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これは現代の詩編だ! 平林けい子著『主は生きておられる』

2021年7月28日13時11分 執筆者 : 青木保憲
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関連タグ:平林けい子イーグレープ
これは現代の詩編だ! 平林けい子著『主は生きておられる』+
小林けい子著『主は生きておられる』(イーグレープ、2021年6月)

ご高齢の婦人が赤いハイカラな洋服を身にまとい、かわいらしい猫を抱いている。そんな表紙が目印の本書『主は生きておられる』は、平林けい子さん(京都府・長岡福音自由教会員)の赤裸々な証し集である。240ページ余りのコンパクトな著書だが、その前半70ページほどの第1部でご自身の信仰の足跡を、ポイントとなる聖書の言葉と共にしっかりと語られている。

戦時中のリアルな様子から始まり、ドラマのようなご主人との出会い、そして結婚。さらに英語との出会い、そしてキリスト信仰へ導かれていった様子が、まるで連続ドラマの「いいとこ取り」のような筆致で語られていく。

一つのクライマックスは40代の時、ご主人が保証人として友人の借金を負うことになったところである。総額2千万円というから驚きである。突然のニュースにぼうぜんとするなか、サラ金業者が次々と平林さんのところへ乗り込んでくる。ご主人は体調を崩し緊急避難。そのため、奥様である平林さんのみで対決しなければならない。そんな時、文字通り「救世主」となってくれたのが教会の人だった。その後、平林さんも聖書に基づく「強さ」を手にしていくこととなる。このあたりは、ぜひ本人から直接詳しくお伺いしたい部分である。

借金を背負った半生というと、とても暗い人生を想像してしまうが、その後の50代から80代にかけてはまったく異なる。イタリアへ旅行に行ったりイスラエルへ赴いたり、そして教会の多くの場面で用いられていく平林さんの生きざまは、本当に「古いものは過ぎ去った、見よ、すべてが新しくなった」と聖書にある通りの生き方である。そう思わされた。

だが、ここまでならおそらく「教会でよく手にする証しの書」である。本書の醍醐味(だいごみ)は、その後に掲載されている第2部「神のあしあと」にある。図らずも章立ては「第1楽章」「第2楽章」というように音楽的メタファーが用いられているが、この200ページ弱にわたって掲載されているのは、平林さんが日々の歩みの中で神様から与えられた「恵み」を書き残しておいた「言葉集」である。

神様が私の家庭に与えてくださった恵みを、『神のあしおと』と題をつけてA4のノートに書き留めてきました。大切な主の恵みを、指の間から落としてはならないと思ったからです。(中略)ノートは今、72冊目になりました。(7ページ)

つまり本書は平林さんの人生の大半に起こった出来事を踏まえて、彼女が神様から聞き取った言葉(与えられた恵み、と本人は語る)を再編集したものだったのである。

神学的にいえば、こういうプロセスを経て旧約聖書にある「詩編」は誕生している。作者(とされる)イスラエルの王ダビデがさまざまな毀誉褒貶を体験し、その中で神に対して歌ったり、神から与えられたりした思いを文字化することにより、あの一大歌集は出来上がっている。平林さんは「現代のダビデ」として同じ轍(わだち)を踏み、自らの詩編「神のあしおと」を上梓したということになる。

ここで私のお気に入りを紹介しよう。まずは第1編(?)の「イエス様とのお話し」

イエス様とのお話し

五十歳よりも六十歳
六十歳よりも七十歳
七十歳よりも八十歳

イエス様と
お話しする時間が増えました

まだまだ増えます
イエス様
ちょっと大きめの声でお願いします

ラストのオチが最高である。自らの「老い」も聖なる笑いに変えてしまう平林さんの「熟練した信仰」の自由闊達(かったつ)ぶりは、信仰の後輩たちにとって大きな目標であり励ましともなる。

もう一つのお気に入りは、平林さんが80代でゴスペルを始められた証しに基づくもの。

ゴスペル

楽しいゴスペルを
教えてもらう度に
最高齢の私には
歌詞の一節一節が
心にしみ込んで
体全体に広がっていく

イエス様への語りかけ
イエス様への賛美
イエス様への信頼

何とシンプル
何とストレート
なんと力強い

繰り返し繰り返し
歌っているうちに
私の心は
感謝と喜びで
何度も飛び上がる
心の中は
もう、喜びで
はちきれそうになる

ゴスペルの練習は
愛するイエス様と
一つになる時

ここで、読者の皆さんに一つ大胆な提案をしてみたい。それは、本書に収録されている詩にメロディーを付けてみてはどうかということだ。よく聖書の詩編をそのまま賛美(ワーシップ)として歌うことがあるが、平林さんの許可が得られるなら、そのようにして歌い継いでいくというのはどうだろうか。

また、ぜひ聖書通読のように、一日一編ずつ、詩をじっくりと読み、自らの信仰と響かせてみてはどうだろうか。きっと今度は「私たちの詩編」が口からほとばしることになるだろう。聖書の言葉をそのまま歌うというのもいい。しかし、このように聖書の言葉に立脚しながらも、自らの言い回し、言葉で主を賛美するのは、また一味違った喜びを互いにシェアすることになる。そして未信者の人たちと共に歌詞の内容について語り合えるなら、きっと良き福音宣教の切り口となるだろう。

ぜび多くの人に手に取っていただきたい一冊である。

■ 小林けい子著『主は生きておられる』(イーグレープ、2021年6月)

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

関連タグ:平林けい子イーグレープ
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