Skip to main content
2025年8月28日12時04分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会
  3. 地震・災害

【寄稿】九州豪雨ボランティアに参加して 神戸国際支縁機構会長・岩村義雄

2017年7月14日21時48分 執筆者 : 岩村義雄
  • ツイート
印刷
関連タグ:岩村義雄神戸国際支縁機構(KISO)
九州豪雨ボランティアに参加して+
今回の豪雨で、朝倉市立杷木中学校に避難した人たちに食事を提供するボランティアたち(写真:神戸国際支縁機構提供)

福岡県朝倉市は、地方自治体も自治会も防災意識が強い地域でした。日頃から災害に注意しており、ハザードマップも備えて筑後川の氾濫に備えていました。ところが7月5日、川ではなく、遠い山から土石流が多くの流木と共に襲ったのです。前の川の増水ばかり気にしていたところ、いきなり後ろの山から濁流がやって来たのです。

神戸国際支縁機構は7~9日、福岡県朝倉市杷木(はき)中学校の体育館で炊き出しを行いました。そのとき、避難者が話していました。杷木松末(ますえ)で、一緒に逃げようとしない年配の方たちがおられたというのです。「生まれ育ったところから離れたくない」という気持ちが強い方たちもおられたのですが、孤立した地域では救助は一刻を争います。

「2次災害として、渋滞や、ボランティア自身のケガなどに対して面倒を見きれない」「面倒だから」という名目で、ボランティアを規制する場面に何度も遭遇してきました。神戸国際支縁機構はあらかじめ現地の受け入れを確認して入っているものの、善意で現場にかけつけたボランティアは、社会福祉協議会などによって門前払いされます。やむなく帰途につく、失望の色を浮かべたボランティアを何人も見かけました。東日本大震災、熊本・大分地震でも同じ体験をしてきました。現地へ急行しようとすると、「自衛隊がいるのだし、素人が行っても、迷惑になるだけ」という声がありました。

なぜマンパワーが必要な現場で、ボランティアを拒絶するのでしょうか。たくさんのボランティアが押しかけても管理できないからでしょう。ドロ出しについてある程度、見込みがつくと、使い捨てのように不要になります。専門職、資格のある人、経験豊かな者でないと、かえって足手まといになると切り捨てられるわけです。

先に紹介した避難しようとしない年配の方々の話を聞いたら、すぐに対応しなければなりません。人のいのちの生殺与奪権は「官」が掌握しているわけではありません。住民の脱出、危険の回避、生きながらえる権利は、行政だけが全責任を持って対応する性質のものでもありません。近隣、隣人、通りかかった善意の人が助け合うコミュニティーづくりを心がけねばなりません。

「迷惑をかけてすみません」から「お世話になります。ありがとうございます」と被災地でみんなが言えるエートスを作り上げねばなりません。そのためには、5年、10年を要するでしょう。「無関心」の、見ざる、言わざる、聞かざるから脱皮した人間性豊かな共同社会を目指すべきです。日本人全体が有機的な思いを抱く、血の通った「縁」を大切にしたいものです。

打ち上げ花火のように、人目を引くことはボランティア道ではありません。「後ろ姿でにっこり」の感謝の心を持って、被災者に寄り添うことを第一にしたいものです。地道な継続を求められます。

同じようにボランティアも、「何しに来ているのか」と言われることを気にするようでは務まりません。人間的な評価を得ようとして取り組むのは、自己充足感、満足感、達成感を満たす動機になります。被災者に不幸、悔しさ、悲しみのトラウマがあるなら、徹頭徹尾、それを支え続ける優しさがボランティアには求められます。たとえその日、「忙しいから」「もういいから」と断られても、翌日には待っておられることだって体験します。

ボランティアは、生活が急変した被災者に寄り添います。最も絶望した人々の視座からの慰めを考慮すべきです。聖書の神は「なお、低く下って天と地を御覧になる」方と書かれています(詩編113:6)。

「まずは準備が整ってからお伺いします」では間に合わないのです。例えば、ご近所の家が燃えており、中で人が気付かずに眠っているとするなら、まずはたたき起こすという初動の緊急性が求められます。「完全に装備したら救援に行きます」では、いつまでたっても助けられません。ひもじい思いをしている人たちに忍耐を強いることになります。つまり、現地への交通費、緊急車両特別免除、募集などがある程度そろってからでないと行動できないようなボランティアは、年に1、2回行くのが関の山です。備品などが何もなかったとしても、現地ではやることがいっぱいあるのです。

ボランティア道とは、水もトイレもないところへすぐさま飛び込む精神があれば、資格を問いません。「それぞれが自分勝手に現地に急行すると、渋滞を引き起こすから」などと余計な心配をする必要はありません。人命救助の消防隊、警察、自衛隊は、孤立した地域へ行く道路などを閉鎖して、一般車は通行できないようしているからです。ヘリコプターで救援活動をしている現場と、避難所で炊き出しなどのボランティアをする場所は異なります。

大切なことは、生きることもおぼつかない人たちのところへすぐに急行し、寄り添う感性、共苦、共生する有機的な思いです。災害国日本では、被災者と苦縁するように覚醒しなければなりません

◇

岩村義雄

岩村義雄

(いわむら・よしお)

2001年の9・11以降、難民支縁、被災者に寄り添う「ボランティア道」や「田・山・湾の復活」を展開。これまでに150回を超える東北ボランティアや熊本豪雨の被災者支援を行い、千葉県布良(めら)、北海道厚真(あつま)町、岡山県真備(まび)、福岡県松末(ますえ)、熊本県益城(ましき)、東遊園地(神戸市役所隣)で炊き出しを行ってきた。海外では、ネパール、シリア、北朝鮮など10カ国以上で孤児施設の開設に取り組んでいる。神戸国際支縁機構代表、「みんなで『死』を考える会」会長、エラスムス平和研究所所長、「阪神宗教者の会」代表世話人、「カヨ子基金」前代表、神戸新聞会館講師、神戸国際キリスト教会牧師。著書、資格、表彰はなし。

関連タグ:岩村義雄神戸国際支縁機構(KISO)
  • ツイート

関連記事

  • 九州豪雨:神戸国際支縁機構が朝倉市に入り炊き出し

  • 「石の叫びに敏感であろう」 宮城学院女子大学・大学院のキリスト教教育特別集会で岩村義雄牧師が講演

  • 「水平の〈運動〉から、垂直の〈活動〉に」神戸国際支縁機構の岩村牧師 災害ボランティアを語る

  • 九州キリスト災害支援センターから続報 九州豪雨の被害支援は行政と連携しながら

  • 九州北部で記録的豪雨、九州キリスト災害支援センターが初動体制に 祈りの課題と現地情報提供を呼び掛け

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(10)抗黙示思想 臼田宣弘

  • ワールドミッションレポート(8月22日):コンゴのレンドゥ族のために祈ろう

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(229)コロナ禍による信仰生活への影響 広田信也

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 主キリストの大きな力で癒やされよう 万代栄嗣

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

編集部のおすすめ

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.