Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
聖山アトス巡礼紀行

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(26)断崖絶壁の道〜運転手とA修道士との出会い 中西裕人

2017年4月15日07時07分 コラムニスト : 中西裕人
  • ツイート
印刷
関連タグ:中西裕人正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス

ラヴラ修道院を早朝出発し、再びアトスの首都カリエに戻った。カリエでは、昼過ぎのバスの出発まで、カフェでコーヒーを飲んで少しのんびりしたり、土産屋を見たり、猫とたわむれたり、また数分のセントアンドレアススキテや、少し下がって海の見える方へと散策し、カメラに収めた。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(26)断崖絶壁の道〜運転手とA修道士との出会い 中西裕人

ダフニからの大きなバスが到着し、それぞれの修道院へ行くバスを聞いたところ、シモノスペトラ行きは存在しなかった。問い合わせるとチャーターでしか行かないと言われ、今回の目的の1つということもあり、75ユーロ支払って向かったのである。本来は、ダフニ港から半島の下の方へ降りる船に乗り、シモノスペトラ修道院を目指す。

しかしながら、海抜300メートルの断崖に位置する当修道院は、下船後に岩山を登ることになるのである。大きな機材を抱えての移動になるため、最近はダフニ港から道も整備され、バスで行けるとの情報を得たため、今回はバスでの訪問とした。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(26)断崖絶壁の道〜運転手とA修道士との出会い 中西裕人

およそ45分、ダフニ港に到着し、いつもとは逆の山を登ることになる。

すると、上り坂へ続く橋の手前にチェーンが掛けられており、そこで車を止めさせられた。警備のような服装で1人の男が現れた。ふと、予約の連絡を入れていないと無情にも車を降ろされ、徒歩で引き返された、あのヴァトべディ修道院の検問を思い出した。私たちの名を確認し、なにやら、警備の男がトランシーバーで話しているのが聞こえる。

「確認が取れません」との回答であった。がしかし、バスの運転手が何やら話をしている。「問題ない。任せとけ」といった顔つきで、交渉に当たってくれた。すると、数分の末、警備の男が浮かぬ表情で首を横にかしげ、言葉に出さない「進め」の合図を出し、チェーンを下ろしたのである。

何だか分からない。とりあえず、予約も取っていないが、なるようになる。これは、長年東南アジアなどで旅を続けた感覚というか、不安もありつつ、何とかなる的なノリで、とりあえず、今の問題を解決できた達成感に満ち溢れていた。(運転手のおかげだが)

バスは、急峻な上り坂を駆け上がり、しばらくすると、エーゲ海の大絶景が目に入る。6月のアトスは、天候も落ち着き、ほぼ晴天。空の青、海も穏やかに青にしまり、本当に青一色になるのである。

コンクリートでの舗装はされていないが、砂利で整備された道をバスは行く。あのラヴラへ行く途中の道のように半島の形に沿ってグングン進むが、何が違うかというと、圧倒的に道の位置する高さが違うのである。少しでも誤った運転をしたら、そのまま何百メートル下へ転落してしまう、スリリングな道なのである。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(26)断崖絶壁の道〜運転手とA修道士との出会い 中西裕人

恐怖と好奇心、シモノスペトラまでもう少しという期待感、いろいろ入り混じり、自分が運転しているかのように肩に力が入り、運転席に前のめりになっていたのである。クネクネと恐怖心に耐えながら、あとはこの運転手を信じながら30分ほど、ついに目の前にシモノスペトラ修道院が現れたのである。

「すげ〜」と、近づくにつれ、その大きさや自然と一体になっている建物、それを造った人間の力、何がなんだか頭の中が興奮状態になっていたことを思い出す。今にも崩れそうな土台に、せり出したバルコニー、高いところが好きな自分にとっては、気持ちが高ぶる建物でもあった。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(26)断崖絶壁の道〜運転手とA修道士との出会い 中西裕人

アトス内では、旅の行程などは思うようにいかないのが当然であり、今回はたまたま成功したが、やはり日程を組むときは、余裕がないと難しいなと考えさせられた出来事であった。バスは停車し、いよいよ車を降りた。

運転手に両手で握手をして、「サンキュー」と言って別れた。彼の強引な押しなしでは、ここまで来られなかったことを思うと、ただただ感謝しかなかった。

アルフォンダリキ(受付)を目指す途中からカメラをバシバシ撮っていた。すると、背の高い修道士が何やら注意したそうにこちらを見ていた。

「怒られるかな〜」と横目に、アルフォンダリキへ。「よく来ましたね、少し休んでください」と別の修道士が歓迎の言葉と、予約を入れていないのに受け入れてくれたという安堵(あんど)感に包まれた。少しして部屋へ通された。ここで初めて、今日の宿が決まったという安心へと変わるのも、アトスの旅の醍醐味(だいごみ)かもしれない。

部屋の周りをカメラをぶら下げ、ウロウロしていると、先ほどの背の高い修道士が近づいてきた。「怒られるっ、怒られるっ!」と思っていると・・・。「私はA修道士です。あなたのお名前を教えてください」と言う。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(26)断崖絶壁の道〜運転手とA修道士との出会い 中西裕人

次回予告(4月29日配信予定)

A修道士が近づいてきて、旅は思いも寄らぬ方向へ・・・。

<<前回へ     次回へ>>

◇

中西裕人

中西裕人

(なかにし・ひろひと)

写真家。1979年生まれ。東京都杉並区出身。日本大学文理学部史学科卒。外苑スタジオ勤務後、雑誌「いきいき」(現「ハルメク」)専属フォトグラファーを経て独立、雑誌、広告、webを中心に活動中。2014年に洗礼を受ける。父は日本ハリストス正教会司祭であり、年に数回共にアトスを訪れ修道士の生活などに密着した取材を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:中西裕人正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス
  • ツイート

関連記事

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(25)ケリの祈り2:I修道士とケリ 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(24)ケリの祈り1:夜明けのエーゲ海 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(23)M司祭との再会〜午前3時の約束 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(22)イヴィロンの荒波 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(21)静寂のラヴラ 中西裕人

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 安らぎの中で体験する勝利 加治太郎

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.