Skip to main content
2025年7月6日06時46分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム

信仰と不信仰の距離 安食弘幸

2021年3月3日18時13分 コラムニスト : 安食弘幸
  • ツイート
印刷
関連タグ:安食弘幸
信仰と不信仰の距離 安食弘幸+

「まことに私たちの神、主は私たちが叫び求めるとき、いつも近くにおられる」(申命記4:7)

ある人がスーパーマーケットに車で買い物に行きました。すると、折からの雨。しかも駐車場はどこもいっぱい。遠くの方に行けば止められますが、傘もなく濡れてしまう。近くの車が出て行くのを待っているのですが、動く様子はありません。

そこでこの人はお祈りを始めました。「神様、どうか近くに早く空きができますように。もし、この祈りを聞いてくださったのなら、しばらく行っていませんでしたが今度の日曜日に教会の礼拝に出席します。それから毎日聖書を読んでお祈りもします。それから・・・」と祈っていると、目の前の車がスーっと出て行きました。

すると彼はあわてて言いました。「神様、今のお祈りは全部忘れてください。今、自力で駐車場スペースを見つけましたので」

「苦しい時の神頼み」は決して悪いことではありません。人が自分の能力や努力の限界を超える問題に直面したとき、人間以上の力ある存在に心を向け助けを求めるのは極自然な行為です。そんな祈りや求めに応じて神は助けを下さいます。

しかし、大切なのはその後の私たちの態度です。問題の解決を神からの助けと感謝して信仰の世界にとどまるのか、それを単なる偶然、たまたま運が良かっただけと解釈して再び元の不信仰の世界に戻るかによって、その後の私たちの人生は大きく変わってくるのです。実は「信仰」と「不信仰」は紙一重なのです。ですから、自分の内側に小さな信仰の火種が熾(おこ)ったら、それを大切に育てていくことが大切です。

アガサ・クリスティ著『春にして君を離れ(Absent in the Spring)』にひとりの主人公が登場します。彼女がバグダッドに娘を訪ねたとき、その帰りに思いがけず昔のクラスメイトに出会います。そのクラスメイトはいかにもみすぼらしい格好をし、ひどく老いた顔をしています。

「年齢以上に老けたなー」と思いながら自分はチラっと鏡を見ます。しわひとつない、白髪もない、旅行着を着ている。満足感にひたりながら、友人に対する憐(あわ)れみと侮蔑の心が混じる中、会話を進めます。その中で友人から気になる言葉をチラっと言われます。「あなたもお祈りしたらね。『私の罪をお赦(ゆる)しください』と、ひとこと言えたらね」

その後、英国に帰ろうとすると汽車が砂漠の真ん中に止まって何日も過ごします。明らかに砂漠という場所を設定したのは、この女主人公の心が砂漠のように不毛の状態であったことをクリスティは言いたかったのでしょう。女主人公は砂漠の中で何もすることがないままに、自分の今までの人生を振り返ります。自分は良き妻、良き母親だと思っていた。しかし、自分の生活のひとコマ、ひとコマを吟味していくうちに、自分がいかに愛のない人間であったかに気付きます。

どんなに自己満足を追求し、自己中心であったかを知らされます。夫の心は自分から離れ、他の女性に移ってしまっていること、子どもたちも自分の存在を疎ましく思っていることに気付くのです。そしてついに砂漠の中で、自分は失われた人間だと気付き、キリストに「私の罪を赦してください」と祈ります。そして、ようやく動き出した汽車に乗って帰る途中、彼女は決心します。「帰ったら夫に謝ろう。私が悪かったと言おう」

しかし帰宅した彼女は謝らなかったのです。謝らなかったどころか、あの砂漠で経験した反省の心、悔い改めの心、キリストへの祈りなどすべては一時的な気の迷いにすぎなかったと否定し、再び以前の自己満足と自己中心の生活に戻っていきます。そして、以前にも増して深い孤独を抱えながら彼女は生きていくのです。

彼女は砂漠の真ん中で信仰の糸口を見つけたのに、それをあっさりと手放してしまったのです。私たちも人生の困難の中で信仰の芽生えを経験します。その時しっかりと信仰に踏みとどまって、一歩前へ進んでいきたいものです。

信仰と不信仰は隣り合わせの世界なのです。

◇

安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

■ 峰町キリスト教会ホームページ
■ 峰町キリスト教会 YouTube
■ 峰町キリスト教会 Facebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:安食弘幸
  • ツイート

関連記事

  • 神の御霊に導かれる人生 安食弘幸

  • 美しい笑顔は財産である 安食弘幸

  • 記憶のアルバムを整理しよう 安食弘幸

  • 人生は出会いで決まる 安食弘幸

  • 永遠の今を喜んで生きる 安食弘幸

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 苦しみというプレゼント 菅野直基

  • 聖書のイエス(12)「初めに、ことばがあった」 さとうまさこ

  • ワールドミッションレポート(7月6日):タイ 麗しきかな、良き知らせを告げる者の足は

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • Gゼロ時代の津波石碑(3)日中韓、泥沼化する「桜の起源」論争 山崎純二

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • 同志社女子大学とノートルダム女学院高校、教育連携協定を締結

  • 苦しみというプレゼント 菅野直基

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.