「合唱のように子育てはみんなで!」 東京の教会で子ども虐待防止のゴスペルコンサート

2019年10月28日22時35分 印刷
関連タグ:児童虐待
+「合唱のように子育てはみんなで!」 東京の教会で子ども虐待防止のゴスペルコンサート
オレンジゴスペルツアーの各公演に出演する「Don't Give Up クワイア」の東京を中心としたメンバーたち=23日、日本基督教団赤坂教会(東京都港区)で

子どもの虐待防止のために毎年行われている「オレンジゴスペルツアー」の東京公演が23日、東京都港区の日本基督教団赤坂教会で開催された。ニューヨークから来日したゴスペル歌手で牧師でもあるボビー・ソボローさんのほか、日本で活躍する多数の実力派アーティストが出演。オレンジゴスペルの発起人であるゴスペル音楽プロデューサーの打木希瑶子さんとゲストが、虐待問題や子育てなどについて語り合う「オレンジトーク」では、参院議員の寺田静さんが出演した。

オレンジゴスペルは、自身もドメスティックバイオレンス(DV)という虐待被害を受けた打木さんが2011年、子ども虐待防止の「オレンジリボン運動」を啓発するための企画として始めた。現在、ニューヨークを拠点に活動している打木さんは04年、結婚のため11歳の息子と渡米した。しかし、相手の米国人ゴスペル歌手は結婚後、DV加害者に豹変。打木さんはうつ病となり、一時はホームレス生活を送るまでになった。しかし、カウンセリングを受ける中、DV加害者は元被害者であることが多いことを知った。そうして始めたのが、このオレンジゴスペルだった。

この日のトップバッターは、稲森アートプロジェクトグループ。人種や民族、宗教の違いを超えて、互いに協力し合える平和な世界を目指して、演劇や音楽、ダンスなど、さまざまな芸術活動を行っているグループで、年に一度ニューヨークで公演を行っている。そのニューヨーク公演を打木さんが訪れたことがきっかけで、今回の出演につながった。この日は、グループのオリジナル曲「Love & Peace」を歌い、愛と平和のメッセージを歌声に乗せて伝えた。

「合唱のように子育てはみんなで!」 東京の教会で子ども虐待防止のゴスペルコンサート
この日のトップバッターは、初出演の稲森アートプロジェクトグループ

ゴスペルシンガーの塩谷美和さんは、旧約聖書のエゼキエル書16章6節、63節を歌詞にした「生きよ~Live」を歌った。愛を感じづらい家庭環境で育ち、元夫からはひどいDVを受けたという塩谷さん。「虐待は、犠牲者がまた加害者になっていく。そしてそれが繰り返されていく。それを止めるのは愛しかない。生きよ、これが神様からのメッセージ」。塩谷さんはそう語り、この春に喉の手術を受けたことも感じさせない歌声で熱唱した。

「和製スティービー・ワンダー」の異名を持つ全盲のピアニスト、木下航志さんは、ピアノの弾き語りでオリジナル曲「Pray」を、虐待被害者の子どもたち、また台風19号の被災者にささげた。オレンジゴスペルの東京公演には毎回出演しているゴスペルコーラスグループ「Pencil Bunch(ペンシルバンチ)」は、ボーカルの松谷麗王(れお)さん自身が神の愛を知るきっかけになったという「Jesus, You're The Reason」を、ハーモニーのそろった4人の力強い歌声で届けた。

「合唱のように子育てはみんなで!」 東京の教会で子ども虐待防止のゴスペルコンサート
オレンジトークで語り合う打木さん(左)と寺田さん

オレンジトークでステージに上った寺田さんは現在、来年4月に小学校に入学する長男がいる。夫も国会議員であり、さらに2人の選挙区で地元でもある秋田県は、国会のある東京とは距離がある。議員活動と子育ての両立はさまざまな面で困難があるが、その中でも周囲の助けを借りながら、また悩みながら子育てをしていることを打ち明けた。

一方、最近は家事や子育てに対する男性の意識がかなり変わってきたと感じるという。しかし、会社勤めの男性の多くは、制度があっても実際に育児休暇を取得するのは難しく、女性の目から見ても「男性だけを責められない現状がある」と語った。

