キリスト教徒を「狂信者」「スパイ」とする北朝鮮のプロパガンダ動画、迫害支援団体が入手

2019年9月20日22時01分 印刷
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北朝鮮のプロパガンダ動画で紹介されているチャ・ドクスンという名の女性(画像:動画より)

迫害下のキリスト教徒を支援する国際団体「殉教者の声」(VOM)がこのほど、北朝鮮のプロパガンダ動画を入手し、同国ではキリスト教徒が、韓国政府のために活動する「宗教的狂信者」や「スパイ」とみなされていることが明らかになった。動画は北朝鮮の治安機関の訓練のために制作されたもので、同国内で宗教を広める人物を特定し、根絶するためのものとVOMはみている。

動画では、チャ・ドクスンという一人の女性のストーリーが取り扱われている。それによると、チャさんは数百万人の死者が出たとされる1990年代の大飢饉で飢えに苦しみ、中国にいるおじを頼って脱北した。チャさんは中国にたどり着くも、おじがすでに亡くなっていることを知る。しかしチャさんは、ソタップ教会との出会いが与えられ、初めて福音を聞き、キリストに命をささげることを決める。

動画は、チャさんが「よく考えもせず」「迷信にすぎない」宗教を信じ、「愚かにも『神の国』を打ち立てようとする」と説明。さらに「ソタップ教会は、韓国の傀儡(かいらい)政府が派遣した諜報部員らが牧師に変装して運営している」と言う。そして「ソタップ教会は不法入国のホームレスたちを受け入れ、反共和国(反北朝鮮)の宗教教育を施し、スパイにするために効果的な訓練をしている」と続ける。

動画によると、チャさんは「スパイの任務」を帯びて北朝鮮に戻り、地下の教会ネットワークを構築するために「敵」によって送り込まれる。「迷信を信じ北朝鮮に対して不忠実になったチャは、慈悲深い神に関する説教を盲目的に信じ、宗教的狂信者となった」「彼女は敵に完全にだまされたのだ」と、動画はチャさんを断罪する。

チャさんは北朝鮮で伝道者として働き、日曜日ごとに隠れて信仰を守っているキリスト教徒たちを集め、礼拝と祈りの時を持っていたとし、動画ではその様子を捉えた写真も紹介している。

キリスト教徒を「狂信者」「スパイ」とする北朝鮮のプロパガンダ動画、迫害支援団体が入手
北朝鮮のキリスト教徒たちが野外でひそかに礼拝を守っている様子(画像:同上)

しかしその動画によると、「善良で目が開かれた北朝鮮国民」によって裏切られたチャさんは、ついに当局に捕らえられてしまう――。

VOMは、チャさんが強制労働収容所で死亡したか、銃殺刑にされた可能性があるとみている。チャさんは「多くの北朝鮮のキリスト教徒と同様に、人知れず主に仕えていました。北朝鮮政府が、キリスト教を根絶しようとしているにもかかわらずです」とVOMは続けた。

迫害監視団体「米国オープン・ドアーズ」は、キリスト教徒に対する迫害のひどい国をまとめた「ワールド・ウォッチ・リスト」で、北朝鮮を18年連続で、世界で最も迫害がひどい国として位置付けている(関連記事:迫害がひどい50カ国発表 北朝鮮18年連続1位、インドが初のワースト10入り)。

■ VOMが入手した北朝鮮のプロパガンダ動画(朝鮮語、英語字幕あり)

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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