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日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(140)タテ社会の人間関係を学ぶ(1) 広田信也

2022年2月12日07時19分 コラムニスト : 広田信也
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関連タグ:広田信也
日本人に寄り添う福音宣教の扉(140)タテ社会の人間関係を学ぶ(1) 広田信也+
中根千枝著『タテ社会の人間関係』(1967年、講談社)

長年読み継がれ、約120万部のロングセラーとなった名著『タテ社会の人間関係』を残した中根千枝(社会人類学者、東大名誉教授)が、昨年秋に亡くなりました。

私は、今から10年ほど前、ある方に勧められてこの本に出合い、読み進む中で大変共感し、その後、手離すことなく読み続けてきました。特に、日本宣教を進める上で、大切な指針を与えてくれる一冊になっています。今回、自らの体験も踏まえ、この書籍を通して得た知見をもとに、今後の地域教会の在り方を考えてみたいと思います。

「タテ社会」と「ヨコ社会」

社会集団は「資格」と「場」という異なる2つの要因によって構成されます。「資格」とは、氏、素性、学歴、地位、職業、性別、年代、資産、趣味嗜好(しこう)など、多岐にわたる属性を示し、「場」とは、「資格」によらず一定の地域や所属機関など、集団を構成する一定の枠を示します。

日本の中には両方の社会集団がありますが、単一民族で構成される故に「場」を優先する集団を作りやすいといわれています。例えば、エンジニア、運転手、カメラマン、プロデューサーなどの職業より、〇〇会社の者ということが第一になる傾向はそのことを示しています。

この「場」を優先する集団の中では、個人の持つ「資格」にかかわらず、お互いを気遣う密な人間関係による一体感が作られていきます。強い絆を持つ日本特有の「家」や「職場」などが典型的な例になります。

また、日本企業の生み出す製品やサービスの品質の高さ、また地域教会が教会員制をとり、手厚くお互いを支え合う気質を生み出すのは、日本特有の「タテ社会」の特徴が有効に働いているように思います。

一方、欧米文化の影響もあり、最近では「ヨコ社会」の特徴を持つ集団が増えています。共通の「資格」(考え方、趣味嗜好、適性)などによって集まる共同体は、軽い絆でつながるしがらみのない人間関係を育て、「タテ社会」のストレスを緩和するホッとする空間を作り出しています。

トヨタ自動車と地域教会

かつて私の所属したトヨタ自動車は、グループ会社を含めると36・6万人もの巨大な企業共同体です。一方、日本の地域教会は通常20~30人、多くても数百人の規模しかない小さな共同体です。

このように規模や活動内容のまったく異なる共同体ですが、実は人と人との関係や付き合い方においては、まったく同じ「タテ社会」の構造が内部に存在し、重要な役割を果たしています。

世界一の企業で働くトヨタ社員

今から40年以上前、私がトヨタ自動車に入社した直後、新入社員は工場実習を3カ月ほど経験しました。厳しい肉体労働とは無縁の学生生活を送っていたこともあり、工場のラインに組み込まれる厳しさは大変凄まじいものでした。

実習は短期間でしたから何とか最後まで耐え忍びましたが、最も驚いたことは、そこでずっと働き続ける社員たちの誇り高さでした。彼らは、どんなに単純な作業の繰り返しであっても、世界一優れた企業で働く喜びを感じていました。また、同じ職場で働く仲間を大切にし、実習生である私には、実に丁寧な指導をしてくれました。

その後、私は技術部門に配属され、多くの部署で働くトヨタ社員に出会いましたが、責任を負って熱心に働く優秀な社員ほど、トヨタ自動車の一員であることの揺るぎない誇りを持っていたように思います。

このような社員たちは、トヨタ自動車の閉鎖的な「タテ社会」に組み込まれているため、それぞれがストレスを抱えていたようですが、トヨタの社員であることを喜び、熱心に「タテ社会」の場に留まっているように感じました。

私は当初、この「タテ社会」が企業業績を向上させるために意図的に作られたように錯覚し、受け入れることができませんでした。しかし、多くの日本人が体験するように、次第に「タテ社会」の中に組み込まれ、やがて同じ誇りや喜びを共有できるようになったと思います。

そして今では、弱さの忍び寄る現代社会において、日本人特有の「タテ社会」の良さを生かし、さまざまな分野で誇り高い人材が集まり、力強い日本社会を再建してほしいと願っています。

閉鎖的で拡大できない地域教会

一方、世界で最も聖書信仰が普及しないといわれる日本ですが、地域教会に集う人の数も増加しない状況が長年続いています。その原因を多くの人が分析し、新しい試みも行われていますが、大きな成果に至っていません。

牧師の指導力や教会活動の内容に課題があるかもしれませんが、そもそも日本人が一定の枠の中に集まると、時間の経過とともに、そこに親密な人間関係が生まれ、閉鎖的な「タテ社会」を構成するのは極めて自然なことのように思います。

地域教会という同じ場を共有する教会員は、互いを支え合う良い関係が構築されるにつれ、教会内での仕事が増え、教会のソトに関わる余裕がなくなり、新しい仲間が増えない傾向に陥ってしまいます。宣教が進まないのは当然のことでしょう。

それでは、同じ「タテ社会」の構造を持つトヨタ自動車は、なぜ誇り高い社員が集う巨大企業として成長できるのか。また、地域教会の中には、まれに数百人の教会員を抱え、成長している例もあり、一体何が違うのか。それぞれの共同体内部の仕組みを、「タテ社会」を有効に機能させる観点から分析していきたいと思います。(次回に続く)

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◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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