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神声人語

神声人語―御言葉は異文化を超えて―(42)良き訪れを伝える者 浜島敏

2018年3月19日15時44分 コラムニスト : 浜島敏
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今日、何百人もの男女の宣教師が初期の開拓宣教師の尊い遺志を受け継いで働いています。もし今日の聖書翻訳者がどんな人であるのか典型的な人物を1人挙げることができればありがたいとは思いますが、実はそのような人はいません。翻訳者たちは個人個人それぞれ月とスッポンほど違っているのです。

翻訳と学問的な著作のみに打ち込む「机上の人」もいないわけではありませんが、それは少なくて、ほとんどは忙しい伝道者であって、人々の間で働く仕事の合間の貴重な時間を割いて、次週の説教に使う聖書の部分訳をするのです。あるいは、昼間は医療宣教師としてものすごい数の人々の治療を行い、夜になって真夜中までちかちかするランプの灯りの下で翻訳するのです。体の必要を満たすことよりも、魂の必要を満たす方がずっと大切だと知っているからです。

聖書翻訳者の中には、神学とか言語学とか人類学を修めた優れた学者もいます。その人たちは聖書学の豊かな釈義から得た知識を使って翻訳をします。また、中には教育らしい教育はほとんど受けていませんが、献身的にキリストの命令に従い、命の書である聖書を未知の言語に翻訳するために己を聖別する人もいます。さまざまな問題に取り組み、素晴らしい実例を示してくれた人たちを数人ここで取り上げてみたいと思います。

エフライン・エス・アルフォンセは、水先案内人としてメソジスト派の小さな船に乗り込み、危険な暗礁や危ない潮流でいっぱいのパナマ北東沿岸を航行していました。「バリエンテ人の村で先生になりませんか」と宣教師が尋ねました。エフラインは、彼らが札付きの好戦的な人たちで、それが理由で「バリエンテ」という名前が付けられた人たちであることを考えました。

「バリエンテ」とは「勇敢」とか「好戦的」という意味です。それに、彼はバリエンテの言葉はまったく知らないし、彼らもスペイン語は知らないのです。しかし、彼はその宣教師が好きでしたし、イエス・キリストに忠実に仕えたいと思っていましたので、何かしなければいけないと感じるようになりました。バリエンテ人は自分の家のあるボカスデトロの近くに住んでいましたが、みんなから疎(うと)んじられていました。

黒人少年エフラインの父親は運河で働くためにパナマに来ていたのですが、そんなわけで、19歳でこの教師の仕事を受け入れ、インディオの村の1つに住むことになりました。彼は、バリエンテ人からまず教えてもらわなければ、彼らを教えることはできないと分かっていました。そこで学校での最初の日は、椅子、ベンチ、木、家、少年、少女、カヌー、櫂(かい)のような言葉をバリエンテ人から学ぶことで始まりました。

次には複雑な動詞の変化を覚えなければなりません。現在形、過去形、未来形はどう判別したらよいのでしょうか。彼はチョークを地面に落として、子どもたちが何と言うか注意して聞きました。言語の分析は1日ではできませんし、1年で完全にマスターすることもできません。それでもしばらくして、エフラインは自分の知らない単語を教えてくれた子どもには5セントあげると言うことができるまでになりました。がそれだけでなく、子音と母音をできる限り組み合わせて単語を作り、老人にどの組み合わせには意味があり、それがどういう意味であるのかを聞き、完全に語彙(ごい)全部を身に付けようとしました。

アルフォンセは12年間バリエンテ人の中で過ごし、バリエンテ人と同じ生活をしているうちに、この部族には豊富な伝説と歴史があることを知るようになりました。そんな準備期間を経て、その言語が書けるようになり、2つの福音書をバリエンテ語に翻訳する器となったのでした。

アルフォンセは時間を取ってさらに教育を受けましたが、その1つは神学校に行って、ギリシャ語新約聖書の学びを完成させることでした。ついに、彼はきちんとした翻訳をする訓練を終えて、以前行った自分の素人翻訳を慎重に改訂し、間違いを直し、また以前はしていなかった部分の翻訳を完成させました。草稿が出来上がりましたが、上司の1人は、それを放り投げて、もっと大事な仕事をするようにと言いました。しかし、その本は聖書協会から出版されたのです。

その後、ジャマイカで牧師が必要になったという話を聞いて、それに応えアルフォンセはジャマイカの大教会の牧師になりました。しかしその間も、バリエンテでの仕事を続けてくれる人を見つけなければならないと考えていました。しかし、何年過ぎてもバリエンテ人のところに行って、大きく成長している教会を牧してもいいという人はありませんでした。

とうとう、アルフォンセは家族を連れてパナマに戻り、自分でバリエンテの羊たちを飼う仕事を続けることにしました。バリエンテ人にとってはたった2つの福音書だけが頼りで、助けてくれる人もいない状態でしたが、クリスチャンの数は2倍になっていました。

重い心臓病にかかり、他の人だったら入院するところでしたが、アルフォンセは新約聖書の残りの部分の翻訳を進め、バリエンテの村々を訪問し、5つの学校と5つの教会とを指導しました。また、カリブ海地域にあるたくさんの英語教会やスペイン語教会から毎日のように送られてくる要求に応えようとしました。西半球における翻訳宣教師の中で、神に仕えるこの謙遜な黒人奉仕者以上に現地語の豊かな深みにまで到達した人はおそらくいないでしょう。

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*

【書籍紹介】
ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』
訳者:繁尾久・郡司利男 改訂増補者:浜島敏

ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』

世界の人里離れた地域で聖書翻訳を行っている宣教師たちと一緒に仕事をすることになって、何百という言語に聖書を翻訳するという素晴らしい側面を学ぶまたとない機会に恵まれました。世界の70カ国を越える国々を訪れ、150語以上の言語についてのさまざまな問題点を教えられました。その間、私たち夫婦はこれらの感動的な仕事の技術的な面や、人の興味をそそるような事柄について、詳細なメモを取りました。

宣教師たちは、未知の言語の文字を作り、文法書や辞書を書き、それらの言語という道具を使って神の言葉のメッセージを伝えるのです。私たちは、この本を準備するに当たって、これらの宣教師の戦略の扉を開くことで、私たちが受けたわくわくするような霊的な恵みを他の人たちにもお分かちしたいという願いを持ちました。本書に上げられているたくさんの資料を提供してくださった多くの宣教師の皆さんに心から感謝いたします。これらの方々は、一緒に仕事をしておられる同労者を除いてはほとんど知られることはないでしょう。また、それらの言語で神の言葉を備え、有効な伝道活動の基礎を作ったことにより、その土地に住む人々に素晴らしい宝を与えられたことになります。その人たちは、彼らの尊い仕事を決して忘れることはないでしょう。

本書は説教やレッスンのための教材として役立つ資料を豊富に備えていますが、その目的で牧師や日曜学校教師だけのために書かれたものではありません。クリスチャン生活のこれまで知らなかった領域を知りたいと思っておられる一般クリスチャンへの入門書ともなっています。読者の便宜に資するために3種類の索引をつけました。①聖句索引、本書に引用されている聖書箇所を聖書の順に並べました、②言語索引、これらのほとんど知られていない言語の地理上の説明も加えました、③総索引、題目と聖書の表現のリストを上げました。

ユージン・ナイダ

◇

浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

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※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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