オウム真理教の松本智津夫死刑囚ら幹部7人の死刑執行 牧師「執行よりも大切なことがあったのでは」

2018年7月6日13時21分 印刷
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東京・南青山にあったオウム真理教の南青山総本部(2015年4月解体)=1994年10月2日撮影(写真:Hasec)
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地下鉄サリン事件などを引き起こし、殺人罪などに問われ死刑が確定していたオウム真理教の元代表、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(63)ら、教団元幹部7人の刑が6日、執行された。一連の事件では松本死刑囚を含む教団元幹部計13人の死刑が確定しており、初の執行となった。

松本死刑囚の他に刑が執行されたのは、井上嘉浩(48)、土谷正実(53)、新実智光(54)、中川智正(55)、遠藤誠一(58)、早川紀代秀(68)の各死刑囚。刑は、東京、大阪、広島、福岡の4拘置所で執行された。

松本死刑囚は1995年の地下鉄サリン事件後、山梨県上九一色(かみくいしき)村(当時)にあった教団本部の強制捜査で逮捕された。坂本堤弁護士一家殺害事件(89年)や松本サリン事件(94年)など計13の事件で起訴され、殺人や死体損壊、武器等製造法違反などの罪に問われた。

東京地裁での公判は96年から始まり、無罪を主張したが、すべての事件で有罪とされ、04年に死刑判決が出された。弁護側は即時控訴したが、松本死刑囚との意思疎通ができないことを理由に控訴趣意書を期限までに提出せず、東京高裁が06年、控訴を棄却。最高裁も高裁の決定を支持し、同年死刑が確定した。

松本死刑囚はその後、再審請求をしていたが、最高裁が10年、特別拮抗を棄却し再審を認めない決定を下した。しかしその後も再審請求を続け、現在も請求中だった。

法務省は今年3月、東京拘置所に収監していた教団元幹部の死刑囚13人のうち、7人を別の拘置所などに移送していた。この措置を受け、地下鉄サリン事件を契機に設立された「日本脱カルト協会」は、松本死刑囚を除く12人の刑を執行せず、無期懲役刑に減刑するよう求める要請書を法務相に提出していた。

心理学者や弁護士、聖職者など、さまざまな立場の人で構成される同協会は、オウム真理教の信者や元信者らと接してきた会員の経験から、12人は「松本死刑囚と同人が作ったシステム」の中で殺人を肯定する信念を植え付けられ、事件に関与したと主張。「完全に自らの誤りに気付いた者も多い」などとしていた。その上で、12人の証言は同種事件の再発防止やカルト問題に取り組む上で非常に重要だとし、「死ぬまでオウム事件および同事件への自らの関わりを分析・反芻(はんすう)させ、心情の変化を折に触れて公表させていくべきであり、これ以上の償いの形はない」と述べていた。

一方、松本死刑囚本人はこれまで事件の詳細を語っていない。死刑執行を受け、「死刑は聖書的ではない」と考える岩村義雄牧師(神戸国際キリスト教会)は「本人の罪責感への告白を直接聞きたかった」と話す。

「被害者家族や追随した信者たちのためにも、死刑執行よりも大切なことがあったのではと思い、残念です。 死刑では被害者家族にとって幕引きにならない事例も多く、日本は死刑制度自体を考え直さないといけない時期に差し掛かっています」と岩村牧師は言う。

オウム真理教は95年に東京地裁から宗教法人の解散を命じられ、翌96年に最高裁で確定。その後も活動を継続したが、99年に「オウム新法」が成立するのを前に、正式見解として教団関係者の事件への関与を認め、被害者や遺族に謝罪した。

「オウム真理教」の名称使用が禁止され、2000年に「アレフ」と改称。07年には「ひかりの輪」が分派した。報道によると、松本死刑囚の神格化や教団関係者による報復も懸念されることから、警察はこれらの後継団体に対する情報収集や警戒を強化している。

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