Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化

京都ハリストス正教会で「アトスの修道士」写真展と司祭の特別講演会

2016年2月25日13時04分 記者 : 土門稔
  • ツイート
印刷
関連タグ:正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス中西裕人パウエル中西裕一
京都ハリストス正教会で「アトスの修道士」写真展と正教会司祭の特別講演会
京都ハリストス正教会・生神女(しょうしんじょ)福音大聖堂には、30枚以上のイコンが飾られている。 ©Hirohito Nakanishi

写真家・中西裕人氏の写真展「Stavros アトスの修道士」が6日から11日まで、京都ハリストス正教会で開かれた。11日には裕人氏の父で、日本正ハリストス正教会司祭のパワェル中西裕一氏による特別講演会「アトスの修道士たちとともに―正教の祈りと修道院の生活―」も行われ、約100人が訪れた。

この写真展は、世界遺産として知られるギリシャ正教の聖地アトスを30回以上訪れている裕一氏と裕人氏が親子でアトスを訪れ、修道院や修道士の祈り姿を間近でカメラにとらえた貴重な写真展。2015年夏のキャノンギャラリー銀座を皮切りに、札幌、梅田(大阪)など全国で展示が行われ、今回は同教会で企画された。

裕一氏は、日本大学の教授として古代ギリシャ哲学と東方キリスト教思想の研究を続ける中、正教会の洗礼を受け、現在は日本ハリストス正教会東京復活大聖堂教会(ニコライ堂)司祭も務める。15年ほど前から、30回以上アトスの修道院に通い、修道士と交流を持ちながら生活と祈りの体験を重ねてきた。

裕一氏によると、アトスはヘロドトスの『歴史』やホメロスの『イーリアス』の中にも記され、神聖な土地として注目されており、今から約千年前に修道士たちが暮らすようになったという。現在は20の修道院に約2千人の修道士が生活しており、ギリシャ共和国憲法でも自治区として規定されている。

京都ハリストス正教会で「アトスの修道士」写真展と正教会司祭の特別講演会
写真展を開催した中西裕人氏と、父の裕一司祭

ギリシャ正教の人間観について

裕一氏は「ギリシャ正教の人間観」について触れ、正教の信仰を象徴する言葉として、師父ニッサのグレゴリオスの言葉を引用した。

「創造のはじめ、人間は神の善が何も欠けていないまま誕生し、人間のすべきわざは、ただその善きものを守ることであって、獲得すべきことではなかった」

他のキリスト教会では「罪」「原罪」を重視するが、正教会ではそうではないという。「私たちは生まれた時点では神に最も近かったが、生活し過ちを犯すうちにそれを失って神様から遠ざかってしまう。その失ったものを取り戻さなければならない」「そこで神様をイメージしていく道行きとしての生活そのものを大切にするのが、正教の信徒の歩みなのです」と強調した。

正教会で使われるギリシャ語『七十人訳旧約聖書』の創世記では、「人間は神の"像"(似姿)と"肖"に従って創造された」(1:26)と記されている。これは、人間は神のイメージを持って生まれてきた素晴らしい存在である、ということを示している。

しかし、それを生活の中で失いつつある、そういう自分を見つめて、再び神の与えてくれた元の姿へ戻ろうというのが、カトリックやプロテスタントとは違う部分であるといえる、と語った。

「だからある意味では明るいともいえます。罪に打ちひしがれて暗い存在というキリスト教徒のイメージに比べると、私たちは明るいかもしれません。写真に表れている修道士たちの気さくな表情にもそれが表れています」と述べた。

京都ハリストス正教会で「アトスの修道士」写真展と正教会司祭の特別講演会
講演する裕一司祭

実践的な正教の信仰

そして「正教会の信仰は、概念や知識ではなく非常に実用的です」と語り、『フィロカリア』(新世社)から、聖大アントニオスの言葉を引用した。

「人は、しばしば誤った意味で理性的であると言われる。理性的な人々とは、弁舌と賢者の書物とについての学識がある人々のことではなく、理性的な魂を持ち、何が良いことであり、どのようなことが悪いのかを識別することができる人々のことである。彼らは、邪悪なこと、魂を害することを避け、善いこと、魂のためになることを熱心に心がける。そしてそのことを、神への心からの感謝をもってする。このような人々だけが、真の意味において理性的であると言われるべきである」

