Skip to main content
2025年11月6日23時11分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
世界自転車旅行記

世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄

2015年10月5日16時53分 コラムニスト : 木下滋雄
  • ツイート
印刷
関連タグ:木下滋雄

アルメニアはAD301年に世界で最初に、ジョージアは337年に2番目にキリスト教を国教とした国々である。

前回はアゼルバイジャンからジョージアへの話であったが、そのジョージアの首都トビリシを出発し、アルメニアへと向かった。この年僕が行った時期は天候不順で雨ばかりだと言われたが、この日も午前中は雨だった。アルメニアはアゼルバイジャンと現在は停戦中となっている話も書いたが、そのアルメニアには昼過ぎに入った。天気もよくなりスムーズにビザが買えて入国もでき、ほっとしていたのもつかの間、入国してしばらく走ったところで花の写真を撮っていると、車が止まってカメラをよこせと言う。昼間からこんなところで強盗か!?という思いが頭をよぎったが、その車が呼んだらしく軍人たちが来た。国境で写真を撮ってはいけないのはよく分かっているが、入国してからすでに10キロも走っている。花の写真を撮っていただけだと言ったが、とにかく軍に捕まってしまった。

連れて行かれた国境の軍の施設は遠くなく、その辺りで写真を撮っていたので怪しい人間だと思われたのだと分かった。英語の話せる人が一人来たので、カメラの画面を見せて説明する。この頃はすでにデジカメであったので何を撮ったか全部画面で見せることができたので、変なものを撮っていないというのは分かったはずだが、アルメニアで撮った写真をすべて削除させられた。ちょうどパスポートを切り替えたところであったので、真新しい中に戦争相手の敵国アゼルバイジャンのビザだけがあるということでいろいろと尋問され、軍の上層部の許可が出るまで2時間ほど拘束された。しかしフィルムカメラの時代だったら全部没収されていたかもしれないから、それでも良かったと思った。

この日はハフパッドという世界遺産の教会群のあるところまで行くつもりで、余裕があると思っていたが、思わぬ事で時間が取られてしまった。この国には歴史的な教会がたくさんあるが、首都エレバンまでのルート上にある教会群の3つを訪ねる予定で、そのうちのハフパッドとサナヒンは谷底にある幹線道路から、台地に350メートルほど上った近い町にある。谷底からの道を上り終わって町に着いた頃には、日が暮れていた。町には宿があるはずで尋ねたが、ジョージアでもそうだったように、ここでも宿は閉鎖されていた。だが、ガイドブックによると、民宿のように普通の家で泊めてくれるとあった。尋ねた家で、10ドルで泊めてもらうことにした。この国の物価にしてはちょっと高いかなと思ったが、晩餐に招待されてそれは違ったと思う豪華な食事だった。ウオッカのきついのにはまいったが、この家の人たちととても楽しい時間を過ごすことができた。夜は隣のサナヒンの街の灯が見えていた。

翌朝早くに教会に出かけてみた。この国のアルメニア正教は東方諸教会の一派でキリスト教を国教としたときから独自の歩みをしている。台地の草原に黒っぽい石を積み上げた教会や修道院跡が立ち並び、朝の光が差し込む礼拝堂は特に素晴らしい。

世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
丘の上に建つハフパッドの教会・修道院跡
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄

泊めていただいた家に戻って搾乳や鶏の様子を見せてもらい、朝食を頂いて出発。サナヒンは真横に見えていたが、いったん谷底に降りて、また上らなければならない。荷物を谷底のお店で預かってもらって、カメラだけ持って上る。修道院が街道から外れた不便な高台にあるのは、外国からの侵略を免れるためらしい。

世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
泊めていただいた家で

ここでは珍しく英語を流暢に話す中学生の女の子3人に出会い、いろいろと案内してもらった。サナヒンは原っぱに建ち並ぶハフパッドとは違い、お墓や木々の中にこけむした屋根を持つ教会が建って情緒ある感じだ。ハフパッドもそうだが、石造りのドーム、アーチ構造の礼拝堂、図書館があり、石柱や壁にはレリーフが施され、略奪を防ぐために図書を隠したりワインを貯蔵したりする床穴や、床に敷き詰められた石棺の上を歩く。12〜13世紀に建てられてから長い時間をかけてさまざまな建築様式が融合してきたのを感じる。案内してくれた女の子たちは、持ってきたろうそくに灯をともして祈り、私もクリスチャンと知って喜んで賛美歌を歌ってくれた。

