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小菊時計

小菊時計(5)神様の声 星野ひかり

2022年9月29日23時02分 コラムニスト : 星野ひかり
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小菊時計 星野ひかり+

「『わたしの子よ、主の訓練を軽んじてはいけない。主に責められるとき、弱り果ててはならない。主は愛する者を訓練し、受けいれるすべての子を、むち打たれるのである』。あなたがたは訓練として耐え忍びなさい。神はあなたがたを、子として取り扱っておられるのである」(へブル12:5~)

私は、今日も子として神に訓練されていることでしょう。そしてあの頃もまた、そのようであったことでしょう。

私は小学校5年生の時に信仰告白をしましたが、その後神様の家から遠く離れていきました。時折「あなたは本当に救われていなかったから、神様の家から離れ、放蕩の限りを尽くすことができたのだ」と言うようなまなざしに出会うことがあります。

また、罪の渦に巻き込まれている人を、「あの人は、本当は救われていなかったんじゃないか」と言うまなざしにも、時折出会います。私自身のことについては、はっきりと言えました。私の信仰告白は確かであり、あの放蕩の限りを尽くしたときも、神様の子どもであったと。

私たちはいつからクリスチャンになるというのでしょうか。罪を犯さなくなった時? いいえ、罪を犯さなくなる時など私たちに訪れることがありましょうか。大なり小なり、私たちはこの罪の肉体のうちにある限り、罪びとであり続けるのですから。

だからこそ、イエス様の十字架が高く掲げられ、私たちはそれを仰いで愛を知るのでしょう。この罪びとのために死なれた、神のなんとも愚かな愛を。そして頭を地面につけて私たちは低くされ、故に高く上げられることでしょう。

主は全人類のために死なれ、全人類を子として招いておられます。私たちはいつだって、選択の岐路に立たされています。私たちに与えられた自由意志。それは選択の権利です。権利には責任が伴います。私たちがしたこと、言ったこと全てに責任が課され、それを問われる時が刻一刻と迫りながら生きています。

自由とはそれほどに恐ろしく、重たいものであるのでしょう。鞭打たれる主が私たちに求めておられるのは、私たちが己の罪を知り、より低く身をかがめ、十字架の前にひれ伏すことであるのですから。

天の父が私たちに与えられた・・・その命の全てを与えられた尊い長子イエス・キリストの十字架の前に、御座の前に己を低くかがめる者を主は求めておられます。より低くされ、より砕かれ、こうべを地面に垂れてイエス様を愛する道こそが、罪にあらがう力を与えられる道となるのでしょう。愛は、罪と共に住めないのですから・・・。

私は、放蕩の限りを尽くしたことで、自分の弱さ、罪の力の恐ろしさを知ることができました。私は放蕩の日々の中でも、主の目をそれは恐れていました。いつか主の前に出ることを思うと、恐ろしく、本当に心休まる時などなかったのではないでしょうか。

しかし主は、「帰ってきたら懲らしめてやろう」なんて言うのんきな方ではありませんでした。どんなに姿を隠そうと、いとも簡単に見つけ出し、どこへでも出かけてきては懲らしめる怖い父でありました。遠くから、歌が聞こえてきます。「人生の罪の嵐に」が笛のように聞こえ、小菊の花びらの散りばめられた小菊時計が現れました。

♪すさまじき罪の嵐の もてあそぶまにまに
死を待つは 誰ぞ 直ちに逃げ込め港に
いと静けき港に着き われは今 安ろう
救い主イエスの手にある 身はいとも安し♪

*

小菊時計の針の回る渦の中には、クスリを摂取する量も増え、かんしゃくを起こしやすくなっていた私の過去が映し出されておりました。

主が、私の目をくらませたのでしょうか。あったはずのお気に入りのチークがどうしても見つからず、私は慌ててゴミ箱の中まで探しました。私は何でも人のせいにするようになっており、「私のチーク取ったでしょ!?」そう、一緒に暮らしていた ‘トモダチ’ に詰め寄っては泣かせるまで脅しました。

あんなに心から「ずっと一緒だ」と誓ったはずの ‘トモダチ’ であったはずなのに、私は彼女に敵意を抱かれているとか、嫉妬されていると思い込むようになっていたのです。