裕一氏は「だから概念的に考えるのではなく、明日からどう生きたらいいのか、神様にふさわしいようになれるのかを追求して生きる。そのために神様にお祈りして生きる。神様がいなければ私たちに救いはない、と実践して生きているのです」と語った。

アトスの修道生活の中では「知識を持っても役に立たなければ、何の意味があるのですか」と常に問われるという。

「修道院というと、禁欲生活をして自らの罪のことだけを考えているように思われるが、そうではなく、自分が神様に向かって生きていけるかということを考えるのが正教の修道生活なのです」と述べた。

さらに、海外の放送局が制作した、アトスをテーマにしたドキュメンタリー番組を上映しながら、修道院の様子や生活についての詳しい解説も行った。

京都ハリストス正教会で「アトスの修道士」写真展と正教会司祭の特別講演会
祈りをささげる中には東欧系の信徒の姿もあった。

正教の実践的な知恵について

裕一氏はある時、お世話になった修道士たちに「エフハリストー(ありがとう)」と言うと、「その言葉は神様に言う言葉だよ」と言われたことがずっと印象に残っていたが、それがある時、師父のある教えにつながったという。

「もし、お前が、ある人から物質的に助けてもらったので、神を考えずに彼を称賛する場合には、後になって同じ人が、お前には悪人と思われるであろう」(『フィロカリアⅠ』(新世社)修得者マルコス「霊的な法について」より)

「さまざまな意味が昔の師父たちの言葉に隠されている。後になってその意味に初めて気付くことがある。客観的な知識ではなく、自分の生き方にどう関係していくかということを教えてくれているのが師父たちの言葉なのです」と裕一氏は話す。

「祈りの中でもこれらの言葉が読み上げられる。信仰体験の中で言葉だけではなく、それが心と体となっていく。そのような生活を積み上げ、天国へと向かって歩いていくという確信を持って生きている人たちの生きる現場が修道院なのです」

人はなぜアトスを訪れるのだろうか。裕一氏は最後にこう語った。

「私たちは、日々の中で、時に確信が揺らぎ、迷う。アトスには、確信を持って生涯を生きる人がいる。だからこそ、そのような場所に行きたいという巡礼者が、世界から絶えないのではないでしょうか」

「アトスを訪れる巡礼者は修道士の話を聞き、会話をします。そして家に帰り、それを家族や友人に伝え、『あなたのために祈ってきました』と言います。正教会は、祈りは自分のためだと考えません。もし自分のための祈りがあるとすれば、みずからの「罪の赦(ゆる)し」だと考えます。祈りは自分が出会ったさまざまな人のことを思い起こし、祈ることが根底にあります。そして一番大事なことは、神様を讃美することにあるのです」

講演の後には、1901年に建造され京都市指定有形文化財に指定されている、同教会の生神女(しょうしんじょ)福音大聖堂で、裕一氏により祈祷がささげられた。

京都ハリストス正教会で「アトスの修道士」写真展と正教会司祭の特別講演会
生神女(しょうしんじょ)福音大聖堂で裕一司祭により祈祷がささげられた。 ©Hirohito Nakanishi

同聖堂は、平等院鳳凰堂など古寺社の修復に携わる一方で、京都府府庁旧本館や中国の旧大連市役所などを設計した建築家、松室重光(1873~1937年)によって設計された、本格的なビザンチン建築としては国内最古のものだという。

関連タグ:正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス中西裕人パウエル中西裕一
  • ツイート

関連記事

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(1)ウラノーポリの夕日 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(特別編)聖山アトスの修道士と共に 司祭・パワェル中西裕一

  • 銀座で聖地アトスの写真展 写真家・中西裕人氏が撮った修道士たちの祈り

  • ニコライ堂司祭、正教会への誤ったステレオタイプを例証 世界の正教会について講演

  • これ一冊で正教の基礎が分かる必携書 クリメント北原史門著『正教会の祭と暦』

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.