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小さいときのとらわれから自由になるには 関智征

2016年4月20日19時41分 コラムニスト : 関智征
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1. 字が汚くて三筆と呼ばれる

私は、予備校時代の駿台・北松戸寮で「北松戸の三筆(さんぴつ)」と呼ばれていました。三筆とは、書道の達者な平安時代の3人の人物を意味します。私が三筆と呼ばれていたのは、字が上手だったからではありません。字がヘタだったからです。

寮の友達に「お前の字、読めないよ。暗号?」と言われたりしました。あまりに字がヘタなので、ゆうや君と白石君と私の3人で「北松戸の三筆」と呼ばれていたのです。

大学入学後、ペン習字を習い始めました。ペン習字の教室では、先生の指導してくださる赤字を見て何度も練習しました。

何カ月か教室に通うと、ある程度、字も上達しました。しかし、ある時点で壁にブチ当たりました。ゆっくり気持ちを落ち着けて書くことができないのです。

2. 幼少のときにまいた裁きの種

そういえば私は、小さいときに母親から「早くしなさい」と何度も言われていました。

小さいときに、父親や母親に「何しているの? 早くしなさい」「勉強は?」「もう、大人なんだから」などと愛のない言葉で責められると、誰もが傷つきます。

その親の言葉は、大人になった後も、私たちの行動に影響を及ぼします。自分の親に言われて嫌だったせりふを、なぜか自分の子どもや周りの人に言ってしまうのです。

聖書には、

「人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります」(ガラテヤ6:7)

とあります。

私が、ペン習字の時に落ち着いて書くことができなかったのも、幼い私が、無意識に母親に対して怒りの気持ちを抱いてしまっていたからです。

母への苦い根という「種」をまいた私は、落ち着いて文字を書けないという「刈り取り」をしていたのです。

このマイナスのサイクルを断ち切るために「幼少期に抱いた裁きの気持ちを解放してください」と神に祈り始めました。

3. 真理はあなたがたを自由にする

母親との関係の回復は、ゆっくり進みました。特に、結婚と出産が大きな契機となりました。

3人の男の子の子育てを通し、私も「親の苦労」を実感しました。自分の時間が全然持てない、常に子ども優先、果てしなく続くオムツ替えやトイレトレーニング。

これらの体験の中で、「母親は、こんなに大変な思いをして自分を育ててくれたんだ」と分かりました。当時は、母親も余裕がなくて、つい言葉を荒げていたのか、と気付くことができたのです。

現在、母自身、自分の子育てを終え余裕ができたのか、孫を大変かわいがってくれています。神様が、育児という体験を与えてくださったおかげで、私の母への苦い根は消えていきました。逆に、私にテキパキした性格を与えてくれた母に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

まだまだ私自身の字は悪筆ですが(汗)、最近は、私も落ち着いて字が書けるようになってきました。それは、母親に対する根深い悪意が、本当は不当なものであったことを、神様が子育ての経験を通して教えてくれたからです。

小さいときの親との関係という過去からの解放を求めていった結果、私もとらわれから自由になることができました。この自由を与えてくださったのは「真理は汝らに自由を得さすべし」と言われたイエス・キリストご自身なのです。

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◇

関智征

関智征(せきともゆき)

ブランドニューライフ牧師。東京大学法学部卒業、聖学院大学博士後期課程修了、博士(学術)。専門は、キリスト教学、死生学。論文に『パウロの「信仰義認論」再考ー「パウロ研究の新しい視点」との対話をとおしてー』など多数。

■ ブランドニューライフ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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