世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
サナヒンの教会・修道院跡
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
賛美歌を歌ってくれた女の子たち
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄

その後峠道にかかると、頂上では雪が残っていた。夜になって着いた町では、宿は見つかったものの、レストランのようなものはなく、食べられそうなものを見繕う。自転車旅は本当にお腹がすくので、食事だけはちゃんとしたいのだが・・・。

世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
教会群のある丘から街道のある谷を見下ろす。

翌朝はすぐまた峠越え。また雨が降り出し、頂上のトンネルを抜けると嵐になった。雨宿りする場所はなく、トンネルの中で着替えればよかったと思った。下っていく間に身体は冷え、町に着いて屋根の下に入り込んで着替えようと思ったが、手がかじかんで動かない。雨宿りしていたおばさん2人が手伝ってくれたが、出発しようとすると大声で何か叫んでいた。こんな嵐に出ていったら危ないとか言っていたのか・・・。その後、雹まで降り出してきた。途中にあったお店で1時間ほど暖まる。こんなに寒くひどい天気のなかを走るとは思っていなかったが、エレバンに着くと晴れて虹が出ていた。

世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
雪の残る峠

雨ばかりだったが、最終日は快晴。空港の近くにはキリスト教を国教とした当時に建てられたという世界最古の教会エチミアジン大聖堂があり、近くの教会の跡などを見て歩く。この辺りからはノアの箱舟が着いたというアララト山がよく見える。アララト山は隣国トルコ領内にあり、以前は山麓にアルメニア人が多く住んでいたが、第一次大戦中に大規模な虐殺を伴う強制移住をさせられたといい、今でもこの問題は両国の間にくすぶっている。そんな歴史を持つアルメニア人の心のよりどころである、今は行くことができないこの山を、彼らはどう見ているだろう。

世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
エレバンの建物
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
アララト山を望む。
世界自転車旅行記(14)ジョージアからアルメニアへ 木下滋雄
エチミアジン大聖堂で

スパイ容疑にかけられもして、戦争について考えた。こういう世界の中で日本が戦争をしないと誓ったのは素晴らしいことで、それを守っていかなければと思う。

<<前回へ     次回へ>>

◇

木下滋雄

木下滋雄

(きのした・しげお)

1964年横浜生まれ。フォト・サイクリスト。高校時代に自転車旅行と写真を開始し、30歳で五大陸走破を達成。これまでに60カ国延べ6万3千キロを走破している。現在はパラグライダーも楽しむ。ぺトラ建築設計一級建築士事務所主宰。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:木下滋雄
  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 世界62カ国で宗教的「迫害」や「差別」 2年に1度の「世界信教の自由報告書」発表

  • ワールドミッションレポート(11月3日):エジプト 福音の力—何世代にもわたる暗闇を撃破(3)

  • 都合の悪いお言葉(その2) マルコ福音書10章1~12節

  • 世界福音同盟(WEA)「ソウル宣言」全文和訳

  • ワールドミッションレポート(11月5日):西サハラ 砂漠の民に福音を

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • ワールドミッションレポート(11月2日):エジプト 福音の力—何世代にもわたる暗闇を撃破(2)

  • ワールドミッションレポート(10月31日):エジプト 福音の力—何世代にもわたる暗闇を撃破(1)

  • ワールドミッションレポート(11月6日):ベネズエラ 福音冊子が切り開く新たな地平

  • 聖書が教える「行いによる義」 菅野直基

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 新総主事が就任、国際理事会が新体制に WEA第14回総会「ソウル宣言」採択し閉幕

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 聖書が教える「行いによる義」 菅野直基

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 新総主事が就任、国際理事会が新体制に WEA第14回総会「ソウル宣言」採択し閉幕

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 聖書が教える「行いによる義」 菅野直基

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.