に下るようだ。
これは主がかしこに祝福を命じ、
とこしえに命を与えられたからである」(詩編133:1~)

そのように兄弟姉妹の聖霊様に守られた交わりは、美しく尊いものでありましょう。しかし、主の愛が見えず、霊の交わりの乏しい教会もきっとたくさんあることでしょう。それはまるで、むなしいはりぼて、寂しいがらんどう。

終末の近づきつつある時代において、教会も激しく攻撃を受けています。その中で、兄弟姉妹と共だってイエス様の名のもとに悪魔という敵と闘うことも素晴らしいことでしょう。しかし、心が守られない戦いは、御心ではない時もあるのではないでしょうか。

「油断することなく、あなたの心を守れ、
命の泉は、これから流れ出るからである」(箴言4:23)

主は私たちの命の水の源である心を守りたいと願われている方だからです。そんなときには必ず、主ご自身が道を切り開いてくださることでしょう。神様は全てをご支配される力あるお方なのですから。

オルガンの調べが色となり、線となり、まぶたの裏に展開します。それはやがて小菊の花びらとなり、小菊の花びらの散りばめられた小菊時計が目の前に浮かび上がってくるのです。この教会に戻った日が、鮮明に映し出されてゆきました。

*

自分が育った教会には、もう戻れないと思っていました。皆に合わせる顔もなく、牧師先生に至っては幼いころから愛情を注いでいただいただけに、情けなく、帰る勇気が持てずにいました。父や母もそんな私の心を察し、教会に無理に誘うことはしませんでした。

ある日、教会から帰ってきた父母が、私の部屋の扉の取っ手に袋を下げておきました。それを開けると、兄弟姉妹からの寄せ書き、そして牧師先生からの手紙が入っていました。

言葉は少なくとも、私のために祈り、帰りを待ち続けていてくれたことが十分に伝わり、私は涙を流したものでした。教会にはもう行かない、私は一人で信仰してゆく。そんな悲しい決意をしていた私の心は、涙と共に溶けてゆきました。

そして、私が教会に戻る日が来ました。その日は朝から落ち着かず、そわそわとして、母の用意してくれたワンピースを着て、髪を丁寧に編みました。髪を編む手が時に震えておりました。

教会の扉をくぐると、懐かしい面々が「おはよう」「ごきげんよう」とそれは慕わしい笑顔であいさつをしてくれました。まるで私がいつも来ていたかのように、それは自然であったのです。

誰も「今までどうしてたの?」「心配してたのよ」と問い詰める人はいませんでした。きっと教会の皆でそのように迎えようと話し合っていたのでしょう。その心遣いが何よりもの歓迎でありました。

席に座り、黙想の姿勢を取りながら、じっと涙を流しました。祈りの中で言いました。「天のお父様。帰ってきました」。天のお父様もそれは喜んで迎えてくださったことでしょう。オルガンの調べが喜びに満ちあふれ、天使たちの軍勢が歌い踊っているように感じたのです。

この教会は、私の家でありました。いつでも帰ってきていい、実家のように・・・放蕩のさなかであっても、いつでも私を待ち、両手を広げて立ち続けていてくれたのです。イエス様がそうであったように。

まるで空白の数年間が夢まぼろしのように感じました。私はそのまぼろしの中で、たくさんのものを見ました。この世界の暗やみ、痛み、悲しさ、汚さ、愛の乏しきこと・・・。この世界は確かに悪魔の支配下にあり、悪魔は縦横無尽にこの世界を歩き回って己の手の内に世界を牛耳っていたのを見ました。それはあまりにも長い夢でした。

*

気が付くと、最初の賛美が始まっておりました。慌てて私も歌いました。

♪旧しとて空に照る陽を 拒む者世になし
朝ごとにこれを仰ぎて 者みなは喜ぶ
古びはせじ古びはせじ 尊きはイェスの教えぞ
よし世はいかに 嘲るとも
動かぬはげに この教えぞ

もしわれらイェスの教えを 旧しとて捨てなば
いかにして闇にさ迷う 罪人は生くべき
古びはせじ古びはせじ 尊きはイェスの教えぞ
よし世はいかに 嘲るとも
動かぬはげに この教えぞ♪

教会に通っていれば、安心、安全、幸せ、というわけではありません。私たちはこの世界で、試されて、揺さぶられて、精錬されている者なのですから。エペソ6章にこのようにあります。

「最後に言う。主にあって、その偉大な力によって、強くなりなさい。
悪魔の策略に対抗して立ちうるために、神の武具で身を固めなさい。
わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、
もろもろの支配と、権威と、やみの世の主権者、
また天上にいる悪の霊に対する戦いである。
それだから、悪しき日にあたって、
よく抵抗し、完全に勝ち抜いて、
堅く立ちうるために、神の武具を身につけなさい。
すなわち、立って真理の帯を腰にしめ、正義の胸当を胸につけ、
平和の福音の備えを足にはき、その上に、信仰のたてを手に取りなさい。
それをもって、悪しき者の放つ火の矢を消すことができるであろう。
また、救のかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち、神の言を取りなさい。
絶えず祈と願いをし、どんな時でも御霊によって祈り、
そのために目をさましてうむことがなく、
すべての聖徒のために祈りつづけなさい」

また、一人ではとても弱いものです。「三つよりの綱はたやすくは切れない」(伝道の書4:12)とある通り、兄弟姉妹と共に、そしてイエス様と共に歩んで、祝福を得たいものです。

私の教会を含めて、全ての教会が一つの体のように補い合い、支え合い、イエス様が教えてくださったように、互いを受け入れ合い、愛し合って、祝福にあずかれることを祈るばかりです。(つづく)

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◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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