断食祈祷聖会2016「葬儀から日本宣教を考える」 土浦めぐみ教会・清野勝男子牧師が講演

2016年1月13日12時53分 印刷
+断食祈祷聖会2016「葬儀から日本宣教を考える」 土浦めぐみ教会・清野勝男子牧師が講演
講演する日本同盟基督教団土浦めぐみ教会の清野勝男子(かつひこ)主任牧師。土浦めぐみ教会に赴任して25年になる清野牧師は、これまで133人(納骨を含めると150人)の葬儀に関わってきたという=12日、東京中央教会(東京都新宿区)で

「断食祈祷聖会2016」(同実行委員会主催、日本福音同盟=JEA協力)は2日目の12日、午前10時から集会が行われ、日本同盟基督教団土浦めぐみ教会の清野勝男子(かつひこ)主任牧師が、「葬儀から日本宣教を考える」と題して講演を行った。「葬儀」を日本の特殊性と考える清野牧師は、キリスト教葬儀についてこれまで試行錯誤を続けてきたという。講演では、キリスト教葬制文化の開拓について理論と実践ということで、自らが牧会する土浦めぐみ教会をケーススタディーにして、根強く残る日本の土着文化の中でキリスト教を広めるために行ってきた働きについて報告した。

清野牧師はまず、「葬制文化」が葬儀だけでなく、その後の節目に行われる記念会までも含んでいることを説明した。続いて「今後高齢化が進み、年間150~160万人が亡くなっていく中で、教会がどれだけ葬儀に関与していくことができるかは非常に大事」と述べ、「望みなき悲嘆から、望みあふれる葬儀」を教会は提供すべきではないかと話した。そして、土浦めぐみ教会が日本の巨大な仏式葬制文化の中で、聖書の意味・メッセージが明確に表明され、それでいて地域社会から拒否されないように配慮した、キリスト教葬制文化、または聖書的通過儀礼の改革をしてきたことを語った。

キリスト教葬儀といったときに最も注目されるのが、未信者の葬儀をどう扱うかだ。清野牧師は、教会で未信者の葬儀をしない理由について、「キリストの唯一性の喪失や、イエス・キリストの贖(あがな)いにより救われるという特別恩恵の観点、あるいは説教が語れないといったことが考えられるが、神学的な確固たる根拠はないのではないか」と話し、土浦めぐみ教会では、一般恩恵に基づいて未信者の葬儀も執り行っていることを伝えた。

一般恩恵とは、罪と咎(とが)のある人類でも直ちに滅ぼすことなく、救いの道を残していてくださる神の人類に対する驚くべき好意的姿勢から注がれる恵みのことで、その恵みはクリスチャン以外の人にも注がれているという。清野牧師は、神は忍耐をもって、未信者が持つ善意や良心、自己統制力といったものを保存しておいてくださることを聖書を通して伝えた。さらにヨナ書4章から「『右も左もわきまえないニネベの人を惜しむ』と言われる神様は、主イエス様を聞いたこともない巷(ちまた)の日本人も惜しんでくれるに違いない」「それを知れば、未信者に対する私たちの姿勢は変わらなければならないのではないか」と訴えた。

断食祈祷聖会2016「葬儀から日本宣教を考える」 土浦めぐみ教会・清野勝男子牧師が講演
講演の前に参加者同士であいさつを交わし合い、交わりの時を持った。

清野牧師は、「特別恩恵には属さなくても、一般恩恵の中で生きることを許されてきたという事実に敬意を表して葬儀をすることが、一般恩恵に基づくキリスト教葬儀だ」と言い、実際に土浦めぐみ教会では、神は未信者であっても生を授け、ある期間神にその存在が許されてきたという事実に基づいて、未信者の葬儀を行っていることを説明した。そして、「一般恩恵に基づくことで、日本の教会は仲間の死だけではなくて、人の死を取り扱える成熟した宗教になるのではないか」と述べた。

一般恩恵に基づく未信者の葬儀における注意点は、亡くなった人に対してではなく、遺族の慰めのために行うこと点だ。故人が生きてきた中で尊敬に値することを語ることで、遺族は慰められるという。また、説教を語るとき、「いのちの創造者」という表現を使っていることを明かした。「『いのちの創造者』という表現は、未信者にとって新しい概念だが、ぜひそれを伝えたい。どこに行ったかなど言わなくても受け止めることができる」と言い、その根拠として「全てのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです。栄光が神に永遠にありますように」(ローマ11:35)を示した。

清野牧師は、キリスト教葬制文化を開拓する三原則として、①クリスチャンの葬儀では、特別恩恵に属した者として福音の約束と希望を証し、未信者の葬儀では、一般恩恵の中で生かされた者として敬意を表して行う、②あらゆる文化圏の通過儀礼としてキリスト教葬儀を行い、既存の機能を無視せずに「機能的代替」として聖書的な儀礼を開拓する、③福音や救いの希望というのは言葉だけでなく、シンボリズムを用いて語り掛ける――を挙げ、土浦めぐみ教会におけるキリスト教葬儀の実践例について紹介した。

断食祈祷聖会2016「葬儀から日本宣教を考える」 土浦めぐみ教会・清野勝男子牧師が講演
清野牧師の講演には56人が集い、未信者の教会での葬儀という課題について共に分かち合い、祈りの時を持った。

これまでに実際に行ってきた葬儀の様子を紹介しながら、清野牧師は特に、教会にある納骨堂の存在を強調した。「納骨堂が教会にあるかないかは、その家族・親族に今後宣教ができるかできないかの分水嶺(れい)になる」。葬儀を教会で執り行っても、家の墓に入ってしまえば、その家族とのつながりは断たれてしまう。そのため、土浦めぐみ教会では、教会の納骨堂にこれまで寺院に納めていた遺骨を移した事例もあると紹介し、「檀家(だんか)制度に楔(くさび)を打たなければ、日本のキリスト教は土着できない」と力を込めた。

最後に未信者の葬儀から来る祝福として、清野牧師は、遺族とのつながりを挙げ、教会が地域でキリスト教葬儀を執り行っていくことが、どんなに良いものであるかを感じていると明かした。そして、日本に根付く土着文化の中で、キリスト教が広がっていくように参加者と共に祈った。

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