Skip to main content
2025年11月3日20時27分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
世界自転車旅行記

世界自転車旅行記(5)ヨーロッパ 木下滋雄

2015年1月14日23時20分 コラムニスト : 木下滋雄
  • ツイート
印刷
関連タグ:木下滋雄
世界自転車旅行記(5)ヨーロッパ 木下滋雄+
ギリシャにて

4大陸目は1992年夏に欧州をギリシャのアテネからスコットランドへ走った。それは新婚9カ月目のことで、出発の2カ月後に妻とロンドンで待ち合わせたので、それまでにイギリスへ着かなければいけない。

ギリシャでは南部のアテネやコリント、北部のベレヤやテサロニケといった聖書に出て来る場所を尋ねた。途中にはメテオラという岩山の上にある世界遺産の修道院群がある。炎天下に山を登って見に行ったが、よくぞこんな所に建てたものだと思ったものだ。

この当時ユーゴスラビアは内戦中で通過出来なかったため、テサロニケではアドリア海を越えてイタリアへというコースを薦められたが、東欧を見てみたいという当初の思い通りユーゴスラビアを迂回しその東側の国々を通って行くこととした。

ブルガリアに入ると有事に備えてのためと思われる異常に立派な道路があるのに車は殆どいない。驚いたのは、もらった地図に国中のガソリンスタンドが記入してあるのだが、これしかないのかと言うくらい少ない。車はスタンドごとに長蛇の列をなしている。また首都ソフィアではパン屋にすごい行列ができている。商店に行っても食料はショーケースになく、どうしたものかと思ったが、レストランではとても安く食べられてホッとした。しかしそれは日本の物価と比べてであり、住民にとってはとても高いものであるが。当時は1989年の東欧革命の直後で、流通システムなどがしっかりしていなかったのだろう。

ここではリラの僧院という山の中の修道院が印象的だ。しかし先のメテオラといい、俗世から離れて建てたはずの修道院に観光客が押し寄せるのは、何か皮肉のようだ。

世界自転車旅行記(5)ヨーロッパ 木下滋雄
ギリシャ中央部 メテオラの修道院

田舎では、ロバが荷を運んでいてタイムスリップしたような感があったが、ルーマニアに入るとさらに時代をさかのぼったように、馬車やロバが活躍している。村を通過する度に子どもはハイタッチを、大人はタバコをねだる。チョコレートもねだられた。

この国でもやはり店には商品が無く、そんなときには自分の家から食料を持ってきてくれたり、泊ったキャンプ場の主人は、隣町のレストランまで自分は食べないのにバスに乗って案内してくれたりと、人がとても親切で感激した。大きな街では東洋から来た自転車旅行者は好奇の的のよう。どういうわけかベトナム人かとよく訊かれた。

ハンガリーに入ると、時代は少し戻ったようだ。素朴さもなくなったか泥棒にもあった。

しばらくドナウ川に沿って上流へと向かう。首都のブタペストはドナウの真珠と呼ばれるだけあり、夕景は特に美しい。

世界自転車旅行記(5)ヨーロッパ 木下滋雄
ドナウ川とブタペストの夕景

西側との境であるオーストリア国境では、長大な車列に出会った。たまには車を抜かして行くのも気持ちがよい。タイムスリップから戻ったような西側に入ると、物価も東欧とは比べ物にならない高さに戻り、キャンプと自炊が主体となる。景色はここからアルプスに入ってとても綺麗な所が続く。

スイスに入る手前で、金属疲労からペダルの取り付くクランクが折れてしまった。幸いだったのは西欧に入った所だったこと。東欧だったらサイクリング車の部品など手に入らなかっただろう。自転車屋さんには庭にテントを張って泊めさせてもらった。この方はクリスチャンで、今でも連絡を取り合っている。

スイスでは、子どもの時に見たアニメから抱いた憧れのアルプスを走っているという嬉しさがあった。いくつもの峠を越え、時には登山列車に乗り、トレッキングもして、山々の景色を味わった。

世界自転車旅行記(5)ヨーロッパ 木下滋雄
スイス、イタリア国境にあるモンテローザ山を望む

あちこち寄り道したスイスの後、待ち合わせのロンドンに向けフランスでは毎日走り詰め、1日平均170キロ走ってパリに着き、1日だけ観光してイギリスへ。

5日間ほど妻と一緒に旅行に来た妹と行動を共にし、再び一人になって、まずウェールズへ向かった。イギリスの田舎はうねる丘陵地に小道が走り、所々古城や廃墟となった修道院などが景色に溶け込んで魅力的であり、走っていてとても気持ちがよい。リバプールのビートルズ縁の地を巡り、嵐が丘の舞台ヒースの生えるハワースの丘を越え、スコットランドに入っていく。エジンバラを過ぎてさらに北へと行くと、雨が多くなった。雨の中では手袋をしても手がかじかむくらい寒い。そんな寒々と荒涼とした土地では、新婚のせいもあり、珍しく早く家に帰りたくなった。そういう時に出会った森は、とてもホッとする存在だった。

世界自転車旅行記(5)ヨーロッパ 木下滋雄
イギリス中部 ブロンテ姉妹の住んでいたハワースの町

最後に大西洋に浮かぶスカイ島へ渡り、古城を眼下に見ながらの最高に景色の良い所で野宿をし、ネス湖の北まで走って旅を終えた。

世界自転車旅行記(5)ヨーロッパ 木下滋雄
後にも先にもこんな景色の良い所での野宿はない。スコットランドにて。

エーゲ海から北海への旅の走行は6600キロ。その間、人も自然も徐々に様々に変わって行った。自転車旅はそういったものを常に肌で感じられるのが魅力だと思う。

<<前回へ     次回へ>>

◇

木下滋雄

木下滋雄

(きのした・しげお)

1964年横浜生まれ。フォト・サイクリスト。高校時代に自転車旅行と写真を開始し、30歳で五大陸走破を達成。これまでに60カ国延べ6万3千キロを走破している。現在はパラグライダーも楽しむ。ぺトラ建築設計一級建築士事務所主宰。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:木下滋雄
  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • 花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(31)夢の中での再会

  • ワールドミッションレポート(10月29日):アンゴラとザンビアのルヤナ族のために祈ろう

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • ワールドミッションレポート(11月2日):エジプト 福音の力—何世代にもわたる暗闇を撃破(2)

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.