Skip to main content
2025年5月17日12時19分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化
  3. 映画

元ネタは聖書の有名な例え話? スタローン主演のスーパーヒーロー映画「サマリタン」

2022年10月10日19時14分 執筆者 : 青木保憲
  • ツイート
印刷
元ネタは聖書の有名な例え話? スタローン主演のスーパーヒーロー映画「サマリタン」+
アマゾン・プライム・ビデオで独占配信中の映画「サマリタン」

「スーパーヒーロー映画花盛り」のハリウッド界に、真打ち登場とばかり殴り込みをかけてきたのが、シルベスター・スタローン。1970年代から80年代にかけて、「ロッキー」シリーズで主人公ロッキー・バルボアを演じて名をはせたスタローンは、ベトナム戦争の悲哀を情感豊かに演じた「ランボー」シリーズでも成功を収め、一躍アクションスターの仲間入りを果たした。

90年代は、シュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーと人気を二分。その後、長期の低迷期を迎えるが、2010年代に「エクスペンダブルズ」シリーズで一気に返り咲いた。まさにロッキー・バルボアさながらのハリウッド人生を体現した人気スターである。

そんな彼は、スーパーヒーロー映画には苦い思い出がある。1995年に主演した「ジャッジ・ドレッド」という作品が大コケ。当時の低迷期を象徴する作品となってしまったのである。

やがてマーベル映画の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の続編に、チョイ役で登場することはあったが、総じて、荒唐無稽なスーパーヒーロー映画とは縁のないキャリアを積み上げていった。

しかし2022年8月、そんな彼が久しぶりにスーパーヒーロー映画に主演。しかも、バルボア・プロダクション(ロッキー・バルボアにちなんだネーミング!)という映画製作会社を立ち上げるほどの熱の入れようだというのだから、これは無視できない。アマゾン・プライム・ビデオで独占配信ということもあり、早速視聴してみた。タイトルは「サマリタン」。

かつてスーパーパワーを持つ双子が世に誕生した。大人になった彼らは、同じような怪力を持ちながら別々の道を歩むようになっていく。一人は「サマリタン」と名乗り、市井の人々を自警団として守る正統なスーパーヒーローとなっていく。「サマリタン」とは「サマリア人」という意味。聖書の「善きサマリア人」がモチーフとなっている。

一方、もう一人は自分たちを異端視した人々への復讐(ふくしゅう)を誓い、「ネメシス」(ギリシャ神話の神々の一人、人間に幸・不幸を分配する神)と名乗り、悪事に手を染めていく。やがて両者は対峙(たいじ)することとなり、激しい戦いの火ぶたが切って落とされる。

一般市民を巻き込む一大合戦となったこの戦いで、サマリタンはネメシスを倒し、街に平和をもたらした。しかし戦いの痛手で、サマリタンもまた炎に包まれて命を落とした、と多くの人々は思ったのであった。

しかし、姿を消したスーパーヒーローたちの生存を願う者たちが少なからず存在した。彼らはまだサマリタンがどこかで生きていると信じていたのである。

それから25年後、13歳の少年サムは、謎めいた引きこもりのスミス老人(シルベスター・スタローン)と出くわす。絡まれた不良たちからスミスによって助け出されたサムは、この老人こそが正体を隠した伝説の人物(サマリタン)ではないかと疑うようになっていった。

ほどなくして街では犯罪が増加していく。サムはスミスを説得し、街を破滅から救ってくれるよう願うのだが――。

物語は、2人のスーパーヒーローの全盛期から25年後を描いている。それはまるで、「スター・ウォーズ」シリーズでいうなら、ジェダイ全盛期後に生まれたルーク・スカイウォーカーの時代に、ジェダイの復活を熱望するようなものである。人々の中に「サマリタン」というヒーローイメージが独り歩きし、抑圧からの解放を願う貧しき人々の希望として、彼の再来(または復活)が乞われているのである。

人々が希望を願うのは、現実の闇がより深くなっているからに他ならない。登場人物の多くがサマリタンの登場を期待し、そこに希望を抱く。

一方で、敵役となる犯罪組織のボスは、ネメシスへの憧れを隠さない。それどころか、ネメシスが武器として用いていた巨大ハンマーを警察の保管庫から盗み出し、仮面をかぶり、自らを「ネメシス化」させていく。サマリタンを願う声が高まるほど、ネメシスを求める声も高まっていくという流れだ。

彼らにとっての「善きサマリア人」とは誰か。そして「善き」とはどういう意味なのか。これが、サムという13歳の少年の目線で語られていく。

彼が目を付けたスミスは果たして、「サマリタン」なのか。それとも単に腕っぷしが強い「老人」でしかないのか。映画としては、「Who is he?(彼は何者か?)」という謎で、一気に観る者を引っ張っていく。そのけん引力はなかなかのものである。

