Skip to main content
2025年9月16日11時38分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
床屋談義

床屋談義(1)床屋と縁側 臼井勲

2017年7月7日11時17分 コラムニスト : 臼井勲
  • ツイート
印刷
関連タグ:臼井勲

「縁側」という言葉は、今やすしのネタの1つに残っているだけの現実味のない言葉になってしまった。かつて僕らの子どもの頃には、たいていの家には縁側があった。猫が日なたぼっこする所だけではなく、「お1つどうぞ」など、ふかしたお芋だとか、煮たカボチャなどを主婦が持ち寄って、井戸端会議ならぬ縁側コミュニケーションの場であった。

主人たちも、夏などステテコ姿で近所の人と将棋を指したりした。子どもたちも、縁側から気安くその家の友達に声を掛け、上がり込んで遊べる場所であった。職人や御用聞きも仕事着のまま立ち寄れる場所でもあった。すべて合理化、安全のためという美名の下に、今日では縁側はなくなってしまった。

縁側と一緒に失われたものは、なにげない自然体のコミュニケーションである。人と人とが出会うのは、今日、公民館での集まりとか、イベントで学校や公共施設に出掛けるときくらいであろう。しかし、たいがい挨拶を交わす程度の会話で終わってしまう。

昔から床屋は、銭湯と並んで人と人との良いコミュニケーションの場といわれてきた。落語の中にも、「浮世床」「ぶしょう床」など床屋を扱ったものがある。

「崇徳院」という落語がある。一目ぼれで恋わずらいに陥った大店(おおだな)の若旦那を助けようと、店の者総出で、相手のお嬢さんが別れ際にふと漏らした「百人一首」の上の句、「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の」、もちろん下の句は「われても末に 逢はむとぞ思ふ」であるが、これを唯一の手掛かりに、恋の相手を探すことになる。

探し当てたときに約束された大報酬に発奮した店出入りの頭「かしら」が、何軒もの床屋をハシゴしてこの句を大声で怒鳴ることで、ついに相手方と出会うという話である。やはり床屋が情報伝達の最良の場として設定されている。

昔の床屋には、必ず囲碁や将棋の板が置いてあり、順番を待つ客同士これに興じるといったのんびりした景色があったようである。現代にそんな床屋はないが、町内のコミュニケーションの場であり得る条件は残っているように思う。

ところで、英語で「縁側」を何と言うかと調べると、それに当たる語がないことに気付く。だが、「縁側」が持つ意味から考えると、「マージン」という語に行き当たった。これは、日常は商行為における「利得」を意味する言葉であるが、元来は ① 本の余白、② 湖や海岸の余白、つまり岸の部分を意味する語である。

本はもし余白がないと読みづらいし、あればメモったり、書き込みに使える。湖なども摩周湖のように余白がないと神秘的ではあるが、取り付く島もなく、釣りやボート遊びもできない。

また、このマージンは、車のハンドルの「あそび」にも似て、有事の際にパニくらない、心の余裕にも通じるものがある気がする。実は、このたび始めた「床屋談義」も、こんな「縁側」的なものを考えて思いついた。「落語」と「聖書」という組み合わせは、一見アンバランスのようにも思われるかもしれないが、よく考えると、両方とも人間の根源的な話題を持っている気がする。

上質な知性やセンスというハシでこの肴(さかな)を食するなら、時にユーモアの香りや、時に刺激的なパンチラインを賞味する幸せもあるのではと思っている。「船頭」役としては、智に働き過ぎて角が立たぬよう、また、情にさおさして流されぬよう気を配り、春風に吹かれて、ゆったりと大川を下って行くようにまいりたく願っている。

次回へ>>

◇

臼井勲

臼井勲

(うすい・いさお)

1942年東京・深川生まれ。57年受洗。64年早稲田大学文学部西洋史科卒業。96年JTJ宣教神学校卒業。2007年から日本聖契キリスト教団の伝道師となり、現在、同教団新秋津キリスト教会伝道師。同教団の酒匂キリスト教会、平塚聖契キリスト教会で説教奉仕をしている。JTJ宣教神学校「イスラエル史」講師。「『物語り』から聖書を学ぼう」講師。聖句書道教室講師。平塚のルデヤ理容館店主。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:臼井勲
  • ツイート

関連記事

  • 聖書をメガネに 東京深川生まれのコラムニスト三羽烏 宮村武夫

  • 聖書の中の気になる人物―イシュマエル(1)声なき声を聞かれる神 臼井勲

  • この人に聞く(23)「笑いを通じて福音を伝えていきたい」アマチュア福音落語家 ゴスペル亭パウロさん

  • 本職は「西洋坊主」 素人落語家・濱の家真砂

  • 好評の福音落語トラクト第3弾『カミさんを恐れることが知恵のはじめ』

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(244)聖書と考える「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(11)抗黙示思想と今この時のトーブ 臼田宣弘

  • 聖書のイエス(17)「わたしを見た者は、父を見たのです」 さとうまさこ

  • 主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣

  • ワールドミッションレポート(9月16日):グアテマラ 子どもたちに広がる希望の連鎖

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 新しい発見 佐々木満男

  • 今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「信仰の実践としてのスピリチュアルケア」 オリブ山病院で第3回臨床牧会教育

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.