Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(1)信仰心を表現できない日本人 広田信也

2016年8月24日07時09分 コラムニスト : 広田信也
  • ツイート
印刷
関連タグ:広田信也ブレス・ユア・ホーム

今年も終戦71年を迎え、日本のさまざまなところで祈りの場が持たれた。政治家たちが靖国神社でどのように祈るかは海外からも注目されるため、慎重に言葉を選んだインタビューの様子が報道される。どこに向かって祈るかということよりも、どのような立場で何を祈るかが常に問われているように思う。

戦没者追悼式では「黙祷!」の掛け声が毎年のように流れる。「黙祷!」という言葉は、とても便利な言葉であるとともに、実に多くの人の思いを束ねる力のある言葉でもある。

終戦記念日だけではない。熊本、東北、神戸を襲ったそれぞれの震災記念日でも、また最近よく見かける宗教者のいない無宗教葬においても、「黙祷!」と誰かが声を上げる。実に多くの人の悼みが凝縮された深い祈りの時間である。

そういえば、私自身も信仰を持つまで毎年のように初詣に出掛けていた。神社の神殿に向かい身勝手な祈りをささげていた。そこに何が祭られているかなど気にすることなく真剣に祈っていたのを覚えている。

大学受験の時は、結構努力して準備を重ねたが、最後は祈るだけだった。交際相手の女性のためにも真剣に祈っていた。長男が産まれるときは、家で待機するように言われ、狭いアパートの一室で電話を前にしてひたすら祈っていた。

29歳にして聖書信仰を持ち、確かに祈りの質は変わった。声に出して祈ることも多くなった。天地を創られた神様に向かって祈れることは幸いなことである。

しかし、信仰を持つ前の祈りは一体何であったのだろうか?どこに向かって祈っていたのだろうか?と思うことがある。多くの人が「黙祷!」という言葉に心を合わせているのは、一体どこに向けられた祈りなのだろうか?

祈りがどこに向けられるべきか?ということは、何を信じているかに関わることである。大切なことであるにもかかわらず、日本人は信仰の対象に触れることを避ける傾向がある。

日本人の多くは、自分は無宗教だと告白するにもかかわらず、宇宙を支配する大きな力を感じ、死後の世界や天国の存在さえ考える。しかし、何を信じるか?どこに向かって祈るか?を口に出すことはあまりない。それは個人の内面の問題で、公にすることではないと多くの人は考えている。以前の私もそのような日本人の1人だった。

日本人が信仰心を表現できない理由の1つに、江戸時代のキリスト教迫害期に切支丹(キリシタン)弾圧のために実施された檀家制度(寺請制度)の影響が考えられる。

檀家制度は、江戸幕府が1612(慶長17)年にキリスト教禁止令を出し、以後キリスト教徒の弾圧を進める際に、転びキリシタンに寺請証文(寺手形)を書かせたのが始まりである。元は棄教した者を対象としていたが、次第にキリスト教徒ではないという証しとして広く民衆に寺請が行われるようになった。

武士・町民・農民といった身分を問わず、特定の寺院に所属し(檀家になり)、寺院の住職は彼らが自らの檀家であるという証明として寺請証文を発行したのである。これを寺請制度という。

寺請制度は、事実上国民全員が仏教徒となることを義務付けるものであり、仏教を国教化するのに等しい政策であった。寺請を受けない(受けられない)とは、キリシタンのレッテルを貼られ、迫害の対象とされ、無宿人として社会権利の一切を否定されることにつながったのである。

この時代に、日本人の全てが心の内面においても仏教徒になったとは考えられないが、表向きは仏教徒としての体裁を整えることが、日本人として、またそれぞれが所属する村や家族の存続にとっては不可欠だったのである。

次に、日本人が内面の信仰心を表現できない国民となった第2の要因として、明治維新より第2次大戦まで続いた国家神道の影響が考えられる。明治維新において、政府は欧米列強に対して短期間に日本を中央集権国家に仕立てるために、突然、天皇を国家経営の中心に据え、その根拠をそれまでほとんど体系化されてこなかった神道に求めたのである。

当然、仏教やキリスト教は弾圧の対象になるところであったが、近代国家として海外との連携を重視する中で、信教の自由を認めることを要求され、対応が必要になったのである。

そこで政府がとった策は、宗教活動の外部に現れる行為(例えば布教活動など)は禁止するが、個人の内面に関わる部分は許可するというものだった。また国家神道は宗教ではなく、国民が従うべき儀式とし、大日本帝国憲法においても信教の自由を認めつつも臣民としての義務に背かないことを条件にしたのである。

このような奇策を日本人が受け入れていった背景には、宗教は政治の道具であり、それに反する行為をすること自体、社会に適応できないことを江戸時代の政策からも十分に学んでいたからと考えられる。

日本人は、心の内面の信仰心を表現しないことの大切さを、江戸時代から長年学んできた世界でもまれな国民なのである。そのような日本人に寄り添った宣教とは何であろうか? よく考えてみたい。

次回へ>>

◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:広田信也ブレス・ユア・ホーム
  • ツイート

関連記事

  • ブレス・ユア・ホーム代表の広田信也牧師が語る「葬儀からの日本宣教のシナリオ」

  • 葬儀を入り口とした日本宣教の新しい在り方を考える 「キリスト教葬儀から日本宣教を考える」拡大シンポ

  • 苦しんでいる多くの高齢者を救うために 牧師を対象にした終活セミナー、淀橋教会で開催

  • 葬儀を通して福音を伝える 株式会社 創世 ライフワークス社代表取締役の野田和裕さん 

  • 「孤独を超えて、生と死に向き合う」 キングス・ガーデン東京が第2回シンポ開催

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.