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神声人語

神声人語―御言葉は異文化を超えて―(45)バリ島での聖書翻訳事業 浜島敏

2018年4月30日17時39分 コラムニスト : 浜島敏
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関連タグ:浜島敏

ジャワ島の東には有名な観光地であるエキゾチックな島、バリ島があります。自然は豊かで原始的ともいえる美しさがあり、保守的な傾向は、まるで古代がそこにあるようだともいえそうな島です。住民はイスラム教の影響をはねのけ、古代インドの宗教に執拗にしがみついています。ヒンズー教の伝統にこの島独特の象徴表現と民族舞踊の形式が加えられ、実に豊かな表現となって表されています。

島の狂信的な指導者たちが反対したため、バリ島へのあらゆる宣教活動の扉は閉ざされていました。ところが1932年になってキリスト教宣教師同盟が、その島に住む何千人という中国人への伝道のために、1人の中国人宣教師を派遣しました。

ところが、バリ島民の夫人たちが「良きおとずれ」を信じてしまったのです。そこで、その宣教師は引き揚げなければならなくなりましたが、それまでに800人ほどの島民が、彼らに命を与えるために死んでくださったイエスのメッセージを信じておりました。

バリ島の人たち、特にキリスト教に改宗した人たちが神の言葉を持てるように、オランダ聖書協会が飛び抜けて優れた聖書翻訳者、ジェイ・エル・スウェレングレーベル博士を遣わしました。彼は、この働きのために何年間も準備をしてきました。

この背の高い金髪のオランダ人が20代に学んだことは、単にラテン語やギリシャ語、英語、フランス語、ドイツ語などの一般的な学問だけではありませんでした。それに加えて、彼は古代アラビア語、サンスクリット語、ジャワ語、マレー語、インドネシア語群比較言語学を学び、加えてスマトラで話されているバッタ語と中央セレベスで話されているバレエ語の言語研究も幾らかしていました。

また、文化人類学をしっかり修めており、古代ジャワとバリ島文化を研究しておりましたので、バリ島の人たちにバリ語で神の言葉を与えるという大事業をする人物としては、彼をおいて他にありませんでした。

バリ島の人たちは、貧弱な文化しか持っていない粗野な原始人ではありません。彼らの生活様式は豊かな古い伝統に根ざしており、彼らは膨大な語彙を使って豊かな表現をします。また、古い社会の社会階層を微妙に反映しており、それぞれの社会階級に特徴的で重要な語句や文法形式が存在します。バリ島の人たちに聖書を与えるのは、新米にはとてもできない仕事です。

スウェレングレーベル博士は、古代バリ語や古代ジャワ語を研究し、それがライデン大学の博士論文として受け入れられていました。これが重要であったばかりか、この複雑な仕事をするために役立ったのです。その仕事のために、神が彼を召されたのでした。

スウェレングレーベル博士は、バリ語を上手に話せるようになることが必要であったのは当たり前ですが、それだけでなく豊かな文学の伝統も学ばなければなりませんでした。満足のいく辞書を作るには、それぞれの語句の民族学的な背景を調べなければなりません。特に宗教行事と社会習慣が切っても切れない関係にある社会では、手の込んだ宗教生活のために使われる言葉はそうしておく必要がありました。

最初の5年間は、主としてこのような基礎的で不可欠な仕事に費やしました。ところが、日本軍が侵入して来て、5年間の働きの結晶ともいえる言葉のメモ全部が捨てられてしまいました。スウェレングレーベル博士はシンガポールの捕虜収容所に連れて行かれ、家族はジャワの強制収容所に入れられてしまいました。それから5年の長い間、スウェレングレーベル博士は日本軍の収容所指揮官のなすがままに生きていくしかありませんでした。

戦後、家族と再会し、短期間オランダに帰国しましたが、すぐバリ島に戻り仕事を再開しました。もちろん、2回目の方が仕事は早く進みましたので、3年ほどでカード式データ箱が50ケースにも達し、ルカ福音書が完成しました。しかし、再び彼はバリ島を出なければならなくなりました。今度は地域で政治的な緊張が起こって、現地の教会の近くには外国人がいない方が良いということになったからです。しかし、彼はジャワ島で新約聖書翻訳の仕事を続けました。

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*

【書籍紹介】
ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』
訳者:繁尾久・郡司利男 改訂増補者:浜島敏

ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』

世界の人里離れた地域で聖書翻訳を行っている宣教師たちと一緒に仕事をすることになって、何百という言語に聖書を翻訳するという素晴らしい側面を学ぶまたとない機会に恵まれました。世界の70カ国を越える国々を訪れ、150語以上の言語についてのさまざまな問題点を教えられました。その間、私たち夫婦はこれらの感動的な仕事の技術的な面や、人の興味をそそるような事柄について、詳細なメモを取りました。

宣教師たちは、未知の言語の文字を作り、文法書や辞書を書き、それらの言語という道具を使って神の言葉のメッセージを伝えるのです。私たちは、この本を準備するに当たって、これらの宣教師の戦略の扉を開くことで、私たちが受けたわくわくするような霊的な恵みを他の人たちにもお分かちしたいという願いを持ちました。本書に上げられているたくさんの資料を提供してくださった多くの宣教師の皆さんに心から感謝いたします。これらの方々は、一緒に仕事をしておられる同労者を除いてはほとんど知られることはないでしょう。また、それらの言語で神の言葉を備え、有効な伝道活動の基礎を作ったことにより、その土地に住む人々に素晴らしい宝を与えられたことになります。その人たちは、彼らの尊い仕事を決して忘れることはないでしょう。

本書は説教やレッスンのための教材として役立つ資料を豊富に備えていますが、その目的で牧師や日曜学校教師だけのために書かれたものではありません。クリスチャン生活のこれまで知らなかった領域を知りたいと思っておられる一般クリスチャンへの入門書ともなっています。読者の便宜に資するために3種類の索引をつけました。①聖句索引、本書に引用されている聖書箇所を聖書の順に並べました、②言語索引、これらのほとんど知られていない言語の地理上の説明も加えました、③総索引、題目と聖書の表現のリストを上げました。

ユージン・ナイダ

◇

浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

■ 【浜島敏著書】(Amazon)
■ 【浜島敏著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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