「あのチークをつけた私がかわいかったから、焼きもちを焼いて盗んだに違いない」。私と彼女は殴り合い、ひっかき合いのけんかをしました。そんなことは、一度や二度で済んだことではありませんでした。ついに彼女は泣きながら「お願いだから出ていって」と私に懇願してきたのです。私が相当怖かったのでしょう・・・彼女は私のお気に入りのクスリをたくさん持たせて、私の荷物をまとめ上げてくれたのです。

「私なしで生きていけるの?」強気にそう聞きました。「生きてゆけなかったら死ぬからいいの」。やつれたような笑みを浮かべて彼女はそう答えました。私はお気に入りのクスリもふんだんにもらったので、満足して出ていきました。彼女と一緒に暮らしてから1年近くがたっておりました。

私はパンパンに膨らんだリュックを乱暴に担いで、マンションの下から1年近くを過ごした部屋の窓を見上げていました。彼女が泣きながら引き留めに来ると思ったのです。しかし、いくら待っても彼女が下りてくることはありませんでした。

仕方がないのでそのまま歩き出しました。クスリを摂取したばかりだったからか、ビルの谷間からのぞく空の色があまりに美しくて、涙が出ました。「私がいる」「ずっと一緒だよ」「死ぬまで一緒」「親友」「親友」・・・彼女と交し合った言葉が空に浮かび上がります。気が付けば、人通りまばらな道とはいえ、しゃくりを上げて泣きながら、私は歩いておりました。

とりあえずバスに乗り、窓にもたれて都会の街並みを見つめていました。夕闇が濃くなってゆくにしたがって、少しずつ明かりがともってゆきます。彼女と暮らした町を離れて、大きな繁華街のある街で降りました。煌々(こうこう)といろいろな色のネオンがともり、くらくらとしながらネットカフェの看板を物色し、できるだけ新しくてきれいそうなお店に入りました。

1畳ほどの広さのカギ付きの個室に入ると、どさっと荷物を下ろし、ドリンクバーにドリンクを物色しにゆきました。イチゴミルクやバナナミルク、コーンフレークやアイスクリームもありました。私はトレーに乗せられるだけ、ドリンクやバナナミルクをかけたコーンフレークを乗せて自分のスペースに戻りました。

彼女がリュックに入れてくれた、私の一番好きだったクスリの袋を取り出して、多めに取ってかみ砕きました。口内に苦みが広がってゆき、私は次第にもうろうとしてゆくのです。しばらくたつと、天井の電球の光がいろいろな形や絵面を描き出し、一人「ふふふ」と笑いながらそれを眺めておりました。胸の奥のしこりのような痛みも、いつの間にか忘れられてゆくのです。

「悪を行っている者はみな光を憎む。そして、そのおこないが明るみに出されるのを恐れて、光にこようとはしない」(ヨハネ3:20)

私はこの街で知った、快楽のとりこでありました。悪魔が快楽という鎖で私をしっかりと縛り付け、決して闇から離れられないようにしているように、そして己に従順な奴隷になるように、育てられておりました。

もう放っておいてほしいのに、どこまでも私を追ってくるいまいましい神様から身を隠して、こんな小さな部屋まで来てしまいました。こんなうす暗い所までは、神様は決して来られないと高をくくっておりました。

「あの方は光の中にお住まいなのだから、こんな暗い所など、知りもしないことでしょう」と。・・・天高くにお住まいになって、神の子としての身分を持っていながらも、この薄暗く薄汚れた罪にまみれた地にまで降りてこられたイエス様のことなど忘れたかのように、そう高をくくっていたのです。

「あなたはどこにいるのか」
「あなたはどこにいるのか」

神様の声がはっきりと聞こえるようでありました。聖書の初めにもそんな箇所がありました。「主なる神は人に呼びかけて言われた、『あなたはどこにいるのか』」(創世記3:9)。全てお見通しでありながら、「あなたはどこにいるのか」とわざわざ聞かれ、私たちが何と答えるのかを知ろうとされる神の気配におびえていました。

アダムがそうであったように、私も ‘恐れて身を隠し’「私と一緒にいた女が、いい薬だと言ってくれたものを、かみ砕いているのです」。薄ら笑いを浮かべながら、私はそう答えていました。(つづく)

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◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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