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使える人より、仕える人になろう 関智征

2016年5月27日12時27分 コラムニスト : 関智征
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「このスマホ、超使えなーい」。近所の高校生が、機械相手に怒っていました。

この数年、通信機器技術は目まぐるしく発達しました。

私が高校生だった20年前は、ポケベルの全盛期でした。特に女子生徒が、学校の公衆電話でポケベルを打っていました。

ポケベルを打つときに、♯(シャープ)のボタンを一番使ったものです。あまりに♯を使うので、公衆電話では♯ボタンだけ潰れたりしていました。今ポケベルを持っている人は、ほとんどいません。

ケイタイに限らず、あらゆる製品・サービスが、「使えるか、使えないか」で判断されています。同様に、私たち人間の価値さえも、「この人間は、どれだけ使えるか」で判断される時代です。

しかし、この「使える人」という言葉は、どこか冷たい。

聖書には、「キリストのしもべとして、心から神のみこころを行い、人にではなく、主に仕えるように、善意をもって仕えなさい」(エペソ6:6、7)とあります。 「善意をもって仕えなさい」とは、誠意をもって「仕える人」になりなさい、ということです。

「使える人」と「仕える人」。 仕事をこなし良いアウトプットを提供する人という意味では、外見は一緒です。では、何が違うのでしょうか。

ハートが自分を向いているか、相手を向いているか。この根本的な動機が、違います。

私の先輩Mさんは、広告会社で働いています。数年前まで企画をお客様に説明するとき「このプレゼンで、仕事がとれますように」と祈っていました。

しかし、ある時「自分は、自己中心な祈りばかりしていた。自分が周りの人から評価されることばかり考えていた」とMさんは気が付きました。

そこで、いったん自分の売上や利害は横において「自分の企画が、少しでもお客様や社会の役に立てるものになりますように」「相手に、自分の企画を通して、真心が伝わりますように」とMさんの祈りが変わってきました。

そうすると、逆にMさんの企画が通るようになり、売上が伸びました。担当者の心に響くプレゼンをすることができたからです。

「主人に仕えるように、心を込めてクライアントに仕える」という仕事の原点にMさんは戻ったわけです。

もちろん、少しでも誰かに評価されたい、という思いは誰もが持つものです。自分の仕事が評価されず、使えない人間とレッテル貼りされるのは嫌なものです。

しかし、使える人間になることに執着すると、人と自分を比べて、落ち込んだり傲慢(ごうまん)になったりします。

むしろ、見返りを求めず、相手に仕える人間になる、与える人間になりたい。その心が相手に通じ、結果として、「使える人間」になるわけです。

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◇

関智征

関智征

(せき・ともゆき)

ブランドニューライフ牧師。東京大学法学部卒業、聖学院大学博士後期課程修了、博士(学術)。専門は、キリスト教学、死生学。論文に『パウロの「信仰義認論」再考ー「パウロ研究の新しい視点」との対話をとおしてー』など多数。

■ ブランドニューライフ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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