7人の死刑執行、日本のクリスチャンこそもっと声を上げるべき マザーハウス・五十嵐弘志

2018年7月13日09時37分 執筆者 : 五十嵐弘志 印刷
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五十嵐弘志さん
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オウム真理教の元幹部7人の死刑執行後、ちょうど講義をしに行った大学で学生たちと話していたとき、死刑に対する私の考えを聞かれました。死刑は、確かに法律で認められています。でも、だからといって人が、他人の命を奪っていいのでしょうか。果たしてそれが、本当に正しいのでしょうか。

私は、命の根本的な問題について、日本社会全体が無関心過ぎると思っています。聖書には、人間をお造りになった方について書かれています。天地万物を創造した神様が人間をお造りになり、その鼻に命の息を吹き入れられたとあります。

その神様が造られた人を人が殺めるのは、やはり罪です。私はこのことに対して、日本のクリスチャンがもっと声を上げ、行動を起こすべきだと思います。聖書は私たちに何度も、隣人を愛しなさいと教えています。今こそ、行動を起こすべき時です。

死刑囚を擁護するつもりはまったくありません。私は逆に、当事者にとって死刑はものすごく楽なことだと思います。それよりも、生涯自分の命を懸けて、被害者に償いをする道を歩むことの方がどれだけ大変か。それこそ生き地獄です。

神様は今、私たち日本のクリスチャンに何を求めておられるのでしょうか。毎週礼拝やミサにあずかっている私たちが、一人一人に語られる神様の御声に耳を傾けるとき、そこから福音宣教が始まります。

イエス様は今も生きておられます。死刑賛成論者の方々の考えを否定するつもりはありません。ただ、キリストをご自身の目の前にしても「この死刑囚を私は絶対に赦(ゆる)せません」と果たして言えるのでしょうか。信仰に生きるクリスチャンは、自分の生き方がキリストの教えに対してどうなのかと常に問われます。

人の命を奪えるのは、命の源である神様だけです。でも、神の御子であるイエス様が、自分の過ちを悔い改める罪人を前におっしゃる言葉はこうなのです。「わたしもあなたを罪に定めない。これからは、もう罪を犯してはならない」(ヨハネ8:11)

ですから、日本のクリスチャン一人一人がこの問題を真剣に考えるべきなのです。牧師先生や神父様がいくら立派な説教をなさっても、それを私たちが実践しなければ、何の意味もありません。

教皇ヨハネ・パウロ2世は、自分を銃で殺そうとした人のところへ行き、直接赦しを伝えました。これこそが、キリストの実践だと思います。現教皇フランシスコが刑務所に行き、受刑者の足を洗うことは、単なるパフォーマンスではありません。腹の底から湧き出てくるものなのです。

日本の司教の皆様も、ぜひ刑務所に行かれて、受刑者の足を洗われてはいかがでしょうか。紙一枚の声明を出される代わりに、国会に行かれて、敬虔なクリスチャンである上川陽子法務大臣に直談判されてはいかがでしょうか。

信仰は口先だけのものではありません。再びキリストが十字架にかけられているのを見て、私たちは何もしないのでしょうか。それでも無関心なのでしょうか。私は、そうありたくありません。今、自分の遣わされている日本社会の底辺で、少しでもキリストを実践したく必死に戦っています。皆さんは、どうされますか。

五十嵐弘志(いがらし・ひろし)

1964年栃木県生まれ。前科3犯、受刑歴約20年。獄中でイエス・キリストと出会い回心し、出所後にカトリックの洗礼を受ける。2014年に出所者の支援を行うNPO法人「マザーハウス」を設立。現在同法人理事長として、受刑者との文通プロジェクトや出所者の生活・就労支援、犯罪被害者支援、出所者の再犯防止のための活動を行っている。

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