60代で世界に見いだされた奇跡のピアニスト 映画「フジコ・ヘミングの時間」を観て

2018年8月13日13時27分 執筆者 : 坂本道子 印刷
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映画「フジコ・ヘミングの時間」より ©2018「フジコ・ヘミングの時間」フィルムパートナーズ
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先日、世界中で演奏活動をしているピアニスト、フジコ・ヘミングさんのドキュメンタリー映画「フジコ・ヘミングの時間」を観ました。私は心動かされるフジコさんの演奏に魅了され、何度かコンサートに伺ったことがあります。またコンサート後に楽屋などでお会いしたこともあったため、映画が上映されるのを楽しみに待っていました。そのような中、友人が支配人をしている地元の映画館でも上映されるという連絡があり、同じくフジコさんと何度か会ったことのある兄夫婦や友人など数人を誘って観に行きました。

映画が始まると間もなく、フジコさんのパリでの生活の場面になり、「今日はパリの友人が来ます」と、ご自宅でお茶の用意などをしているフジコさん。そこに「こんにちは」と入ってきたのが、私の姉トモコ(偕子)でした。私も姉を知る友人たちもびっくり。兄夫婦も驚いて「あれっ!?」と、小さな映画館がザワザワと波打ちました。姉から出演の話は聞いていなかったからです。

フジコさん(スウェーデン国籍)はパリに在住されていますが、画家である私の姉トモコ・カザマ・オベール(フランス国籍)も、フランス人の夫と一人息子のミシェル(天使ミカエルから名付ける)と共に40年以上パリに在住しながら、さまざまな国で作品を発表しています。2人には、日本で育ちながら外国籍であることや、パリ在住のアーティストであることなど幾つかの共通点があり、姉はフジコさんをとても敬愛しており、親しい友人としてお付き合いいただいています。

60代で世界に見いだされた奇跡のピアニスト 映画「フジコ・ヘミングの時間」を観て
パリ日本文化会館で開かれた姉トモコ(左)の作品展示会に訪れたフジコさんと

そして、何よりもクリスチャンとしての自覚が2人の根底にある共通点でもあると思います。フジコさんの映画を観ますと、演奏前に必ず十字をきって祈りつつステージに向かい、ここまで来られたのは「信仰ゆえ」と。そして映画の中でも天国に関して触れていますが、私が姉とパリのフジコさんのご自宅にお伺いしたときには、「私のピアノは天国で完成する。私の居場所が天にある」というようなお話をなさっていました。その時、丸テーブルの上に置いてあった聖書がとても印象に残っています。ちなみに、姉の「偕子」の名前は牧師であった父(故人)が「インマヌエル(神、われらと偕(とも)に在す)」から名付けたこともフジコさんはご存じです。

フジコさんのプロフィールから伺えますように、2つの祖国を併せ持つフジコさんですが、映画では戦争を挟んで生きた少女時代の美しい絵日記をたどりながら、当時の「夢見る少女フジコ」の日常も想像することができます。そして何よりも、パリをはじめとするコンサートの開催国の街並みや会場の様子を背景に奏でられる、フジコさんの繊細で迫力ある素晴らしい演奏は圧巻です。「命懸けで弾きますから、私の生き方すべてが出ます」と・・・。まさに魂に響く感動的な映像でした。

60代で世界に見いだされた奇跡のピアニスト 映画「フジコ・ヘミングの時間」を観て
映画「フジコ・ヘミングの時間」より ©2018「フジコ・ヘミングの時間」フィルムパートナーズ

<フジコ・ヘミングさんのプロフィール>

本名は、ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ(Georgii-Hemming Ingrid Fuzjko)。ピアニストの大月投網子(とあこ)とロシア系スェーデン人画家・建築家のジョスタ・ゲオルギー・ヘミングを両親としてベルリンに生まれる。5歳の時に帰国し、以来東京に育ち、母の手ほどきでピアノを始める。青山学院高等部在学中、17歳でデビュー。東京芸術大学在学中には、NHK毎日コンクール入賞、文化放送音楽賞など多数受賞。

その後、28歳でドイツへ留学。ベルリン音楽学校を優秀な成績で卒業後、欧州に在住し演奏家としてのキャリアを積む。その間、ウィーンでの後見人パウル・バドゥーラ=スコダに師事。ブルーノ・マデルナにウィーンで才能を認められ、ソリストとして契約。レナード・バーンスタイン、ニキタ・マガロフ、シューラ・チェルカスキーからの支持と援助があった。しかし、リサイタル直前にかぜをこじらせ、聴力を失うというアクシデントに見舞われ、失意の中、ストックホルムに移住。耳の治療の傍ら、音楽学校の教師の資格を得、ピアノ教師をしながら欧州各地でコンサート活動を続ける。

1999年、フジコのピアニストとしての軌跡を描いたNHKのドキュメンタリー番組「フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」が放送され大反響を巻き起こす。同年に発売されたファーストCD「奇蹟のカンパネラ」は200万枚を超える大ヒットを記録。日本ゴールドディスク大賞、4度にわたる各賞のクラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。2000年以来、各国の著名な室内管弦楽団他と共演。01年、ニューヨーク・カーネギーホールでのリサイタルに3千人の聴衆が会場を埋め尽くし、感動の渦を巻き起こした。公演活動で多忙を極める中、動物愛護への関心も深く、長年援助も続けている。

18年、ドキュメンタリー映画「フジコ・ヘミングの時間」が全国にて上映。同年、『フジコ・ヘミング14歳の夏休み絵日記』(暮らしの手帳社)出版。(フジコ・ヘミング公式サイトの「プロフィール」より抜粋・編集)

■ 映画「フジコ・ヘミングの時間」予告編

映画「フジコ・ヘミングの時間」公式サイト

(文・坂本道子=宇都宮キリスト集会所属)

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