しかし観終わった後、よく考えてみると、実はイエスが語った「善きサマリア人」の例え話と同じ展開であったことに気付かされる。それも狙って本作を作っていたのだとしたら、これは幅広い意味での「キリスト教映画」とカテゴライズしてもいいだろう。それくらい見事なオチが付いている。単なる「Who is he?(彼は何者か?)」にとどまらない深みがある。

考えてみると、「善きサマリア人」の例え話は、ルカによる福音書10章25節の次の問いかけから始まっている。

さて、ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試みようとして言った。「先生。何をしたら、永遠のいのちを受け継ぐことができるでしょうか。」(新改訳2017)

この律法の専門家は、自己義をひけらかしたいと思ったのか、イエスとの問答の果てにこう問いかける。

「では、私の隣人とはだれですか」(10章29節、同)

そしてイエス様が語るのが、「善きサマリア人」の例え話である。この話の肝は、「ユダヤ人から嫌われていたサマリア人が、敵対していたユダヤ人、しかも半死半生状態にあったその人を助け、介抱する」というところにある。

別の見方をするなら、本来このユダヤ人を助けるべき同胞のユダヤ人たち(祭司、レビ人)は見捨てた、という展開をアイロニカルに描いている話である。本来助けることを期待されていた者が助けないで、むしろ敵対関係にあったサマリア人がこのユダヤ人を助けたことで、「善きサマリア人」となったのである。

ネタバレもネタバレになってしまうが、実は本作は、見事にこのイエスの例え話を地で行く展開となっている。つまり、聖書の例え話がネタ元だといってよいような珍しい「スーパーヒーロー映画」が、「サマリタン」である。

「善きサマリア人」がラストに登場する。それが誰であるのか。そして、どうしてその人物が「善きサマリア人」となるのか。

このところはぜひ、皆さんの目で実際に映画を鑑賞して確かめてもらいたい。そしてこの最大のポイントが明らかになることで、おのずと「Who is he?(彼は何者か?)」に対する答えが見つかるような仕掛けとなっている。

アマゾン・プライムに加入している人は、無料で視聴できる。ぜひご覧いただきたい。観終わって、物語をもう一度思い起こし、「善きサマリア人」の例え話と比較するとき、思わず膝を打って「お見事!」という声を上げることになるだろう。

■ 映画「サマリタン」予告編(英語)

■ 映画「サマリタン」のページ(アマゾン・プライム・ビデオ)

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

  • ツイート

関連記事

  • 常に深化し続ける「ロッキー」の真骨頂がここに! 「ロッキーVSドラゴ」

  • 「神は死んだのか」シリーズ第5弾の製作発表、政治に働く神を描く

  • 「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」 「支配者」という意識の大切さとはかなさ

  • 命は誰のもの? 人生の始まりと終わりを「操作」する問題に警鐘を鳴らす2作品 「ベイビー・ブローカー」「PLAN75」

  • 神から与えられた「才能」で一世を風靡した20世紀の偶像<アイドル> 映画「エルヴィス」

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • 世界では神を信じている人の方が多い 85カ国・地域9万1千人を対象に大規模意識調査

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(222)心を癒やす祈りと賛美 広田信也

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

  • ワールドミッションレポート(5月17日):パキスタン 南部パンジャブ州のサライキ語話者のために祈ろう

  • 聖書普及事業150年記念式典・レセプションの申し込み受け付け始まる

  • 不公平な愛 菅野直基

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(19)パタラからの悲報

  • ドイツの大聖堂で「世界最大の聖書のページ」展示 グーテンベルク生誕625年記念で

  • 新教皇を選ぶコンクラーベ、いつ、何回目の投票で決まる? 181日間に及んだケースも

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 次期ローマ教皇の有力候補4人

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

  • 聖墳墓教会の床下発掘調査で貴重な発見、ヨハネ福音書の記述を裏付ける証拠に

  • 「司牧と行政の両方に深い知識と経験」 日本司教協議会会長、新教皇誕生でメッセージ

  • 新ローマ教皇にプレボスト枢機卿、教皇名は「レオ14世」 初の米国出身者

  • 四半世紀ぶりに欧州で大規模伝道会議、今月末にベルリンで 牧師ら約千人が参加

  • 世界では神を信じている人の方が多い 85カ国・地域9万1千人を対象に大規模意識調査

  • 新教皇を選ぶコンクラーベ、いつ、何回目の投票で決まる? 181日間に及んだケースも

  • 次期ローマ教皇の有力候補4人

  • 新ローマ教皇にプレボスト枢機卿、教皇名は「レオ14世」 初の米国出身者

  • ローマ教皇フランシスコの死去に対する日本国内の他教派の反応

  • 聖墳墓教会の床下発掘調査で貴重な発見、ヨハネ福音書の記述を裏付ける証拠に

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • フランスのカトリック教会、復活祭に成人1万人以上が受洗 昨年比45%増

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

編集部のおすすめ

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 後藤健二さん没後10年、追悼イベントで長女が映像メッセージ 「誇りに思っている」

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.