打木さんも、そうした状況にうなずきつつ、「社会全体で子育てに取り組まなければ」と語った。「共働きで大変な中、仕事に家事に子育ても・・・。そんな中で子育てを無理してやって、つい手を上げてしまう・・・ということになってしまう」。子育てで孤立した親が子どもを虐待してしまう危険性や日本の少子高齢化にも触れつつ、「みんなで子育てをしよう!と、日本全体が盛り上がらないと、日本は本当に大変なことになってしまう。みなさん、頑張りましょう」と呼び掛けた。

「合唱のように子育てはみんなで!」 東京の教会で子ども虐待防止のゴスペルコンサート
ニューヨークから来日したソボローさん(中央)と、Pencil Bunch の4人

トークの後には、ツアーの各公演で出演している「Don't Give Up クワイア」の東京を中心としたメンバーが「Count it all Joy」を熱唱。そして、このツアーのために来日したソボローさんが、この日出演した各アーティストとコラボして、「You Alone」「Amazing Grace」「It's in Jesus」の3曲を歌った。

オレンジゴスペルが掲げるテーマは「合唱のように子育てはみんなで!」。最後には、出演者全員がステージに立ち、オレンジゴスペルの応援歌となっている「Don't Give Up」を文字通り大合唱。参加者も総立ちとなり、虐待のない社会、社会全体で子育てを支える日本となることを願いながら、会場を振るわすほどの大音量で歌い上げた。

「合唱のように子育てはみんなで!」 東京の教会で子ども虐待防止のゴスペルコンサート
フィナーレは、出演者全員に加え、この日コンサートに一般参加していたゴスペル歌手たちもステージに立った。

オレンジゴスペルツアーは東京公演の後、すでに25日には神戸で、26、27日には福岡県内の2カ所で公演を開催した。30日以降も、11月4日まで残り4カ所で公演を予定している。今後の公演の日程は下記の通り。チケット代ほか、詳細は公式サイトを。

■ 10月30日(水)福岡県
時間:午後6時半開場、同7時開演
場所:大名クロスガーデン(福岡市中央区大名1ー12ー17)
問い合わせ:orangegospel2019@gmail.com

■ 11月2日(土)静岡県
時間:午後2時半開場、同3時開演
場所:修繕寺総合会館(静岡県伊豆市修繕寺838ー1)
問い合わせ:orangetimes1700@gmail.com

■ 11月3日(日)大阪府
時間:午後4時半開場、同5時開演
場所:高槻市生涯学習センター・多目的ホール(大阪府高槻市桃園町2ー1 高槻市役所内)
問い合わせ:og2019osaka@gmail.com

■ 11月4日(月)愛知県
時間:午後5時半開場、同6時開演
場所:緑文化小劇場(名古屋市緑区乗鞍2ー223ー1)
問い合わせ:misaki@axel.ocn.ne.jp

関連タグ:児童虐待

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。

文化の最新記事 文化の記事一覧ページ

カニエ・ウエストの最新アルバム「ジーザス・イズ・キング」、ビルボード初登場1位 9作連続で歴代最多タイに

ルカ福音書の例話がモチーフ、映画「種をまく人」 障がい者のいる家族の葛藤の先に見える希望

教皇来日のテーマソング公開 嵐、KAT-TUNの楽曲手掛けた井上純さんが作詞・作曲

全盲の福音歌手・ピアニスト、北田康広さんが新アルバム「聖夜 歌とピアノで綴るクリスマス」

震災を「一家族の崩壊と再生」というメタファーで描いた傑作「ひとよ(一夜)」

宗教的な、恐ろしく宗教的な人間賛歌「蜜蜂と遠雷」

「合唱のように子育てはみんなで!」 東京の教会で子ども虐待防止のゴスペルコンサート

映画「一粒の麦」山田火砂子監督インタビュー、日本初の女医・荻野吟子の生涯描く作品に込めた思い

「和解の大切さ」教えてくれた 朗読劇で「韓国孤児の母」描く俳優の水澤心吾さん

反キリスト的だが、キリスト者として避けられない問題を突き付ける劇薬映画「ジョーカー」

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース