なにゆえキリストの道なのか(184)人間は自然に返れば万事うまくゆく? 正木弥

2019年3月2日11時37分 コラムニスト : 正木弥 印刷
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自然は美しい。人間は自然に返れば万事うまくゆくのではないか。

お説の通り、自然は本当に美しい。しかしその反面、醜い点・残酷な面もあります。例えば、弱肉強食の世界であること、食い合い、殺し合いの世界であることです。

ライオンは必ず毎日のように1頭のシマウマかカモシカかそのような動物を殺して食べなければならない。そうしないと自らが生きられない。肉食動物と食べられる動物はいつも追いつ追われつの毎日です。草原で、密林で、砂漠で、空中で、湖沼で、海中で、地中で、とにかくすべての動物圏は、食い合い・殺し合いがなされています。

試みに、落ち葉1枚をはぐってみれば、虫同士もまたそうしています。大が小を呑(の)もうと追いかけ、小は必死で逃げ、隠れようとします。そして、食べられる時のその痛み・苦しみ・つらさを想いましょう。その時の叫び、うめきが聞こえるなら、全地球はうめき・叫びが耳を聾(ろう)するでしょう。

昔から、これを自然の営みとして当然視してきました。近代の学者はこれを食物連鎖と呼びます。しかし、どんなにうまい呼び方をしようが、事実は残虐で見ることすらつらいことです。

それは実は、初めからのことではありません。それは、人間がエデンの園で、取って食べてはならないという神の命令を守らず、背いて木の実を食べて以来のこと。その時、「地はあなたのゆえに呪われてしまった」(創3:17)と宣告され、食い合い、殺し合いの世界となりました。今もそれが続いています。

被造物全体が今に至るまで、ともにうめきともに産みの苦しみをしていることを知っています。(ローマ8:22)

それを、平和で食い合い・殺し合いのない世界に人間の努力で戻すなんて、到底できることではありません。動物園の中ですら、人間が他で殺した肉を与えないと飼えないのです。牛・羊・豚・鶏などの肉食は(屠殺が前提の)大昔からの食習慣として定着していますが、これも人間はやめることができません。

神はノアの洪水以後、「生きて動いているものはみな、あなたがたの食物である」(創9:3)と容認しておられます。まして、冒頭に述べた動物同士の食い合い・殺し合いも神が容認されたシステムであり、人間にはどうしようもありません。

しかし、キリストが再臨されて実現する新天新地においては、神の力で「被造物(自然界)自体も、滅びの束縛から解放される」(ローマ8:21)とされています。

狼は子羊とともに宿り、ひょうは子やぎとともに伏し、
・・・雌牛と熊とは共に草をはみ、
・・・獅子も牛のようにわらを食う。
・・・わたしの聖なる山のどこにおいても、
これらは害を加えず、そこなわない。(イザヤ11:6~9)

この時こそ、生き物万事がうまくゆく平和な世界になるのです。ひとりでにそうなるのではなく、人間の知恵と努力によるのでもなく、まさに神がすることなのです。

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正木弥

正木弥(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版
ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書
ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ
創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から
なにゆえキリストの道なのか

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ

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