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現代型「うつ」を克服する道は、神にゆだねること 精神科医の宇田川雅彦さん

2017年10月21日06時49分 記者 : 守田早生里
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関連タグ:うつ病宇田川雅彦
「うつ」からの回復のヒントは聖書の中にも 「心の健康まちかど小セミナー」+
講演する宇田川さん=15日、日本同盟基督教団新船橋キリスト教会(千葉県船橋市)で

宇田川雅彦さん(千葉県船橋市立医療センター精神科部長)が、「うつ」をテーマに日本同盟基督教団新船橋キリスト教会(船橋市、松平聖晴伝道師)で講演を行った。同教会員でもある宇田川さんが地域伝道の一環として始めた「心の健康まちかど小セミナー」は今回で4回目となる。悪天候にもかかわらず、会場に集まった参加者は30人ほど。そのうち約半数は、地域から集まった人だという。

「うつ病」または「うつ状態」は、聖書の登場人物の中にもしばしば見られる。エリヤ、モーセ、ダビデなど、英雄視されている人物にもそれらの症状が疑われるが、同時に、そこから回復する過程も聖書には描かれていると宇田川さんは話す。

イスラエル民族の指導者モーセは、多くの民を率いることを負担と感じ、神にこう打ち明けている。

「わたし一人では、とてもこの民すべてを負うことはできません。わたしには重すぎます。どうしてもこのようになさりたいなら、どうかむしろ、殺してください。あなたの恵みを得ているのであれば、どうかわたしを苦しみに遭わせないでください」(民数記11:14~15)

「殺してください」と願うほどに悩み苦しんでいたモーセに主は、「わたしはそこに降って、あなたと語ろう。そして、あなたに授けてある霊の一部を取って、彼らに授ける。そうすれば、彼らは民の重荷をあなたと共に負うことができるようになり、あなたひとりで負うことはなくなる」(17節)

働きすぎていたモーセは、助言者のアドバイスを素直に聞き入れ、正直に祈ることによって、怒りや苦悩を神の前でさらけ出すことができた。重荷を分かち合う人を得て、1人で抱え込むことなく、仕事を分担することにより、苦痛からも解放されていったのだ。

「うつ病の方々が見ている世界は、サングラスをかけて物事を見ているのと同じ。何もかもが暗く、希望も助けもないように見えるかもしれないが、そのサングラスを取ることができたら、また世界は違うものに見えます。このサングラスを外す作業が、精神科で行う治療なのです」

「うつ」が招く事態の中で最も懸念されるのが「自死」だ。「死に対する憧れを持っていて、生きることよりも死後の世界を期待し、積極的な態度で死を選ぶ人はそう多くはない。むしろ、現状がつらすぎて、『この状態はずっと続く』、あるいは『現状は変わりようもなく、終わるはずがない』としか考えられない精神状態が死を選ばせているのではないか」と宇田川さんは語る。「うつ」の治療が進むにつれて、「この苦しみがずっと続くとは限らない」と思えるようになり、さらに現状や将来の見方(認知)が楽観的なものに修正されていくことを治療は目指す。そして、自ら助けを求める発想や行動が起こせるように成長を促す。これが自死の防止につながるという。

一方、従来からある典型的な「うつ」が、自分を責め、自身が病的な状態にあることを受け入れられないのに対して、近年では現代型の「うつ」といった病像の違ったものもある。この新しい形の「うつ」は症状がさまざまで、典型が存在しない。比較的早期の段階で受診はするが、従来までの治療法ではなかなか回復しないことが多い。休養の指示には素直に応じ、仕事やその他、ストレスや疲弊の原因と見られるタスクから遠ざかれば通常の日常生活を送ることができるが、再びその場(仕事)に戻ると症状が悪化することが多いのだ。

さらに、従来の「うつ」が、何でも自分1人の責任と思い込み、自分の能力不足や失敗を憂うといった自責的態度であるのに対し、現代型の「うつ」は、しばしば自身の苦悩を環境や他人のせいととらえ、「自分の価値や努力が認められない」、「チャンスに恵まれず、損ばかりしている」というように不遇を嘆くことが多いという。また、現代型の「うつ」のケースにほぼ共通しているのが、他人の評価を基準に自己の価値や幸福を測る態度。自身の価値や幸福を他人と比較し、称賛や羨望(せんぼう)を受けることで安心を得ようとするため、それがかなわないと不安と敗北感のとりこになって苦しむこととなる。宇田川さんは、これらの現代型の「うつ」は、従来からある本来の「うつ病」とは本質的に異なる病として考えた方がよいという。

「『勝ち組』『負け組』といった言葉に反映されているように、不安定な社会の中で、意味もなく競わされ、勝ち負けで判断されがちな社会に私たちは生きています。社会環境、家族関係なども昔に比べて大きく変化し、睡眠時間も昔より短くなっています。絶えず急がされ、疲れやすい社会であり、理解し合い、助け合うコミュニケーションも希薄になっています。若い人の非正規雇用が増え、労働条件も過酷で、仕事や職場に同一化した生き方が許されない社会。コツコツとした真面目な努力が報われ、終身雇用が当たり前だった従来型社会が、仕事に過剰適応した結果の『うつ病』を生み出してきたように、現代型の『うつ』もまた、時代を反映している病態であるかもしれません。

努力や真面目さに一定の価値が認められた社会は、過剰適応型の『うつ』を生み出してきました。一方、現代のように使命感や職業的召命感が持ちにくい社会では、地味な努力の積み重ねが評価されるとは限らず、高い目標設定もエネルギーを生み出しにくい。成功や幸福は運や境遇に支配されているかのような錯覚をもたらします。自身の価値や成功、幸福までもが他者の目で決められるように感じさせる社会では、従来型の『うつ』に親和性のあるタイプにとっても、そうでないタイプにとっても生きづらいのです。

現代型『うつ』に悩む人々は概して傷つきやすく、自己のケアに追われている面があります。しかし、人は『自分の力で生きている』と思うと苦しいが、『誰かに生かされている』と思うと、自己のケアに汲々(きゅうきゅう)とする状態から脱却でき、感謝が生まれ、人のことを気遣う余裕も生まれます。人生の時間は貴重です。しかしそれは、悠久の神の歴史の流れの中に与えられた小さな1コマでもあります。その1コマの価値も意味も、全体の設計者である神が決める。そう信じてゆだねるなら、自分の価値や成功に執着することから解放され、別の角度から生き方を見いだすことができます」

宇田川さんは、「これが新しいタイプの『うつ』を克服する1つの道ではないでしょうか」として講演を結んだ。

次回の「心の健康まちかど小セミナー」のテーマは「パニック障がいは怖くない」。来年1月21日(日)午後2時~。詳しくは新船橋キリスト教会(ホームページ)へ。

関連タグ:うつ病宇田川雅彦
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